基礎問題集
数学3 微分法「接線・不等式」の問題5 解説
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解説
方針・初手
(1) は $\sin t$ に平均値の定理を適用すればすぐに示せる。
(2) は
$$ R(t)=\cos(x+t)-\cos x+t\sin x $$
とおいて、この $R(t)$ に平均値の定理を使うと、結局は $\sin$ の差の評価に帰着する。そこに (1) を用いればよい。
解法1
$h=0$ のときは、(1)(2) ともに明らかである。以下、$h\neq 0$ とする。
**(1)**
$f(t)=\sin t$ とおく。
$f$ は $x$ と $x+h$ の間の区間で微分可能であるから、平均値の定理より、その間のある実数 $\xi$ が存在して
$$ \sin(x+h)-\sin x=h\cos \xi $$
となる。
したがって
$$ \begin{aligned} |\sin(x+h)-\sin x| &= |h|,|\cos \xi| \le |h| \end{aligned} $$
であり、(1) が成り立つ。
**(2)**
$$ R(t)=\cos(x+t)-\cos x+t\sin x $$
とおくと、$R(0)=0$ である。
ここで $R$ は $0$ と $h$ の間の区間で微分可能であるから、平均値の定理より、その間のある実数 $\eta$ が存在して
$$ R(h)-R(0)=hR'(\eta) $$
となる。
$R'(t)$ を計算すると
$$ R'(t)=-\sin(x+t)+\sin x $$
であるから、
$$ \begin{aligned} \cos(x+h)-\cos x+h\sin x &= h\bigl(-\sin(x+\eta)+\sin x\bigr) \end{aligned} $$
を得る。
よって
$$ \begin{aligned} |\cos(x+h)-\cos x+h\sin x| &= |h|,|\sin(x+\eta)-\sin x| \end{aligned} $$
となる。
ここで (1) を $x,\eta$ に対して適用すると
$$ |\sin(x+\eta)-\sin x|\le |\eta| $$
である。また、$\eta$ は $0$ と $h$ の間の数であるから
$$ |\eta|\le |h| $$
が成り立つ。
したがって
$$ \begin{aligned} |\cos(x+h)-\cos x+h\sin x| \le |h|,|\eta| \le |h|^2 &= h^2 \end{aligned} $$
となり、(2) も示された。
解説
(1) は、$\sin t$ の導関数が $\cos t$ であり、常に $|\cos t|\le 1$ であることを平均値の定理で表したものである。すなわち、$\sin$ は入力の変化量以上には変化しない。
(2) は、$\cos(x+h)$ を $h=0$ のまわりで一次近似したときの誤差の評価である。誤差そのものに平均値の定理を適用すると、その誤差は $\sin$ の差で表されるので、(1) をそのまま利用できる。一次近似の誤差をさらに平均値の定理で押さえる、という流れが重要である。
答え
**(1)**
$$ |\sin(x+h)-\sin x|\le |h| $$
**(2)**
$$ |\cos(x+h)-\cos x+h\sin x|\le h^2 $$