基礎問題集
数学3 微分法「グラフ・増減・極値」の問題29 解説
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解説
方針・初手
まず $f(x)=x{(\log x)^2-3}$ を微分して,増減や接線の傾きを調べる。 この関数は $\log x$ を含むので,$f'(x),f''(x)$ を $\log x$ の式として整理すると符号判定がしやすい。
また,定積分はそのまま部分積分してもよいが,$t=\log x$ とおくと指数関数の積分に直せるので計算しやすい。
解法1
(1) 接線の方程式
点 $(1,-3)$ が曲線上にあることは
$$ f(1)=1{(\log 1)^2-3}=-3 $$
より確かめられる。
次に微分すると,
$$ \begin{aligned} f'(x) &={(\log x)^2-3}+x\cdot 2\log x\cdot \frac{1}{x} \\ &=(\log x)^2+2\log x-3 \\ &=(\log x+3)(\log x-1) \end{aligned} $$
したがって,$x=1$ における接線の傾きは
$$ f'(1)=(\log 1)^2+2\log 1-3=-3 $$
である。
よって,求める接線は
$$ y+3=-3(x-1) $$
すなわち
$$ y=-3x $$
である。
(2) 増減,極値,凹凸,変曲点
まず増減を調べるために $f'(x)$ の符号を見る。
$$ f'(x)=(\log x+3)(\log x-1) $$
より,
$$ f'(x)=0 \iff \log x=-3,\ 1 \iff x=e^{-3},\ e $$
である。
ここで $\log x$ の値に着目すると,
- $0<x<e^{-3}$ では $\log x<-3$ であるから $f'(x)>0$
- $e^{-3}<x<e$ では $-3<\log x<1$ であるから $f'(x)<0$
- $x>e$ では $\log x>1$ であるから $f'(x)>0$
となる。
したがって,$f(x)$ は
- $(0,e^{-3})$ で増加
- $(e^{-3},e)$ で減少
- $(e,\infty)$ で増加
する。
よって,$x=e^{-3}$ で極大,$x=e$ で極小となる。 その値は
$$ f(e^{-3})=e^{-3}{(-3)^2-3}=6e^{-3}=\frac{6}{e^3} $$
$$ f(e)=e(1-3)=-2e $$
である。
次に凹凸を調べる。さらに微分して
$$ \begin{aligned} f''(x) &=\frac{2\log x}{x}+\frac{2}{x} \\ &=\frac{2(\log x+1)}{x} \end{aligned} $$
を得る。ここで $x>0$ なので,$f''(x)$ の符号は $\log x+1$ の符号で決まる。
$$ f''(x)=0 \iff \log x=-1 \iff x=e^{-1} $$
であり,
- $0<x<e^{-1}$ では $\log x<-1$ だから $f''(x)<0$
- $x>e^{-1}$ では $\log x>-1$ だから $f''(x)>0$
となる。
したがって,
- $(0,e^{-1})$ では上に凸
- $(e^{-1},\infty)$ では下に凸
である。
よって,$x=e^{-1}$ で変曲点をもち,その座標は
$$ f(e^{-1})=e^{-1}{(-1)^2-3}=-\frac{2}{e} $$
より,
$$ \left(\frac{1}{e},-\frac{2}{e}\right) $$
である。
(3) 定積分 $I=\displaystyle\int_1^e f(x),dx$
$$ I=\int_1^e x{(\log x)^2-3},dx $$
とする。ここで
$$ t=\log x $$
とおくと,
$$ x=e^t,\quad dx=e^t,dt $$
であり,$x=1$ のとき $t=0$, $x=e$ のとき $t=1$ である。したがって
$$ \begin{aligned} I &=\int_0^1 e^t(t^2-3)e^t,dt \\ &=\int_0^1 e^{2t}(t^2-3),dt \end{aligned} $$
となる。
まず
$$ \int e^{2t}t^2,dt =\frac{1}{2}e^{2t}t^2-\int e^{2t}t,dt =e^{2t}\left(\frac{t^2}{2}-\frac{t}{2}+\frac{1}{4}\right) $$
であり,また
$$ \int 3e^{2t},dt=\frac{3}{2}e^{2t} $$
だから,
$$ \int e^{2t}(t^2-3),dt =e^{2t}\left(\frac{t^2}{2}-\frac{t}{2}-\frac{5}{4}\right) $$
である。
よって,
$$ \begin{aligned} I &=\left[e^{2t}\left(\frac{t^2}{2}-\frac{t}{2}-\frac{5}{4}\right)\right]_0^1 \\ &=e^2\left(\frac{1}{2}-\frac{1}{2}-\frac{5}{4}\right)-\left(-\frac{5}{4}\right) \\ &=-\frac{5}{4}e^2+\frac{5}{4} \end{aligned} $$
したがって
$$ I=-\frac{5}{4}(e^2-1) $$
である。
解説
この問題では,$x$ の関数としてそのまま眺めるよりも,$\log x$ を一つの文字とみて整理することが重要である。
特に
$$ f'(x)=(\log x+3)(\log x-1),\qquad f''(x)=\frac{2(\log x+1)}{x} $$
と因数分解・整理できるので,増減と凹凸の判定がすぐにできる。
また,定積分では $t=\log x$ とおくと $x=e^t,\ dx=e^t,dt$ となり,$x(\log x)^2$ を含む形が $e^{2t}(t^2-3)$ に変わる。対数を含む積分でよく使う置換である。
答え
**(1)**
接線の方程式は
$$ y=-3x $$
**(2)**
増減は
$(0,e^{-3})$ で増加
$(e^{-3},e)$ で減少
$(e,\infty)$ で増加
極大は $x=e^{-3}$ のときで,極大値は
$$ \frac{6}{e^3} $$
極小は $x=e$ のときで,極小値は
$$ -2e $$
凹凸は
$(0,e^{-1})$ で上に凸
$(e^{-1},\infty)$ で下に凸
変曲点は
$$ \left(\frac{1}{e},-\frac{2}{e}\right) $$
**(3)**
$$ I=\int_1^e f(x),dx=-\frac{5}{4}(e^2-1) $$