基礎問題集
数学3 微分法「最大最小・解の個数」の問題52 解説
数学3の微分法「最大最小・解の個数」にある問題52の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
接点の情報が与えられているので、まず「単位円の接線の方程式」を使って $a,b$ を求めるのが自然である。
そのうえで、各頂点の角は「接線は半径に垂直」であることから読める。さらに、接点までの接線の長さは同一点から引いた接線で等しいことを使うと、$AB=BC$ の条件を整理できる。
解法1
単位円 $x^2+y^2=1$ において、点 $(\cos \theta,\sin \theta)$ における接線は
$$ x\cos\theta+y\sin\theta=1 $$
である。
(1) $a$ を $t$ で、$b$ を $s$ で表す
辺 $AC$ は円 $O$ に点 $P(\cos t,\sin t)$ で接するから、その方程式は
$$ x\cos t+y\sin t=1 $$
である。点 $A(1,a)$ はこの直線上にあるので
$$ \cos t+a\sin t=1 $$
より
$$ a=\frac{1-\cos t}{\sin t}=\tan\frac t2 $$
となる。
同様に、辺 $BC$ は円 $O$ に点 $Q(\cos s,\sin s)$ で接するから、その方程式は
$$ x\cos s+y\sin s=1 $$
であり、点 $B(1,b)$ はこの直線上にあるので
$$ \cos s+b\sin s=1 $$
より
$$ b=\frac{1-\cos s}{\sin s}=\tan\frac s2 $$
となる。
(2) $\angle A,\angle B,\angle C$ を $s,t$ で表す
辺 $AB$ は直線 $x=1$ であるから、$x$ 軸に垂直である。
また、$AC$ は $P$ における接線であるから、$OP\perp AC$ である。したがって、$\angle A$ は「$x$ 軸」と「$OP$」のなす鋭角に等しい。$OP$ の偏角は $t$ であり、$\dfrac\pi2<t<\dfrac{3\pi}4$ だから
$$ \angle A=\pi-t $$
である。
同様に、$OQ\perp BC$ であり、$OQ$ の偏角は $s$、$\pi<s<\dfrac{3\pi}2$ であるから
$$ \angle B=s-\pi $$
である。
よって三角形の内角和より
$$ \angle C=\pi-\angle A-\angle B $$
であるから
$$ \angle C=\pi-(\pi-t)-(s-\pi)=\pi+t-s $$
となる。
(3) $AB=BC$ のとき、$s$ および面積 $S$ を $t$ で表す
まず、円 $O$ と直線 $AB:x=1$ との接点を $R=(1,0)$ とする。
点 $A$ から円に引いた接線の長さは等しいので
$$ AP=AR=a $$
である。また、点 $B$ から円に引いた接線の長さも等しいので
$$ BQ=BR=-b $$
である。
さらに、点 $C$ から円に引いた接線の長さも等しいから
$$ CP=CQ=x $$
とおくと、
$$ AC=AP+PC=a+x, \qquad BC=BQ+QC=-b+x, \qquad AB=a-b $$
である。
ここで $AB=BC$ より
$$ a-b=-b+x $$
したがって
$$ x=a $$
となる。
次に $x$ を $s,t$ で表す。三角形 $OPC$ と $OQC$ は
- $OP=OQ=1$
- $CP=CQ$
- $OC$ は共通
より合同である。したがって $OC$ は $\angle POQ$ を二等分する。よって
$$ \angle POC=\frac{s-t}{2} $$
である。
三角形 $OPC$ は $P$ で直角であるから
$$ \tan\angle POC=\frac{CP}{OP}=CP=x $$
となり、
$$ x=\tan\frac{s-t}{2} $$
を得る。
一方で $x=a=\tan\dfrac t2$ であるから
$$ \tan\frac{s-t}{2}=\tan\frac t2 $$
となる。ここで
$$ \frac t2\in\left(\frac\pi4,\frac{3\pi}8\right), \qquad \frac{s-t}{2}\in\left(\frac\pi8,\frac\pi2\right) $$
であり、どちらも $\left(0,\dfrac\pi2\right)$ に入るので、正接はこの範囲で単調増加である。したがって
$$ \frac{s-t}{2}=\frac t2 $$
すなわち
$$ s=2t $$
である。
次に面積を求める。内接円の半径は $1$ なので、三角形の面積 $S$ は
$$ S=\frac{AB+BC+CA}{2} $$
である。
すでに $x=a$ であるから
$$ AB=a-b,\qquad BC=a-b,\qquad CA=2a $$
となる。よって
$$ S=\frac{(a-b)+(a-b)+2a}{2}=2a-b $$
であり、$a=\tan\dfrac t2,\ b=\tan\dfrac s2=\tan t$ を用いて
$$ S=2\tan\frac t2-\tan t $$
を得る。
(4) $AB=BC$ とする。$t$ が $\dfrac\pi2<t<\dfrac{3\pi}4$ を動くとき、面積 $S$ の最小値を求める
$$ u=\tan\frac t2 $$
とおくと、
$$ \frac\pi4<\frac t2<\frac{3\pi}8 $$
より
$$ 1<u<1+\sqrt2 $$
である。また
$$ \tan t=\frac{2u}{1-u^2} $$
だから
$$ S=2u-\frac{2u}{1-u^2} =\frac{2u^3}{u^2-1} $$
となる。
これを $u$ で微分すると
$$ \begin{aligned} \frac{dS}{du} &= \frac{6u^2(u^2-1)-4u^4}{(u^2-1)^2} \\ \frac{2u^2(u^2-3)}{(u^2-1)^2} \end{aligned} $$
である。
したがって
- $1<u<\sqrt3$ で $\dfrac{dS}{du}<0$
- $\sqrt3<u<1+\sqrt2$ で $\dfrac{dS}{du}>0$
となるから、$S$ は $u=\sqrt3$ のとき最小である。
ゆえに
$$ \tan\frac t2=\sqrt3 $$
すなわち
$$ \frac t2=\frac\pi3,\qquad t=\frac{2\pi}{3} $$
である。
このとき
$$ S=\frac{2(\sqrt3)^3}{3-1}=3\sqrt3 $$
となる。したがって最小値は
$$ 3\sqrt3 $$
である。
解説
この問題の核心は、接線に関する基本事実を正しく使うことである。
まず、接点が与えられているときは接線の方程式
$$ x\cos\theta+y\sin\theta=1 $$
をすぐに使うのが定石である。これにより $a,b$ は半角の正接で表される。
次に角については、「接線は半径に垂直」であることから、三角形の辺のなす角を半径の偏角に置き換えられる。この見方をすると $\angle A,\angle B,\angle C$ は直接求まる。
さらに $AB=BC$ の条件は、辺の長さを接線の長さで分解すると簡潔になる。特に $CP=CQ$ をおいて整理し、$CP=\tan\dfrac{s-t}{2}$ を導くのが決め手である。最後は半角変数 $u=\tan\dfrac t2$ に置くと単純な微分計算になる。
答え
**(1)**
$$ a=\tan\frac t2,\qquad b=\tan\frac s2 $$
**(2)**
$$ \angle A=\pi-t,\qquad \angle B=s-\pi,\qquad \angle C=\pi+t-s $$
**(3)**
$AB=BC$ のとき
$$ s=2t $$
および
$$ S=2\tan\frac t2-\tan t $$
**(4)**
面積 $S$ の最小値は
$$ 3\sqrt3 $$
である。