基礎問題集
数学3 微分法「グラフ・増減・極値」の問題11 解説
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解説
方針・初手
各点 $(x_0,y_0)$ から直線 $y=mx+1$ までの距離は、直線を
$$ mx-y+1=0 $$
と見れば
$$ \frac{|mx_0-y_0+1|}{\sqrt{m^2+1}} $$
で与えられる。したがって、3点 $A,B,C$ についてそれぞれの距離の二乗を求めて足し合わせれば $S$ が求まる。
その後、$S(m)$ を微分して極値を調べ、さらに $S''(m)$ によって変曲点を調べればよい。
解法1
点 $P(x_0,y_0)$ から直線 $mx-y+1=0$ までの距離の二乗は
$$ \frac{(mx_0-y_0+1)^2}{m^2+1} $$
である。
したがって、
$$ A(-1,0) \text{ からの距離の二乗 }=\frac{(-m+1)^2}{m^2+1} $$
$$ B(1,3) \text{ からの距離の二乗 }=\frac{(m-3+1)^2}{m^2+1} =\frac{(m-2)^2}{m^2+1} $$
$$ C(2,0) \text{ からの距離の二乗 }=\frac{(2m+1)^2}{m^2+1} $$
よって、距離の平方和 $S$ は
$$ S=\frac{(1-m)^2+(m-2)^2+(2m+1)^2}{m^2+1} $$
である。分子を整理すると
$$ \begin{aligned} (1-m)^2+(m-2)^2+(2m+1)^2 &=(m^2-2m+1)+(m^2-4m+4)+(4m^2+4m+1)\\ &=6m^2-2m+6 \end{aligned} $$
したがって
$$ S=\frac{6m^2-2m+6}{m^2+1} =6-\frac{2m}{m^2+1} $$
となる。
次に極値を調べるために微分する。
$$ S'(m)=\frac{d}{dm}\left(6-\frac{2m}{m^2+1}\right) =\frac{2(m^2-1)}{(m^2+1)^2} $$
したがって、$S'(m)=0$ となるのは
$$ m=\pm 1 $$
である。
ここで $(m^2+1)^2>0$ であるから、$S'(m)$ の符号は $m^2-1$ の符号で決まる。よって
- $m<-1$ で $S'(m)>0$
- $-1<m<1$ で $S'(m)<0$
- $m>1$ で $S'(m)>0$
である。したがって、
- $m=-1$ で極大
- $m=1$ で極小
となる。
その値は
$$ S(-1)=6-\frac{2(-1)}{(-1)^2+1}=6+1=7 $$
$$ S(1)=6-\frac{2}{1+1}=6-1=5 $$
である。
次に変曲点を調べるために $S''(m)$ を求める。
$$ S''(m)=\frac{d}{dm}\left(\frac{2(m^2-1)}{(m^2+1)^2}\right) =\frac{4m(3-m^2)}{(m^2+1)^3} $$
したがって、$S''(m)=0$ となるのは
$$ m=0,\ \pm\sqrt{3} $$
である。
$(m^2+1)^3>0$ であるから、$S''(m)$ の符号は $m(3-m^2)$ の符号で決まる。よって
- $m<-\sqrt{3}$ で $S''(m)>0$
- $-\sqrt{3}<m<0$ で $S''(m)<0$
- $0<m<\sqrt{3}$ で $S''(m)>0$
- $m>\sqrt{3}$ で $S''(m)<0$
となるので、$m=0,\ \pm\sqrt{3}$ はいずれも変曲点である。
それぞれの座標は
$$ S(0)=6 $$
$$ S(\sqrt{3})=6-\frac{2\sqrt{3}}{3+1}=6-\frac{\sqrt{3}}{2} $$
$$ S(-\sqrt{3})=6+\frac{\sqrt{3}}{2} $$
である。
さらに、
$$ \lim_{m\to\pm\infty}S(m)=6 $$
より、直線 $S=6$ は水平漸近線である。
以上より、グラフは左から上に凸で増加し、$(-1,7)$ で極大をとった後に減少し、途中で $(-\sqrt{3},,6+\frac{\sqrt{3}}{2})$、$(0,6)$ を通って凹凸を変え、$(1,5)$ で極小をとった後、再び増加して $S=6$ に近づく概形となる。
解説
この問題の本質は、点と直線の距離公式を正しく使って $S$ を $m$ の有理式として表すことにある。
実際、
$$ S=6-\frac{2m}{m^2+1} $$
まで整理できれば、微分計算はかなり見通しよくなる。特に、分母は常に正であるから、$S'$ や $S''$ の符号判定は分子だけを見ればよい。
また、
$$ \lim_{m\to\pm\infty}S(m)=6 $$
であることから、グラフの両端は水平線 $S=6$ に近づく。極大値が $7$、極小値が $5$ であることも合わせると、概形はかなり明確になる。
答え
$$ S=\frac{(1-m)^2+(m-2)^2+(2m+1)^2}{m^2+1} =\frac{6m^2-2m+6}{m^2+1} =6-\frac{2m}{m^2+1} $$
極値は
$m=-1$ で極大値 $7$
$m=1$ で極小値 $5$
である。
変曲点は
$$ \left(-\sqrt{3},,6+\frac{\sqrt{3}}{2}\right),\ (0,6),\ \left(\sqrt{3},,6-\frac{\sqrt{3}}{2}\right) $$
である。
また、
$$ \lim_{m\to\pm\infty}S(m)=6 $$
より、水平漸近線は $S=6$ である。グラフは $m=-1$ で極大、$m=1$ で極小をとり、$m=0,\ \pm\sqrt{3}$ で凹凸を変えながら、両端で $S=6$ に近づく。