基礎問題集
数学3 微分法「最大最小・解の個数」の問題36 解説
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解説
方針・初手
$x$ についての方程式
$$ x+c=ke^{x^2} $$
は
$$ (x+c)e^{-x^2}=k $$
と書き直せるので,まず関数
$$ f(x)=(x+c)e^{-x^2} $$
そのものを調べればよい。
与えられた「$x=1$ で極値をとる」という条件から $c$ を決め,その後に増減と値域を求めれば,最後の方程式の実数解条件は $f(x)=k$ の解の存在条件として処理できる。
解法1
まず微分する。
$$ f'(x)=e^{-x^2}+(x+c)(-2x)e^{-x^2} =e^{-x^2}{1-2x(x+c)} $$
である。
(1) 定数 $c$ の値
$x=1$ で極値をとるので,$f'(1)=0$ である。したがって
$$ e^{-1}{1-2\cdot 1\cdot (1+c)}=0 $$
より
$$ 1-2(1+c)=0 $$
すなわち
$$ -1-2c=0 $$
となるから,
$$ c=-\frac12 $$
である。
(2) 関数 $f(x)$ の増減
(1) より
$$ f(x)=\left(x-\frac12\right)e^{-x^2} $$
である。これを微分すると
$$ f'(x)=e^{-x^2}\left\{1-2x\left(x-\frac12\right)\right\} =e^{-x^2}(1+x-2x^2) $$
となる。
ここで
$$ 1+x-2x^2=-(2x+1)(x-1) $$
であるから,
$$ f'(x)=-e^{-x^2}(2x+1)(x-1) $$
である。$e^{-x^2}>0$ なので,$f'(x)$ の符号は $-(2x+1)(x-1)$ の符号で決まる。
したがって,
- $x<-\dfrac12$ のとき $f'(x)<0$
- $-\dfrac12<x<1$ のとき $f'(x)>0$
- $x>1$ のとき $f'(x)<0$
である。
よって,$f(x)$ は
- $(-\infty,-\dfrac12)$ で減少
- $(-\dfrac12,1)$ で増加
- $(1,\infty)$ で減少
する。
さらに極値は
$$ f\left(-\frac12\right)=\left(-\frac12-\frac12\right)e^{-1/4}=-e^{-1/4} $$
$$ f(1)=\left(1-\frac12\right)e^{-1}=\frac{1}{2e} $$
である。
また,題意より
$$ \lim_{x\to\pm\infty}xe^{-x^2}=0 $$
であり,定数倍の $e^{-x^2}$ も $0$ に近づくから,
$$ \lim_{x\to\pm\infty}f(x)=0 $$
である。
(3) 方程式 $x+c=ke^{x^2}$ が実数解をもつような $k$ の範囲
(1) より $c=-\dfrac12$ であるから,方程式は
$$ x-\frac12=ke^{x^2} $$
である。両辺に $e^{-x^2}$ をかけると
$$ \left(x-\frac12\right)e^{-x^2}=k $$
すなわち
$$ f(x)=k $$
である。
したがって,この方程式が実数解をもつための必要十分条件は,$k$ が関数 $f(x)$ の値域に属することである。
(2) で求めた増減と極値より,$f(x)$ の最小値は $-e^{-1/4}$,最大値は $\dfrac{1}{2e}$ である。よって値域は
$$ -e^{-1/4}\leqq f(x)\leqq \frac{1}{2e} $$
である。
したがって求める $k$ の範囲は
$$ -e^{-1/4}\leqq k\leqq \frac{1}{2e} $$
である。
解説
この問題の中心は,**方程式をそのまま解こうとせず,関数 $f(x)=(x+c)e^{-x^2}$ の値域の問題に直すこと**である。
(1) では「極値をとる」という条件から微分係数が $0$ になることを用いるだけで $c$ が決まる。
(2) では指数関数部分 $e^{-x^2}$ は常に正なので,導関数の符号判定は多項式部分だけを見ればよい。この処理により増減が素直に決まる。
(3) は $x+c=ke^{x^2}$ を直接扱うと見通しが悪いが,$f(x)=k$ とみなせば,結局はグラフと水平線 $y=k$ の共有点の有無を調べていることになる。したがって,最大値・最小値を押さえれば即座に結論できる。
答え
**(1)**
$$ c=-\frac12 $$
**(2)**
$f(x)=\left(x-\dfrac12\right)e^{-x^2}$ は
$(-\infty,-\dfrac12)$ で減少
$(-\dfrac12,1)$ で増加
$(1,\infty)$ で減少
する。
また,
$$ f\left(-\frac12\right)=-e^{-1/4},\qquad f(1)=\frac{1}{2e} $$
である。
**(3)**
方程式 $x+c=ke^{x^2}$ が実数解をもつのは
$$ -e^{-1/4}\leqq k\leqq \frac{1}{2e} $$
のときである。