基礎問題集
数学3 微分法「最大最小・解の個数」の問題69 解説
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解説
方針・初手
まず $f'(x)$ を求めて増減を調べる。分母 $\sin^2 x\cos^2 x$ は定義域内で常に正であるから、$f'(x)$ の符号は主に $\sin x-\cos x$ で決まる。これにより極値と各区間での値域が分かり、(2) の解の個数も数えやすくなる。
(3) では
$$ u=\sin x+\cos x $$
とおくと
$$ u^2=\sin^2 x+\cos^2 x+2\sin x\cos x=1+\sin 2x $$
となり、$X=\sin 2x$ と直接結び付く。これを用いて $f''(x)$ を $X$ で表す。
解法1
**(1)**
$f(x)$ を微分すると
$$ f'(x)=-\frac{\cos x}{\sin^2 x}+\frac{\sin x}{\cos^2 x} =\frac{\sin^3 x-\cos^3 x}{\sin^2 x\cos^2 x} $$
である。さらに
$$ \sin^3 x-\cos^3 x =(\sin x-\cos x)(\sin^2 x+\sin x\cos x+\cos^2 x) $$
であり、
$$ \sin^2 x+\sin x\cos x+\cos^2 x =1+\sin x\cos x>0 $$
であるから、$f'(x)$ の符号は $\sin x-\cos x$ の符号と一致する。
したがって、定義域を区切って増減を見ると
- $0<x<\dfrac{\pi}{4}$ で $f'(x)<0$
- $\dfrac{\pi}{4}<x<\pi$ で $f'(x)>0$
- $\pi<x<\dfrac{5\pi}{4}$ で $f'(x)>0$
- $\dfrac{5\pi}{4}<x<2\pi$ で $f'(x)<0$
となる。ただし $x=\dfrac{\pi}{2},\pi,\dfrac{3\pi}{2}$ は定義域から除く。
よって、極小値をとるのは
$$ x=\frac{\pi}{4} $$
のときであり、
$$ f\left(\frac{\pi}{4}\right) =\frac{1}{\sin\frac{\pi}{4}}+\frac{1}{\cos\frac{\pi}{4}} =\sqrt{2}+\sqrt{2} =2\sqrt{2} $$
である。
したがって、極小値は $2\sqrt{2}$、そのときの $x$ は $\dfrac{\pi}{4}$ である。
---
**(2)**
各区間での $f(x)$ の値域を調べる。
まず $0<x<\dfrac{\pi}{2}$ では、両端で $f(x)\to +\infty$ であり、(1) より $x=\dfrac{\pi}{4}$ で極小値 $2\sqrt{2}$ をとるから、値域は
$$ [,2\sqrt{2},\infty) $$
である。
次に $\dfrac{\pi}{2}<x<\pi$ では、$f'(x)>0$ で単調増加し、
$$ x\to \frac{\pi}{2}+0 \ \text{で}\ f(x)\to -\infty,\qquad x\to \pi-0 \ \text{で}\ f(x)\to +\infty $$
となるから、値域は $\mathbb{R}$ である。
また $\pi<x<\dfrac{3\pi}{2}$ では、$x=\dfrac{5\pi}{4}$ で極大値
$$ f\left(\frac{5\pi}{4}\right) =\frac{1}{-\frac{\sqrt2}{2}}+\frac{1}{-\frac{\sqrt2}{2}} =-2\sqrt2 $$
をとるので、値域は
$$ (-\infty,-2\sqrt2] $$
である。
最後に $\dfrac{3\pi}{2}<x<2\pi$ では、$f'(x)<0$ で単調減少し、
$$ x\to \frac{3\pi}{2}+0 \ \text{で}\ f(x)\to +\infty,\qquad x\to 2\pi-0 \ \text{で}\ f(x)\to -\infty $$
となるから、値域は $\mathbb{R}$ である。
ここで $a>0$ とする。
- $\left(0,\dfrac{\pi}{2}\right)$ では、$a>2\sqrt2$ のときに 2 個、$a=2\sqrt2$ のときに 1 個、$0<a<2\sqrt2$ のときに 0 個
- $\left(\dfrac{\pi}{2},\pi\right)$ では、常に 1 個
- $\left(\pi,\dfrac{3\pi}{2}\right)$ では、$f(x)<0$ なので 0 個
- $\left(\dfrac{3\pi}{2},2\pi\right)$ では、常に 1 個
したがって、方程式 $f(x)=a$ が異なる 4 個の実数解をもつための条件は、
$$ 2+1+1=4 $$
となる場合、すなわち
$$ a>2\sqrt2 $$
である。
---
**(3)**
$$ u=\sin x+\cos x $$
とおくと、条件より $u\neq 0$ である。また
$$ X=\sin 2x=2\sin x\cos x $$
より
$$ u^2=(\sin x+\cos x)^2=1+\sin 2x=1+X $$
である。
さらに
$$ f(x)=\frac{1}{\sin x}+\frac{1}{\cos x} =\frac{\sin x+\cos x}{\sin x\cos x} =\frac{2u}{X} =\frac{2u}{u^2-1} $$
となる。ここで
$$ g(u)=\frac{2u}{u^2-1} $$
とおけば $f(x)=g(u(x))$ である。
まず
$$ u'=\cos x-\sin x,\qquad u''=-(\sin x+\cos x)=-u $$
であり、
$$ (u')^2=(\cos x-\sin x)^2=1-\sin 2x=1-X $$
である。
次に $g(u)$ を微分すると
$$ g'(u)=-\frac{2(u^2+1)}{(u^2-1)^2},\qquad g''(u)=\frac{4u(u^2+3)}{(u^2-1)^3} $$
を得る。したがって合成関数の微分法より
$$ f''(x)=g''(u)(u')^2+g'(u)u'' $$
であるから、
$$ \begin{aligned} \frac{f''(x)}{u} &= \frac{4(u^2+3)(u')^2}{(u^2-1)^3} +\frac{2(u^2+1)}{(u^2-1)^2} \end{aligned} $$
となる。ここで $(u')^2=1-X,\ u^2=1+X,\ u^2-1=X$ を代入すると、
$$ Y=\frac{4(X+4)(1-X)}{X^3}+\frac{2(X+2)}{X^2} $$
ゆえに整理して
$$ Y=\frac{16-8X-2X^2}{X^3} $$
となる。
したがって、
$$ Y=\frac{16-8X-2X^2}{X^3} $$
である。
解説
この問題の中心は、$f'(x)$ の符号判定を正確に行うことである。分母が常に正であることを見抜けば、増減は $\sin x-\cos x$ の符号だけで決まるため、極値も値域も一気に整理できる。
(2) は単に方程式を解くのではなく、各区間でのグラフの形と値域を使って解の個数を数える問題である。特に $\left(\dfrac{\pi}{2},\pi\right)$ と $\left(\dfrac{3\pi}{2},2\pi\right)$ で値域がともに $\mathbb{R}$ になることが重要である。
(3) は $\sin x+\cos x$ を $u$ とおくと、$u^2=1+\sin 2x$ が成り立つことが決め手である。$f(x)$ を $u$ の関数とみなし、合成関数として処理すると $X=\sin 2x$ の式に落ちる。
答え
**(1)**
極小値は
$$ 2\sqrt2 $$
であり、そのとき
$$ x=\frac{\pi}{4} $$
である。
**(2)**
方程式 $f(x)=a$ が異なる 4 個の実数解をもつための $a$ の範囲は
$$ a>2\sqrt2 $$
である。
**(3)**
$$ Y=\frac{16-8X-2X^2}{X^3} $$
である。