基礎問題集
数学3 微分法「最大最小・解の個数」の問題68 解説
数学3の微分法「最大最小・解の個数」にある問題68の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
内接円の半径が $1$ であるから、面積 $S$ は
$$ S=rs=s $$
であり、半周長 $s$ に等しい。そこで、内接円の接点を用いて各辺の長さを角の半分で表し、まず $S$ を $\theta$ で表す。その後、和が一定である2つの角に対する三角比の性質を使って最小値を求める。
解法1
内心を $I$ とし、内接円が辺 $BC,CA,AB$ と接する点をそれぞれ $D,E,F$ とする。
接線の長さの性質より、
$$ AF=AE,\quad BF=BD,\quad CE=CD $$
である。
また、$IF=IE=ID=1$ であり、$AI,BI,CI$ はそれぞれ角の二等分線であるから、直角三角形 $AIF,BIF,CIE$ において
$$ AF=\cot \frac{A}{2},\quad BF=\cot \frac{B}{2},\quad CE=\cot \frac{C}{2} $$
となる。
ここで
$$ A=\frac{\pi}{3},\quad B=2\theta,\quad C=\pi-\frac{\pi}{3}-2\theta=\frac{2\pi}{3}-2\theta $$
である。
**(1)**
$\theta$ の範囲
三角形の内角であるから
$$ 2\theta>0,\quad \frac{2\pi}{3}-2\theta>0 $$
である。したがって
$$ 0<\theta<\frac{\pi}{3} $$
となる。
**(2)**
$S$ を $\theta$ で表す
まず
$$ AF=\cot \frac{\pi}{6}=\sqrt{3},\quad BF=\cot \theta,\quad CE=\cot \left(\frac{\pi}{3}-\theta\right) $$
である。
各辺は
$$ AB=AF+BF,\quad BC=BD+CD=BF+CE,\quad CA=CE+EA=CE+AF $$
より、周長は
$$ AB+BC+CA=2(AF+BF+CE) $$
となる。よって半周長 $s$ は
$$ s=AF+BF+CE=\sqrt{3}+\cot\theta+\cot\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right) $$
である。
内接円の半径が $1$ なので
$$ S=rs=s $$
より、
$$ S=\sqrt{3}+\cot\theta+\cot\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right) $$
となる。
さらに、恒等式
$$ \cot x+\cot y=\frac{\sin(x+y)}{\sin x\sin y} $$
を用いると、$x=\theta,\ y=\dfrac{\pi}{3}-\theta$ として
$$ \cot\theta+\cot\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right) =\frac{\sin\frac{\pi}{3}}{\sin\theta\sin\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right)} =\frac{\sqrt{3}/2}{\sin\theta\sin\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right)} $$
であるから、
$$ S=\sqrt{3}+\frac{\sqrt{3}/2}{\sin\theta\sin\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right)} $$
としてもよい。
**(3)**
$S$ の最小値
$\theta+\left(\dfrac{\pi}{3}-\theta\right)=\dfrac{\pi}{3}$ は一定であるから、
$$ \sin\theta\sin\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right) $$
は $\theta=\dfrac{\pi}{6}$ のとき最大となる。その最大値は
$$ \sin\frac{\pi}{6}\sin\frac{\pi}{6}=\frac14 $$
である。
したがって
$$ \cot\theta+\cot\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right) =\frac{\sqrt{3}/2}{\sin\theta\sin\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right)} \ge \frac{\sqrt{3}/2}{1/4}=2\sqrt{3} $$
となるので、
$$ S=\sqrt{3}+\cot\theta+\cot\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right)\ge 3\sqrt{3} $$
である。等号は
$$ \theta=\frac{\pi}{6} $$
のとき成立する。
ゆえに、$S$ の最小値は
$$ 3\sqrt{3} $$
である。
解説
この問題の本質は、内接円の半径が与えられているときに面積 $S$ を半周長 $s$ に結びつけることである。$S=rs$ を使えば、辺そのものを求めるよりも、接点までの長さを $\cot \dfrac{\text{角}}{2}$ で表すほうが自然である。
最小値の部分では、
$$ \theta+\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right)=\frac{\pi}{3} $$
が一定であることに注目し、$\sin\theta\sin\left(\dfrac{\pi}{3}-\theta\right)$ が対称性から $\theta=\dfrac{\pi}{6}$ で最大になると見るのが典型である。したがって、その逆数で表される $S$ はそこで最小になる。
答え
**(1)**
$$ 0<\theta<\frac{\pi}{3} $$
**(2)**
$$ S=\sqrt{3}+\cot\theta+\cot\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right) $$
**(3)**
$$ S_{\min}=3\sqrt{3} $$
このとき
$$ \theta=\frac{\pi}{6} $$
である。