基礎問題集
数学3 微分法「グラフ・増減・極値」の問題25 解説
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解説
方針・初手
まず定義域が $x>0$ であることに注意して微分する。
$$ f(x)=\frac{(\log x)^n}{x} $$
の導関数は
$$ f'(x)=\frac{(\log x)^{n-1}(n-\log x)}{x^2} $$
となるので,増減は $\log x$ と $n-\log x$ の符号で決まる。したがって,$x=1$ と $x=e^n$ が要点である。
また,$n=3$ のときはさらに 2 回微分して,$f''(x)$ の符号から凹凸を調べる。
解法1
**(1)**
定義域は $x>0$ である。
$f(x)$ を微分すると,
$$ f'(x) =\frac{n(\log x)^{n-1}\cdot \frac1x \cdot x-(\log x)^n}{x^2} =\frac{(\log x)^{n-1}(n-\log x)}{x^2} $$
となる。$x^2>0$ であるから,$f'(x)$ の符号は
$$ (\log x)^{n-1}(n-\log x) $$
の符号で決まる。
**(i)**
$n$ が奇数のとき
このとき $n-1$ は偶数であるから,$(\log x)^{n-1}\geqq 0$ であり,$x=1$ でのみ $0$ になる。したがって $f'(x)$ の符号は $n-\log x$ の符号と一致する。
よって
- $0<x<e^n$ で $f'(x)>0$(ただし $x=1$ では $f'(1)=0$)
- $x>e^n$ で $f'(x)<0$
となる。したがって $f(x)$ は $0<x<e^n$ で増加し,$x>e^n$ で減少する。
また
$$ f(e^n)=\frac{n^n}{e^n}=\left(\frac{n}{e}\right)^n $$
であるから,$x=e^n$ で極大値 $\left(\dfrac{n}{e}\right)^n$ をとる。
なお,$x=1$ では $f'(1)=0$ であるが,その前後で増減は変わらないので極値ではない。
**(ii)**
$n$ が偶数のとき
このとき $n-1$ は奇数であるから,$(\log x)^{n-1}$ の符号は $\log x$ の符号と一致する。
したがって
- $0<x<1$ では $\log x<0,\ n-\log x>0$ より $f'(x)<0$
- $1<x<e^n$ では $\log x>0,\ n-\log x>0$ より $f'(x)>0$
- $x>e^n$ では $\log x>0,\ n-\log x<0$ より $f'(x)<0$
となる。ゆえに $f(x)$ は $0<x<1$ で減少し,$1<x<e^n$ で増加し,$x>e^n$ で減少する。
よって
$$ f(1)=0,\qquad f(e^n)=\left(\frac{n}{e}\right)^n $$
より,$x=1$ で極小値 $0$,$x=e^n$ で極大値 $\left(\dfrac{n}{e}\right)^n$ をとる。
**(2)**
$n=3$ のとき
このとき
$$ f(x)=\frac{(\log x)^3}{x} $$
である。
まず増減は (1) の奇数の場合より,
- $0<x<e^3$ で増加
- $x>e^3$ で減少
となる。したがって $x=e^3$ で極大値
$$ f(e^3)=\frac{27}{e^3} $$
をとる。
次に凹凸を調べるために 2 回微分する。
$$ f'(x)=\frac{(\log x)^2(3-\log x)}{x^2} $$
より,
$$ f''(x) =\frac{2(\log x)^3-9(\log x)^2+6\log x}{x^3} =\frac{\log x\left(2(\log x)^2-9\log x+6\right)}{x^3} $$
となる。
ここで
$$ 2(\log x)^2-9\log x+6=0 $$
の解は
$$ \log x=\frac{9\pm \sqrt{33}}{4} $$
である。そこで
$$ a=\frac{9-\sqrt{33}}{4},\qquad b=\frac{9+\sqrt{33}}{4} $$
とおくと,
$$ f''(x)=\frac{2\log x(\log x-a)(\log x-b)}{x^3} $$
と書ける。$x^3>0$ であるから,$f''(x)$ の符号は $\log x(\log x-a)(\log x-b)$ の符号で決まる。
$a,b>0$ であり,$a<b$ であることに注意すると,
- $0<x<1$ では $f''(x)<0$
- $1<x<e^a$ では $f''(x)>0$
- $e^a<x<e^b$ では $f''(x)<0$
- $x>e^b$ では $f''(x)>0$
となる。
したがって曲線は
- $0<x<1,\ e^a<x<e^b$ で上に凸
- $1<x<e^a,\ x>e^b$ で下に凸
である。
また,$f''(x)$ の符号が変わるので,変曲点は
$$ (1,0),\qquad \left(e^a,\frac{a^3}{e^a}\right),\qquad \left(e^b,\frac{b^3}{e^b}\right) $$
である。
さらに,
- $x\to 0+$ のとき,$\log x\to -\infty$ より $f(x)\to -\infty$
- $x\to \infty$ のとき,$f(x)\to 0$
である。
したがってグラフは,左下から増加して $(1,0)$ を水平に通過し,その後も増加して $x=e^3$ で最大となり,以後は減少しながら $x$ 軸の正の側から $0$ に近づく形になる。
解説
この問題では,まず
$$ f'(x)=\frac{(\log x)^{n-1}(n-\log x)}{x^2} $$
まで正確に計算できるかどうかが決定的である。以後は $x^2>0$ に注意して,$\log x$ と $n-\log x$ の符号を整理すればよい。
特に $n$ の奇偶で $(\log x)^{n-1}$ の符号の扱いが変わる点が重要である。$n$ が奇数のときは $x=1$ で導関数が $0$ になっても極値にならない。
また $n=3$ の場合は,$x=1$ が極値ではなく変曲点になる。水平接線をもちながら通過する点であることが,グラフの概形を決める大事な特徴である。
答え
**(1)**
$n$ が奇数のとき
$f(x)$ は $0<x<e^n$ で増加,$x>e^n$ で減少する。
$x=e^n$ で極大値
$$ \left(\frac{n}{e}\right)^n $$
をとる。
極小値はない。
なお,$x=1$ では $f'(1)=0$ であるが極値ではない。
$n$ が偶数のとき
$f(x)$ は $0<x<1$ で減少,$1<x<e^n$ で増加,$x>e^n$ で減少する。
$x=1$ で極小値
$$ 0 $$
をとり,$x=e^n$ で極大値
$$ \left(\frac{n}{e}\right)^n $$
をとる。
**(2)**
$n=3$ のとき
$$ a=\frac{9-\sqrt{33}}{4},\qquad b=\frac{9+\sqrt{33}}{4} $$
とおくと,
$0<x<1,\ e^a<x<e^b$ で上に凸
$1<x<e^a,\ x>e^b$ で下に凸
である。
変曲点は
$$ (1,0),\qquad \left(e^a,\frac{a^3}{e^a}\right),\qquad \left(e^b,\frac{b^3}{e^b}\right) $$
である。
また,増減は $0<x<e^3$ で増加,$x>e^3$ で減少であり,$x=e^3$ で極大値
$$ \frac{27}{e^3} $$
をとる。グラフは $(1,0)$ を水平に通過し,右方では $x$ 軸の正の側から $0$ に近づく。