基礎問題集
数学3 微分法「接線・不等式」の問題4 解説
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解説
方針・初手
点 $P(\alpha,\beta)$ は曲線 $C:y=e^{-x}$ 上にあるから、$\beta=e^{-\alpha}$ である。
円が $C$ と点 $P$ で接するなら、その中心は $P$ における法線上にある。また、円が $x$ 軸に接するなら、円の半径は中心の $y$ 座標に等しい。これらを用いて、2つの円の中心 $Q_1,Q_2$ を $\alpha,\beta$ で表し、その後に距離と中点を調べればよい。
解法1
曲線 $C:y=e^{-x}$ の接線の傾きは
$$ \frac{dy}{dx}=-e^{-x} $$
であるから、点 $P(\alpha,\beta)$ における接線の傾きは $-\beta$ である。したがって法線の傾きは $\dfrac{1}{\beta}$ であり、法線方向のベクトルとして $(\beta,1)$ をとることができる。
よって、円の中心 $Q$ は
$$ Q=(\alpha+\beta t,\ \beta+t) $$
と表せる。ただし $t$ は実数である。
この円は $x$ 軸に接するから、半径 $r$ は中心の $y$ 座標に等しく、
$$ r=\beta+t $$
である。一方、$Q$ は点 $P$ から法線方向に $t$ だけ進んだ点なので、
$$ PQ=|t|\sqrt{1+\beta^2} $$
である。しかも $P$ は円周上にあるから $PQ=r$ であり、
$$ \beta+t=|t|\sqrt{1+\beta^2} $$
を得る。
ここで
$$ s=\sqrt{1+\beta^2} $$
とおく。
まず $t>0$ のとき、
$$ \beta+t=ts $$
より
$$ \beta=t(s-1) $$
となるから、
$$ t=\frac{\beta}{s-1}=\frac{s+1}{\beta} $$
である。
次に $t<0$ のとき、$|t|=-t$ なので
$$ \beta+t=-ts $$
より
$$ \beta=-t(s+1) $$
となるから、
$$ t=-\frac{\beta}{s+1}=\frac{1-s}{\beta} $$
である。
したがって 2つの中心は
$$ Q_1=\left(\alpha+\beta\cdot \frac{s+1}{\beta},\ \beta+\frac{s+1}{\beta}\right) =\left(\alpha+1+s,\ \frac{s(s+1)}{\beta}\right) $$
$$ Q_2=\left(\alpha+\beta\cdot \frac{1-s}{\beta},\ \beta+\frac{1-s}{\beta}\right) =\left(\alpha+1-s,\ \frac{s(s-1)}{\beta}\right) $$
となる。
**(1)**
$Q_1Q_2$ の最小値を求める。
$x$ 座標の差は $2s$、$y$ 座標の差は
$$ \frac{s(s+1)}{\beta}-\frac{s(s-1)}{\beta}=\frac{2s}{\beta} $$
であるから、
$$ Q_1Q_2 =\sqrt{(2s)^2+\left(\frac{2s}{\beta}\right)^2} =2s\sqrt{1+\frac{1}{\beta^2}} $$
ここで $s^2=1+\beta^2$ であるから、
$$ Q_1Q_2 =2\sqrt{1+\beta^2}\sqrt{1+\frac{1}{\beta^2}} =2\cdot \frac{1+\beta^2}{\beta} =2\left(\beta+\frac{1}{\beta}\right) $$
となる。
$\beta>0$ なので、相加平均と相乗平均の関係より
$$ \beta+\frac{1}{\beta}\geq 2 $$
であり、等号は $\beta=1$ のときに成り立つ。したがって、
$$ Q_1Q_2\geq 4 $$
であり、最小値は
$$ 4 $$
である。
(2) 線分 $Q_1Q_2$ の中点を $M(x,y)$ とする。
中点の座標は
$$ x=\frac{(\alpha+1+s)+(\alpha+1-s)}{2}=\alpha+1 $$
$$ y=\frac{1}{2}\left(\frac{s(s+1)}{\beta}+\frac{s(s-1)}{\beta}\right) =\frac{s^2}{\beta} =\frac{1+\beta^2}{\beta} =\beta+\frac{1}{\beta} $$
である。
ここで $x=\alpha+1$ より
$$ \alpha=x-1 $$
であり、$\beta=e^{-\alpha}$ だから
$$ \beta=e^{-(x-1)}=e^{1-x} $$
となる。よって
$$ y=e^{1-x}+e^{x-1} $$
を得る。これが点 $M$ のえがく曲線の方程式である。
解説
この問題の要点は、円の中心が「接点における法線上にある」ことと、「$x$ 軸に接する円では半径が中心の $y$ 座標に等しい」ことの 2 点である。
中心を法線上の点として $Q=(\alpha+\beta t,\beta+t)$ とおくと、円の条件がそのまま $t$ の方程式になり、2つの円が自然に得られる。そこまで進めば、(1) は $\beta+\dfrac{1}{\beta}$ の最小化、(2) は中点の座標計算と消去で処理できる。
答え
**(1)**
$2点Q_1,Q_2$ の間の距離の最小値は
$$ 4 $$
である。
**(2)**
点 $M(x,y)$ のえがく曲線の方程式は
$$ y=e^{x-1}+e^{1-x} $$
である。