基礎問題集
数学3 微分法「最大最小・解の個数」の問題50 解説
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解説
方針・初手
まず $f(x)$ を三角関数の加法定理で整理し、$x$ に関する最大値を取りやすい形に変形する。
特に
$$ \sin x\cos t-\cos x\sin t=\sin(x-t) $$
であるから、$f(x)$ を $\cos!\left(x-\dfrac t2\right)$ を用いて表すと、区間 $t\leqq x\leqq 2\pi$ での最大値がすぐに読める。
その後、得られた $g(t)$ を $t$ の関数として最大化する。
解法1
与えられた関数は
$$ f(x)=\sin x\cos t-\cos x\sin t-\sin x+\sin t $$
である。
加法定理より
$$ \sin x\cos t-\cos x\sin t=\sin(x-t) $$
だから、
$$ f(x)=\sin(x-t)-\sin x+\sin t $$
となる。ここで、$\sin A-\sin B$ の公式を用いると
$$ \sin(x-t)-\sin x =2\cos\left(\frac{(x-t)+x}{2}\right)\sin\left(\frac{(x-t)-x}{2}\right) =-2\sin\frac t2 \cos\left(x-\frac t2\right) $$
である。また
$$ \sin t=2\sin\frac t2\cos\frac t2 $$
なので、
$$ f(x)=2\sin\frac t2\left(\cos\frac t2-\cos\left(x-\frac t2\right)\right) $$
と表せる。
ここで $0<t<2\pi$ より
$$ 0<\frac t2<\pi $$
であるから
$$ \sin\frac t2>0 $$
である。したがって、$f(x)$ を最大にするには
$$ \cos\left(x-\frac t2\right) $$
を最小にすればよい。
$x$ が $t\leqq x\leqq 2\pi$ を動くとき、
$$ x-\frac t2 $$
は
$$ \frac t2 \leqq x-\frac t2 \leqq 2\pi-\frac t2 $$
を動く。この区間は $\pi$ を含む。実際、
$$ \frac t2<\pi,\qquad \pi<2\pi-\frac t2 $$
であるから、$\cos\left(x-\dfrac t2\right)$ の最小値は $-1$ であり、それは
$$ x-\frac t2=\pi $$
すなわち
$$ x=\pi+\frac t2 $$
のときにとる。
よって
$$ g(t)=2\sin\frac t2\left(\cos\frac t2-(-1)\right) =2\sin\frac t2\left(1+\cos\frac t2\right) $$
である。これで (1) は求まった。
次に (2) を考える。
$s=\dfrac t2$ とおくと、$0<s<\pi$ であり、
$$ g(t)=2\sin s(1+\cos s) $$
となる。これを $s$ で微分すると
$$ \frac{d}{ds}\bigl(2\sin s(1+\cos s)\bigr) =2\cos s(1+\cos s)-2\sin^2 s $$
である。$\sin^2 s=1-\cos^2 s$ を用いて整理すると
$$ 2\cos s(1+\cos s)-2(1-\cos^2 s) =2(2\cos^2 s+\cos s-1) $$
さらに因数分解して
$$ 2(2\cos^2 s+\cos s-1) =2(2\cos s-1)(\cos s+1) $$
となる。
$0<s<\pi$ では $\cos s=-1$ は起こらないので、極値を与えるのは
$$ 2\cos s-1=0 $$
すなわち
$$ \cos s=\frac12 $$
のときである。$0<s<\pi$ より
$$ s=\frac{\pi}{3} $$
であるから
$$ t=2s=\frac{2\pi}{3} $$
となる。
このとき
$$ g\left(\frac{2\pi}{3}\right) =2\sin\frac{\pi}{3}\left(1+\cos\frac{\pi}{3}\right) =2\cdot\frac{\sqrt3}{2}\cdot\frac32 =\frac{3\sqrt3}{2} $$
である。
また、$t\to 0+,\ 2\pi-$ のときは $g(t)\to 0$ であるから、これが最大値である。
解説
この問題の要点は、まず $x$ に関する最大値を直接微分で追わず、三角関数の公式で
$$ f(x)=2\sin\frac t2\left(\cos\frac t2-\cos\left(x-\frac t2\right)\right) $$
まで変形することである。
こうすると、$x$ に依存する部分は $\cos\left(x-\dfrac t2\right)$ だけになる。しかも $0<t<2\pi$ なので $\sin\dfrac t2>0$ が保証され、最大値問題が「$\cos$ の最小値を調べる問題」に落ちる。
その後は $g(t)$ を1変数関数として処理すればよい。$t$ のまま微分してもよいが、$s=\dfrac t2$ とおくと式が見やすくなる。
答え
**(1)**
$$ g(t)=2\sin\frac t2\left(1+\cos\frac t2\right) $$
**(2)**
$$ g(t)\text{ の最大値}=\frac{3\sqrt3}{2} $$
であり、そのとき
$$ t=\frac{2\pi}{3} $$
である。