基礎問題集
数学3 微分法「応用」の問題4 解説
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解説
方針・初手
球の底を $y=0$、上端を $y=20$ とする鉛直座標 $y$ をとる。
深さ $y$ の位置での水の断面は円であり、その半径 $r$ は球の方程式から求まる。したがって、水の体積は「断面積を高さ方向に積分する」ことで表せる。
また、(2) では体積の増加速度 $\dfrac{dV}{dt}=4$ が与えられているので、(1) で得た $V$ を $h$ で微分し、連鎖律
$$ \frac{dV}{dt}=\frac{dV}{dh}\frac{dh}{dt} $$
を用いればよい。
解法1
球の半径は $10$ cm であるから、球の中心を $(0,10)$ とみなすと、鉛直断面での円の方程式は
$$ x^2+(y-10)^2=100 $$
である。
深さ $y$ における水面の断面の半径を $r$ とすると、
$$ r^2=100-(y-10)^2 $$
である。これを整理すると、
$$ r^2=100-(y^2-20y+100)=20y-y^2 $$
となる。
したがって、深さ $y$ における断面積 $S(y)$ は
$$ S(y)=\pi r^2=\pi(20y-y^2) $$
である。
よって、水の深さが $h$ cm のときの体積 $V$ は
$$ V=\int_0^h S(y),dy =\pi\int_0^h(20y-y^2),dy $$
となるから、
$$ V=\pi\left[10y^2-\frac{1}{3}y^3\right]_0^h =10\pi h^2-\frac{\pi}{3}h^3 $$
である。したがって、
$$ V=\pi h^2\left(10-\frac{h}{3}\right) =\frac{\pi}{3}h^2(30-h) \qquad (0\le h\le 20) $$
を得る。
次に (2) を求める。
体積を $h$ で微分すると、
$$ \frac{dV}{dh} =\frac{d}{dh}\left(10\pi h^2-\frac{\pi}{3}h^3\right) =20\pi h-\pi h^2 =\pi h(20-h) $$
である。
一方、水は毎秒 $4\ \mathrm{cm^3}$ の割合で入るので、
$$ \frac{dV}{dt}=4 $$
である。よって連鎖律より
$$ \frac{dV}{dt}=\frac{dV}{dh}\frac{dh}{dt} $$
すなわち
$$ 4=\pi h(20-h)\frac{dh}{dt} $$
となる。
ここで $h=5$ を代入すると、
$$ 4=\pi\cdot 5\cdot 15\cdot \frac{dh}{dt} =75\pi\frac{dh}{dt} $$
であるから、
$$ \frac{dh}{dt}=\frac{4}{75\pi} $$
となる。
したがって、水面の上昇する速度は
$$ \frac{4}{75\pi}\ \mathrm{cm/s} $$
である。
解説
この問題の要点は、球の一部にたまった水の体積を、各高さでの円形断面の面積を積分して求めることである。
球の体積公式を直接使うのではなく、断面半径 $r$ を高さ $y$ の式で表し、断面積 $\pi r^2$ を積分するのが自然である。すると体積 $V$ が $h$ の式として得られ、あとは related rates の基本公式
$$ \frac{dV}{dt}=\frac{dV}{dh}\frac{dh}{dt} $$
を使えば、水面上昇速度が求まる。
答え
**(1)**
$$ V=\frac{\pi}{3}h^2(30-h)\qquad (0\le h\le 20) $$
**(2)**
$$ \frac{dh}{dt}=\frac{4}{75\pi}\ \mathrm{cm/s} $$