基礎問題集
数学3 微分法「接線・不等式」の問題7 解説
数学3の微分法「接線・不等式」にある問題7の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
接線の傾きそのものを追うより、媒介変数表示を微分して接線方向ベクトルを求めるのが自然である。
この曲線は
$$ x=\theta-\sin\theta,\qquad y=1-\cos\theta \qquad (0\leqq \theta\leqq 2\pi) $$
で与えられるので、$\theta=\alpha,\beta$ に対応する 2 点 $P,Q$ の接線が直交する条件を、接線方向ベクトルの内積が $0$ であることとして処理する。
解法1
点 $P,Q$ がそれぞれ媒介変数 $\theta=\alpha,\beta$ に対応するとする。
まず、この曲線の接線方向ベクトルを求めると、
$$ \begin{aligned} \left(\frac{dx}{d\theta},\frac{dy}{d\theta}\right) &= (1-\cos\theta,\sin\theta) \end{aligned} $$
である。
さらに半角公式を用いると、
$$ \begin{aligned} (1-\cos\theta,\sin\theta) &= \bigl(2\sin^2\tfrac{\theta}{2},,2\sin\tfrac{\theta}{2}\cos\tfrac{\theta}{2}\bigr) \\ 2\sin\tfrac{\theta}{2},(\sin\tfrac{\theta}{2},\cos\tfrac{\theta}{2}) \end{aligned} $$
となる。したがって、接線の向きは実質的に
$$ (\sin\tfrac{\theta}{2},\cos\tfrac{\theta}{2}) $$
で決まる。
よって、$P,Q$ における接線が直交する条件は
$$ \left(\sin\frac{\alpha}{2},\cos\frac{\alpha}{2}\right)\cdot \left(\sin\frac{\beta}{2},\cos\frac{\beta}{2}\right)=0 $$
すなわち
$$ \sin\frac{\alpha}{2}\sin\frac{\beta}{2} + \cos\frac{\alpha}{2}\cos\frac{\beta}{2} =0 $$
である。左辺は余弦の加法定理より
$$ \cos\left(\frac{\alpha-\beta}{2}\right)=0 $$
だから、
$$ \frac{\alpha-\beta}{2}=\frac{\pi}{2}+k\pi $$
となる。したがって
$$ \alpha-\beta=\pi+2k\pi $$
である。
ここで $0\leqq \alpha,\beta\leqq 2\pi$ かつ $\alpha\neq\beta$ なので、
$$ |\alpha-\beta|=\pi $$
でなければならない。よって、$\alpha=t,\ \beta=t+\pi\ (0\leqq t\leqq \pi)$ とおける。
このとき
$$ P=(,t-\sin t,\ 1-\cos t,), $$
$$ Q=(,t+\pi-\sin(t+\pi),\ 1-\cos(t+\pi),) $$
であるが、
$$ \sin(t+\pi)=-\sin t,\qquad \cos(t+\pi)=-\cos t $$
より
$$ Q=(,t+\pi+\sin t,\ 1+\cos t,) $$
となる。
したがって、中点 $M(X,Y)$ は
$$ X=\frac{(t-\sin t)+(t+\pi+\sin t)}{2} =t+\frac{\pi}{2}, $$
$$ Y=\frac{(1-\cos t)+(1+\cos t)}{2}=1 $$
である。
ゆえに $M$ は常に
$$ y=1 $$
上にある。
また $0\leqq t\leqq \pi$ なので
$$ \frac{\pi}{2}\leqq X\leqq \frac{3\pi}{2} $$
である。逆に、この範囲の任意の $X$ に対し $t=X-\frac{\pi}{2}$ をとれば条件を満たす 2 点が得られるから、求める軌跡は
$$ y=1,\qquad \frac{\pi}{2}\leqq x\leqq \frac{3\pi}{2} $$
である。
解説
この問題の要点は、接線の直交条件を「傾きの積が $-1$」で処理するより、接線方向ベクトルの内積で処理した方が見通しがよいことである。
実際、この曲線では接線方向が $(\sin\frac{\theta}{2},\cos\frac{\theta}{2})$ という非常に簡単な形で表れ、直交条件から媒介変数の差が $\pi$ であることがすぐに分かる。そのあと中点を計算すると、$\sin t,\cos t$ がきれいに打ち消し合って一直線になる。
答え
中点の軌跡は
$$ y=1,\qquad \frac{\pi}{2}\leqq x\leqq \frac{3\pi}{2} $$
である。