基礎問題集
数学3 微分法「最大最小・解の個数」の問題56 解説
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解説
方針・初手
絶対値の切れ目は $x=0,2$ である。したがって区間 $x<0$, $0\le x\le 2$, $x>2$ に分けて式を外し,各区間で解の個数を調べる。
特に外側の区間では,$x<0$ なら $y=-x>0$, $x>2$ なら $z=x-2>0$ とおくと,「正の解の個数」の問題に帰着できる。
解法1
$f(x)=|x(x-2)|+2a|x|-4a|x-2|-1$ とおく。
区間ごとに絶対値を外すと,
$$ f(x)= \begin{cases} x^2+(2a-2)x-(8a+1) & (x<0),\\ -x^2+(6a+2)x-(8a+1) & (0\le x\le 2),\\ x^2-(2a+2)x+(8a-1) & (x>2) \end{cases} $$
となる。
(i) $x<0$ のとき
$x=-y$ とおくと $y>0$ であり,方程式は
$$ y^2+(2-2a)y-(8a+1)=0 $$
となる。
ここで場合分けする。
**$a<-\dfrac18$ のとき**
係数 $2-2a>0$, $-(8a+1)>0$ であるから,$y>0$ に対して
$$ y^2+(2-2a)y-(8a+1)>0 $$
となり,正の解をもたない。したがって $x<0$ の解はない。
**$a=-\dfrac18$ のとき**
$$ y^2+\frac94 y=0 $$
より $y=0,-\dfrac94$ であり,$y>0$ の解はない。したがって $x<0$ の解はない。
**$a>-\dfrac18$ のとき**
定数項が負であるから,2解の積は負であり,正の解をちょうど1つもつ。したがって $x<0$ の解はちょうど1つである。
よって,$x<0$ にある解の個数は
$$ \begin{cases} 0 & \left(a\le -\dfrac18\right),\\ 1 & \left(a>-\dfrac18\right) \end{cases} $$
である。
(ii) $0\le x\le 2$ のとき
この区間では
$$ f(x)=-x^2+(6a+2)x-(8a+1) $$
である。下に凸ではなく,上に凸ではない下に開く放物線であるから,端点の符号と頂点の値で解の個数が分かる。
まず端点の値は
$$ f(0)=-(8a+1),\qquad f(2)=4a-1 $$
である。
また頂点は
$$ x=3a+1 $$
にあり,そのときの値は
$$ f(3a+1)=a(9a-2) $$
である。
端点の符号が異なる場合
$f(0)$ と $f(2)$ の符号が異なるのは
$$ a<-\frac18 \quad \text{または} \quad a>\frac14 $$
のときである。このとき連続性より,区間 $(0,2)$ に解をちょうど1つもつ。
端点がともに負の場合
$f(0)<0,\ f(2)<0$ となるのは
$$ -\frac18<a<\frac14 $$
のときである。このとき頂点 $x=3a+1$ は
$$ \frac58<3a+1<\frac74 $$
より確かに区間 $(0,2)$ の内部にある。
したがって,この区間で解を2つもつのは,頂点の値が正のとき,すなわち
$$ a(9a-2)>0 $$
のときである。これを $-\dfrac18<a<\dfrac14$ と合わせると,
$$ -\frac18<a<0,\qquad \frac29<a<\frac14 $$
のときに限り,$(0,2)$ に相異なる2つの解をもつ。
なお,
$$ a=0,\ \frac29 $$
では頂点の値が $0$ となるため,$(0,2)$ に重解を1つもつだけである。
また,
$$ a=-\frac18,\ \frac14 $$
ではそれぞれ $x=0,\ x=2$ が解となり,内部には1つだけ解をもつ。
以上より,$0\le x\le 2$ にある解の個数は次のようになる。
- $a<-\dfrac18$ または $a>\dfrac14$ のとき,$(0,2)$ に1個。
- $-\dfrac18<a<0$ または $\dfrac29<a<\dfrac14$ のとき,$(0,2)$ に2個。
- $a=0,\ \dfrac29$ のとき,$(0,2)$ に重解1個。
- $-\dfrac18<a<\dfrac29$ かつ $a\ne 0$ のとき,$(0,2)$ に解はない。
(iii) $x>2$ のとき
$x=2+z$ とおくと $z>0$ であり,方程式は
$$ z^2+(2-2a)z+(4a-1)=0 $$
となる。
ここで場合分けする。
**$a<\dfrac14$ のとき**
定数項 $4a-1<0$ であるから,2解の積は負であり,正の解をちょうど1つもつ。したがって $x>2$ の解はちょうど1つである。
**$a=\dfrac14$ のとき**
$$ z^2+\frac32 z=0 $$
より $z=0,-\dfrac32$ であり,$z>0$ の解はない。したがって $x>2$ の解はない。
**$a>\dfrac14$ のとき**
定数項は正であるから,正の解を2つもつには,解の和が正かつ判別式が正であることが必要十分である。
解の和は
$$ -(2-2a)=2a-2 $$
であるから,正になるには $a>1$ が必要である。
また判別式は
$$ (2-2a)^2-4(4a-1)=4(a^2-6a+2) $$
であり,これが正となるのは
$$ a^2-6a+2>0 $$
すなわち
$$ a<3-\sqrt7 \quad \text{または} \quad a>3+\sqrt7 $$
である。これと $a>1$ を合わせると,
$$ a>3+\sqrt7 $$
のときに限り,$x>2$ に相異なる2つの解をもつ。
なお $a=3+\sqrt7$ では $x>2$ に重解を1つもつだけである。
以上より,$x>2$ にある解の個数は
$$ \begin{cases} 1 & \left(a<\dfrac14\right),\\ 0 & \left(a=\dfrac14\right),\\ 2 & \left(a>3+\sqrt7\right),\\ 0 \text{ または }1\text{重解} & \left(\dfrac14<a\le 3+\sqrt7\right) \end{cases} $$
である。
(iv) 全体で4個の相異なる実数解をもつ条件
各区間の結果を合わせる。
**$-\dfrac18<a<0$ のとき**
- $x<0$ に1個
- $0<x<2$ に2個
- $x>2$ に1個
よって合計4個である。
**$\dfrac29<a<\dfrac14$ のとき**
- $x<0$ に1個
- $0<x<2$ に2個
- $x>2$ に1個
よって合計4個である。
**$a>3+\sqrt7$ のとき**
- $x<0$ に1個
- $0<x<2$ に1個
- $x>2$ に2個
よって合計4個である。
一方,境界値
$$ a=-\frac18,\ 0,\ \frac29,\ \frac14,\ 3+\sqrt7 $$
では重解や端点解が現れ,相異なる解の個数は4にならない。
解説
この問題の核心は,絶対値を機械的に外すだけでなく,「各区間で何個の解が入るか」を整理して数えることである。
外側の区間では $x=-y,\ x=2+z$ と置くと,正の解の個数判定に直せるので見通しがよい。中央の区間では下に開く放物線になるため,端点の符号と頂点の値を見るのが最も効率的である。
特に,4個の相異なる解を得るには,「左に1個,中央に2個,右に1個」または「左に1個,中央に1個,右に2個」という形しかないことを意識すると整理しやすい。
答え
$$ -\frac18<a<0 \quad \text{または} \quad \frac29<a<\frac14 \quad \text{または} \quad a>3+\sqrt7 $$