基礎問題集
数学3 微分法「接線・不等式」の問題8 解説
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解説
注意
画像下段の右辺は $\dfrac{30-2\sqrt{195}}{5}$ と読んで解答する。$\sqrt{196}$ と読むと右辺が $\dfrac{2}{5}$ となり,示すべき不等式と矛盾するためである。
方針・初手
$(1)$ は $\cos x-\left(1-\dfrac{x^2}{2}\right)$ を考え,その導関数の符号を調べる。
$(2)$ は $1-\dfrac{x^2}{2}+\dfrac{x^4}{24}-\cos x$ を考えると,その導関数の符号判定に $(1)$ がそのまま使える。
$(3)$ は $3,4,5$ の三角形が直角三角形であることから $\cos\theta=\dfrac45$ を得て,$(1)$,$(2)$ を $\theta$ に適用する。
解法1
**(1)**
$$ f(x)=\cos x-1+\frac{x^2}{2} $$
とおく。すると
$$ f'(x)=x-\sin x $$
である。ここで
$$ g(x)=x-\sin x $$
とおくと,
$$ g'(x)=1-\cos x\geqq 0 $$
であり,しかも $g(0)=0$ である。したがって $g(x)$ は $x\geqq 0$ で増加し,$x>0$ では
$$ g(x)>0 $$
となる。よって $f'(x)>0$ であるから,$f(x)$ は $x>0$ で増加する。
また $f(0)=0$ であるから,$x>0$ に対して
$$ f(x)>0 $$
すなわち
$$ \cos x-1+\frac{x^2}{2}>0 $$
となる。したがって
$$ 1-\frac{x^2}{2}<\cos x $$
が成り立つ。
**(2)**
$$ F(x)=1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{24}-\cos x $$
とおく。すると
$$ F'(x)=-x+\frac{x^3}{6}+\sin x =\sin x-x+\frac{x^3}{6} $$
である。さらにこれを微分すると
$$ F''(x)=\cos x-1+\frac{x^2}{2} $$
となる。
ここで $(1)$ より,$x>0$ では
$$ \cos x-1+\frac{x^2}{2}>0 $$
であるから,
$$ F''(x)>0 \qquad (x>0) $$
である。したがって $F'(x)$ は $x>0$ で増加する。
しかも
$$ F'(0)=0 $$
であるから,$x>0$ では
$$ F'(x)>0 $$
となる。ゆえに $F(x)$ は $x>0$ で増加し,また
$$ F(0)=0 $$
より,$x>0$ では
$$ F(x)>0 $$
である。すなわち
$$ 1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{24}-\cos x>0 $$
であるから,
$$ \cos x<1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{24} $$
が成り立つ。
**(3)**
辺の長さが $3,4,5$ の三角形は
$$ 3^2+4^2=5^2 $$
より直角三角形である。最小の内角 $\theta$ は最短辺 $3$ の向かい側の角であるから,
$$ \cos\theta=\frac45,\qquad 0<\theta<\frac{\pi}{2} $$
が成り立つ。
まず $(1)$ を $x=\theta$ に適用すると,
$$ 1-\frac{\theta^2}{2}<\cos\theta=\frac45 $$
であるから,
$$ 1-\frac{\theta^2}{2}<\frac45 $$
すなわち
$$ \theta^2>\frac25 $$
を得る。
次に $(2)$ を $x=\theta$ に適用すると,
$$ \cos\theta=\frac45<1-\frac{\theta^2}{2}+\frac{\theta^4}{24} $$
である。$y=\theta^2$ とおくと,
$$ \frac45<1-\frac{y}{2}+\frac{y^2}{24} $$
より
$$ 24\cdot \frac45<24-12y+y^2 $$
したがって
$$ 5y^2-60y+24>0 $$
となる。この2次方程式の解は
$$ y=\frac{60\pm\sqrt{3600-480}}{10} =\frac{60\pm\sqrt{3120}}{10} =\frac{60\pm 4\sqrt{195}}{10} =\frac{30\pm 2\sqrt{195}}{5} $$
である。よって
$$ 5y^2-60y+24>0 $$
は
$$ y<\frac{30-2\sqrt{195}}{5} \quad \text{または} \quad y>\frac{30+2\sqrt{195}}{5} $$
と同値である。
一方,$0<\theta<\dfrac{\pi}{2}$ より
$$ 0<y=\theta^2<\frac{\pi^2}{4}<3 $$
である。ところが
$$ \frac{30+2\sqrt{195}}{5}>6 $$
であるから,$y>\dfrac{30+2\sqrt{195}}{5}$ は起こりえない。したがって
$$ y<\frac{30-2\sqrt{195}}{5} $$
すなわち
$$ \theta^2<\frac{30-2\sqrt{195}}{5} $$
が従う。
以上より
$$ \frac25<\theta^2<\frac{30-2\sqrt{195}}{5} $$
が成り立つ。
解説
$(1)$ は $x-\sin x$ の単調性を見る典型問題である。$1-\cos x\geqq 0$ を使って一段ずつ導関数の符号を決めればよい。
$(2)$ は $(1)$ の結果をそのまま $F''(x)$ の正値性に利用するのが自然である。$\cos x$ のテイラー展開を知っていてもよいが,この問題では微分による証明で完結する。
$(3)$ は三角形の情報を $\cos\theta=\dfrac45$ に翻訳し,$(1)$,$(2)$ に代入するだけでよい。上側の評価では $\theta^2$ を $y$ とおいて2次不等式に直すのが要点である。
答え
**(1)**
$$ x>0 \Longrightarrow 1-\frac{x^2}{2}<\cos x $$
**(2)**
$$ x>0 \Longrightarrow \cos x<1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{24} $$
**(3)**
最小角を $\theta$ ラジアンとすると,
$$ \frac25<\theta^2<\frac{30-2\sqrt{195}}{5} $$
が成り立つ。