基礎問題集
数学3 微分法「最大最小・解の個数」の問題2 解説
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解説
方針・初手
単位円に内接する三角形では、外接円の半径が $1$ であるから、正弦定理より各辺は対角の正弦で表せる。
まず (1) では、二等辺三角形であることから底角を求め、辺の長さを $\theta$ で表して面積を計算する。
(2) では、(1) で得た $S(\theta)$ を微分して最大値を調べる。
(3) では、一般の単位円に内接する三角形について、ある角を固定したとき面積は二等辺三角形のとき最大になることを示し、(2) の結果に帰着させる。
解法1
**(1)**
$\triangle ABC$ は $AB=AC$ の二等辺三角形で、$\angle BAC=2\theta$ であるから、
$$ \angle ABC=\angle ACB=\frac{\pi-2\theta}{2}=\frac{\pi}{2}-\theta $$
である。
単位円に内接しているので、その外接円の半径は $1$ である。正弦定理より
$$ AB=2\sin \angle ACB=2\sin\left(\frac{\pi}{2}-\theta\right)=2\cos\theta $$
同様に
$$ AC=2\cos\theta $$
したがって、面積 $S(\theta)$ は
$$ S(\theta)=\frac12 \cdot AB \cdot AC \cdot \sin \angle BAC $$
より、
$$ \begin{aligned} S(\theta) &=\frac12 \cdot (2\cos\theta)(2\cos\theta)\sin 2\theta \\ &=2\cos^2\theta \sin 2\theta \\ &=4\sin\theta \cos^3\theta \end{aligned} $$
となる。
---
**(2)**
(1) より
$$ S(\theta)=4\sin\theta \cos^3\theta \qquad \left(0<\theta<\frac{\pi}{2}\right) $$
である。
これを微分すると、
$$ \begin{aligned} S'(\theta) &=4\left(\cos\theta \cos^3\theta+\sin\theta \cdot 3\cos^2\theta(-\sin\theta)\right) \\ &=4\cos^2\theta(\cos^2\theta-3\sin^2\theta) \end{aligned} $$
ここで
$$ \cos^2\theta-3\sin^2\theta =1-4\sin^2\theta $$
であるから、
$$ S'(\theta)=0 \iff 1-4\sin^2\theta=0 \iff \sin\theta=\frac12 $$
となる。$0<\theta<\dfrac{\pi}{2}$ より
$$ \theta=\frac{\pi}{6} $$
である。
また、
$$ 0<\theta<\frac{\pi}{6} \quad \text{で} \quad S'(\theta)>0, \qquad \frac{\pi}{6}<\theta<\frac{\pi}{2} \quad \text{で} \quad S'(\theta)<0 $$
だから、$S(\theta)$ は $\theta=\dfrac{\pi}{6}$ で最大となる。
---
**(3)**
単位円に内接する任意の三角形を考え、その内角を $A,B,C$ とする。このとき
$$ A+B+C=\pi $$
である。
また、外接円の半径が $1$ なので、正弦定理より各辺の長さを $a,b,c$ とすると
$$ a=2\sin A,\qquad b=2\sin B,\qquad c=2\sin C $$
となる。よって三角形の面積を $\Delta$ とすると、
$$ \Delta=\frac{abc}{4R} $$
において $R=1$ だから、
$$ \Delta=\frac{abc}{4} =\frac{(2\sin A)(2\sin B)(2\sin C)}{4} =2\sin A\sin B\sin C $$
である。
ここで $A$ を固定して考えると、$B+C=\pi-A$ は一定である。このとき
$$ \sin B\sin C =\frac12{\cos(B-C)-\cos(B+C)} $$
であり、$\cos(B-C)\le 1$ を用いると
$$ \sin B\sin C \le \frac12{1-\cos(B+C)} =\frac12{1-\cos(\pi-A)} =\frac12(1+\cos A) $$
となる。等号成立は $\cos(B-C)=1$、すなわち $B=C$ のときである。
したがって、角 $A$ を固定したとき、面積は $B=C$ の二等辺三角形のとき最大である。
よって、単位円に内接する三角形のうち面積最大のものは、まず二等辺三角形でなければならない。そのとき
$$ A=2\theta,\qquad B=C=\frac{\pi}{2}-\theta $$
とおけるから、面積最大となる $\theta$ は (2) より
$$ \theta=\frac{\pi}{6} $$
である。したがって
$$ A=2\theta=\frac{\pi}{3},\qquad B=C=\frac{\pi}{2}-\frac{\pi}{6}=\frac{\pi}{3} $$
となり、
$$ A=B=C=\frac{\pi}{3} $$
である。
ゆえに、単位円に内接する三角形のうち、面積が最大である三角形は正三角形である。
解説
この問題の核は、単位円に内接するという条件から「外接円の半径が $1$」と読める点にある。これにより正弦定理から辺の長さを角で表せるので、面積を角だけの式に落とし込める。
(3) では、いきなり三角形全体を動かして最大を考えるのではなく、「ある角を固定したときは二等辺三角形が最も有利」と整理するのが重要である。そこで (2) の二等辺三角形の最大条件を使えば、結局正三角形に到達する。
答え
**(1)**
$$ S(\theta)=4\sin\theta \cos^3\theta $$
**(2)**
$$ \theta=\frac{\pi}{6} $$
**(3)**
単位円に内接する三角形のうち、面積が最大である三角形は正三角形である。