基礎問題集
数学3 微分法「最大最小・解の個数」の問題18 解説
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解説
方針・初手
正方形と円はともに中心が $O$ であるから,正方形の1辺までの距離は正方形の1辺の長さの半分に等しい。
一方,辺 $AB$ と円との交点を $P,Q$ とし,$\angle POQ=2\theta$ であるから,弦 $PQ$ までの中心からの距離は $\cos\theta$ である。したがって,まず正方形の1辺の長さを $\theta$ で表せる。
そのうえで,$S_1$ は4つの合同な円弧部分の和として求め,$S_2$ は正方形全体の面積と共通部分の面積の関係から求める。
解法1
正方形の1辺の長さを $a$ とする。
辺 $AB$ は中心 $O$ から距離 $a/2$ の位置にある。 また,弦 $PQ$ に対して,半径1の円では中心から弦までの距離は
$$ \cos\theta $$
であるから,
$$ \frac{a}{2}=\cos\theta $$
よって,
$$ a=2\cos\theta $$
である。
なお,正方形の周が円周と交わるという条件から,
$$ \sqrt{2}<a<2 $$
すなわち
$$ 0<\theta<\frac{\pi}{4} $$
である。
(1) $S$ を $\theta$ で表す
まず $S_1$ を求める。
1つの辺に対応する,円の内部かつ正方形の外部の部分は,弦 $PQ$ に対する円弧部分である。 その面積は,「扇形 $OPQ$ の面積」から「三角形 $OPQ$ の面積」を引けばよい。
扇形 $OPQ$ の中心角は $2\theta$,半径は1であるから,その面積は
$$ \theta $$
である。
また,三角形 $OPQ$ の面積は
$$ \frac{1}{2}\sin 2\theta=\sin\theta\cos\theta $$
である。
したがって,1つ分の円弧部分の面積は
$$ \theta-\sin\theta\cos\theta $$
であり,これが4つあるから,
$$ S_1=4\left(\theta-\sin\theta\cos\theta\right) $$
となる。
次に $S_2$ を求める。
円と正方形の共通部分の面積を $T$ とすると,
$$ T=\pi-S_1 $$
であるから,
$$ S_2=a^2-T=a^2-(\pi-S_1) $$
となる。よって,
$$ S=S_1+S_2=2S_1+a^2-\pi $$
である。
ここに
$$ S_1=4\left(\theta-\sin\theta\cos\theta\right),\qquad a=2\cos\theta $$
を代入すると,
$$ \begin{aligned} S &=2\cdot 4\left(\theta-\sin\theta\cos\theta\right)+(2\cos\theta)^2-\pi \\ &=8\left(\theta-\sin\theta\cos\theta\right)+4\cos^2\theta-\pi \end{aligned} $$
したがって,
$$ S=8\left(\theta-\sin\theta\cos\theta\right)+4\cos^2\theta-\pi $$
である。
(2) $S$ を最小にするときの正方形の1辺
上で得た式
$$ S=8\left(\theta-\sin\theta\cos\theta\right)+4\cos^2\theta-\pi $$
を微分する。
$$ \begin{aligned} S'(\theta) &=8-8(\cos^2\theta-\sin^2\theta)-8\sin\theta\cos\theta \\ &=8-8\cos 2\theta-8\sin\theta\cos\theta \\ &=16\sin^2\theta-8\sin\theta\cos\theta \\ &=8\sin\theta(2\sin\theta-\cos\theta) \end{aligned} $$
ここで $0<\theta<\pi/4$ であるから $\sin\theta>0$ であり,
$$ S'(\theta)=0 $$
となるのは
$$ 2\sin\theta-\cos\theta=0 $$
すなわち
$$ \tan\theta=\frac{1}{2} $$
のときである。
このとき
$$ \cos\theta=\frac{2}{\sqrt{5}} $$
だから,正方形の1辺の長さ $a$ は
$$ a=2\cos\theta=2\cdot\frac{2}{\sqrt{5}}=\frac{4}{\sqrt{5}}=\frac{4\sqrt{5}}{5} $$
となる。
また,$0<\theta<\pi/4$ において,$\tan\theta$ は増加するので,
$$ \theta<\arctan\frac{1}{2}\Rightarrow S'(\theta)<0,\qquad \theta>\arctan\frac{1}{2}\Rightarrow S'(\theta)>0 $$
である。したがって,このとき確かに $S$ は最小である。
解説
この問題の要点は,$S_1$ と $S_2$ を別々に複雑に追うのではなく,まず弦 $PQ$ に対応する円弧部分の面積を求めることである。
中心角が $2\theta$ と与えられているので,扇形と三角形の差で $S_1$ がすぐに出る。さらに,共通部分の面積を $T$ とおけば,
$$ \pi=T+S_1,\qquad a^2=T+S_2 $$
という関係から $S_2$ も処理できる。面積の重なりを1回整理してから式を立てるのが重要である。
また,正方形の1辺は「中心から辺までの距離」が分かれば決まる。ここが $\cos\theta$ になることに気づけるかどうかが初手の分かれ目である。
答え
**(1)**
$$ S=8\left(\theta-\sin\theta\cos\theta\right)+4\cos^2\theta-\pi $$
**(2)**
$S$ が最小となるとき,正方形の1辺の長さは
$$ \frac{4}{\sqrt{5}}=\frac{4\sqrt{5}}{5} $$
である。