基礎問題集
数学3 微分法「グラフ・増減・極値」の問題32 解説
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解説
方針・初手
$f(x),g(x)$ はともに $|x|$ と $x^2$ を用いているので偶関数である。したがって、まず $x\geqq 0$ で増減を調べ、$y$ 軸対称にグラフを考えればよい。
また、面積は $f(x)-g(x)$ を見るとすぐに簡単になる。
解法1
まず
$$ f(-x)=\sqrt{|-x|}+\sqrt{5-(-x)^2}=f(x), \qquad g(-x)=\sqrt{|-x|}-\sqrt{5-(-x)^2}=g(x) $$
より、$f,g$ はともに偶関数である。
したがって、$x\geqq 0$ での様子を調べれば、$x<0$ 側は $y$ 軸対称で分かる。
**(1) $f(x)$ の増減**
$x>0$ では $|x|=x$ であるから
$$ f(x)=\sqrt{x}+\sqrt{5-x^2} $$
であり、
$$ f'(x)=\frac{1}{2\sqrt{x}}-\frac{x}{\sqrt{5-x^2}} $$
となる。
$f'(x)=0$ を解くと、
$$ \frac{1}{2\sqrt{x}}=\frac{x}{\sqrt{5-x^2}} $$
より
$$ \sqrt{5-x^2}=2x\sqrt{x} $$
である。両辺は正なので両辺を2乗して
$$ 5-x^2=4x^3 $$
すなわち
$$ 4x^3+x^2-5=0 $$
を得る。これは
$$ 4x^3+x^2-5=(x-1)(4x^2+5x+5) $$
と因数分解でき、$4x^2+5x+5>0$ であるから
$$ x=1 $$
のみが解である。
したがって、$x>0$ では
- $0<x<1$ で $f'(x)>0$
- $1<x<\sqrt{5}$ で $f'(x)<0$
となる。
よって、偶関数であることも合わせると、$f(x)$ は
- $[-\sqrt{5},-1]$ で増加
- $[-1,0]$ で減少
- $[0,1]$ で増加
- $[1,\sqrt{5}]$ で減少
する。
代表的な値は
$$ f(-\sqrt{5})=f(\sqrt{5})=\sqrt{\sqrt{5}}=\sqrt[4]{5}, \qquad f(0)=\sqrt{5}, \qquad f(\pm 1)=1+\sqrt{4}=3 $$
である。
したがって、グラフは $y$ 軸対称で、$x=\pm 1$ で極大値 $3$ をとり、$x=0$ で谷をもち、両端 $(\pm\sqrt{5},\sqrt[4]{5})$ に至る形である。
**(2) $g(x)$ の増減**
$x>0$ では
$$ g(x)=\sqrt{x}-\sqrt{5-x^2} $$
であり、
$$ g'(x)=\frac{1}{2\sqrt{x}}+\frac{x}{\sqrt{5-x^2}} $$
となる。右辺は $0<x<\sqrt{5}$ で明らかに正であるから、
$$ g'(x)>0 \qquad (0<x<\sqrt{5}) $$
である。
したがって、偶関数であることから $g(x)$ は
- $[-\sqrt{5},0]$ で減少
- $[0,\sqrt{5}]$ で増加
する。
代表的な値は
$$ g(-\sqrt{5})=g(\sqrt{5})=\sqrt[4]{5}, \qquad g(0)=-\sqrt{5}, \qquad g(\pm 1)=1-2=-1 $$
である。
また、$x$ 軸との交点は $g(x)=0$ より
$$ \sqrt{|x|}=\sqrt{5-x^2} $$
すなわち
$$ |x|=5-x^2 $$
である。ここで $t=|x| \ (\geqq 0)$ とおくと $x^2=t^2$ だから
$$ t=5-t^2 $$
より
$$ t^2+t-5=0 $$
となる。したがって
$$ t=\frac{-1+\sqrt{21}}{2} $$
であり、交点は
$$ x=\pm \frac{\sqrt{21}-1}{2} $$
である。
よって、グラフは $y$ 軸対称で、$(0,-\sqrt{5})$ を最下点とし、左右の端 $(\pm\sqrt{5},\sqrt[4]{5})$ に向かって単調に上がる形である。
**(3) 囲まれた部分の面積**
2曲線の差をとると
$$ \begin{aligned} f(x)-g(x) &= \left(\sqrt{|x|}+\sqrt{5-x^2}\right)-\left(\sqrt{|x|}-\sqrt{5-x^2}\right) \\ 2\sqrt{5-x^2} \end{aligned} $$
である。
また、$f(x)=g(x)$ となるのは
$$ \sqrt{5-x^2}=0 $$
すなわち
$$ x=\pm \sqrt{5} $$
のときだけである。したがって、囲まれた部分の面積 $S$ は
$$ S=\int_{-\sqrt{5}}^{\sqrt{5}} \bigl(f(x)-g(x)\bigr),dx =\int_{-\sqrt{5}}^{\sqrt{5}} 2\sqrt{5-x^2},dx $$
である。
ここで $y=\sqrt{5-x^2}$ は半径 $\sqrt{5}$ の上半円を表すから、
$$ \begin{aligned} \int_{-\sqrt{5}}^{\sqrt{5}} \sqrt{5-x^2},dx &= \frac{1}{2}\pi(\sqrt{5})^2 \\ \frac{5\pi}{2} \end{aligned} $$
である。よって
$$ S=2\cdot \frac{5\pi}{2}=5\pi $$
となる。
解説
この問題の要点は、まず偶関数であることを見抜いて片側だけ調べることである。$|x|$ があるため $x=0$ で微分をそのまま一本で扱いにくいが、偶関数であることを使えば $x>0$ だけの計算で十分である。
また、面積計算では $f(x)-g(x)$ をとると $\sqrt{|x|}$ が打ち消え、半円の面積に帰着する。ここに気づけば計算は非常に短くなる。
答え
**(1)**
$f(x)$ は
$[-\sqrt{5},-1]$ で増加
$[-1,0]$ で減少
$[0,1]$ で増加
$[1,\sqrt{5}]$ で減少
する。代表値は
$$ f(\pm \sqrt{5})=\sqrt[4]{5},\qquad f(0)=\sqrt{5},\qquad f(\pm 1)=3 $$
であり、$y$ 軸対称、$x=\pm 1$ で極大となる。
$g(x)$ は
$[-\sqrt{5},0]$ で減少
$[0,\sqrt{5}]$ で増加
する。代表値は
$$ g(\pm \sqrt{5})=\sqrt[4]{5},\qquad g(0)=-\sqrt{5},\qquad g(\pm 1)=-1 $$
であり、$y$ 軸対称、$x=0$ で最小となる。さらに $x$ 軸との交点は
$$ x=\pm \frac{\sqrt{21}-1}{2} $$
である。
**(2)**
2曲線で囲まれた図形の面積は
$$ 5\pi $$
である。