基礎問題集
数学3 微分法「接線・不等式」の問題12 解説
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解説
方針・初手
指数関数について成り立つ基本不等式
$$ e^t \geqq 1+t \qquad (t\in \mathbb{R}) $$
をそれぞれ $t=bx,,-ax$ に適用する。すると $x$ を含む一次の項がちょうど打ち消し合うので,求める不等式が直接得られる。
解法1
任意の実数 $t$ に対して
$$ e^t \geqq 1+t $$
が成り立つ。
これを $t=bx$ に適用すると,
$$ e^{bx} \geqq 1+bx $$
である。$a\geqq 0$ であるから,両辺に $a$ を掛けて
$$ ae^{bx} \geqq a+abx $$
を得る。
同様に,$t=-ax$ に対して
$$ e^{-ax} \geqq 1-ax $$
である。$b\geqq 0$ であるから,両辺に $b$ を掛けて
$$ be^{-ax} \geqq b-abx $$
を得る。
以上の 2 式を辺々加えると,
$$ ae^{bx}+be^{-ax} \geqq (a+abx)+(b-abx)=a+b $$
となる。
よって,全ての実数 $x$ について
$$ ae^{bx}+be^{-ax}\geqq a+b $$
が成り立つ。
解法2
関数
$$ f(x)=ae^{bx}+be^{-ax} $$
を考える。
まず微分すると,
$$ f'(x)=ab\left(e^{bx}-e^{-ax}\right) $$
である。したがって $f'(x)=0$ となるのは
$$ e^{bx}=e^{-ax} $$
すなわち
$$ bx=-ax $$
より
$$ (a+b)x=0 $$
を満たすときである。
**(i)**
$a+b>0$ のとき
$a,b$ は負でない定数であり,少なくとも一方は正であるから $a+b>0$ である。このとき極値をとりうるのは $x=0$ のみである。
さらに 2 階微分すると,
$$ f''(x)=ab\left(be^{bx}+ae^{-ax}\right)\geqq 0 $$
であるから,$f(x)$ は下に凸であり,$x=0$ で最小値をとる。
よって
$$ f(x)\geqq f(0)=a+b $$
となる。
**(ii)**
$a=b=0$ のとき
$$ ae^{bx}+be^{-ax}=0=a+b $$
であり,やはり不等式は成り立つ。
以上より,全ての実数 $x$ について
$$ ae^{bx}+be^{-ax}\geqq a+b $$
が成り立つ。
解説
この問題の本質は,指数関数の基本不等式 $e^t\geqq 1+t$ を見抜けるかどうかである。$bx$ と $-ax$ を代入すると,一次の項が $abx$ と $-abx$ になって打ち消し合うため,一瞬で示せる。
微分による方法でも示せるが,解法1のほうが短く,本質も明確である。入試ではまず $e^t\geqq 1+t$ の利用を考えるのがよい。
答え
全ての実数 $x$ について
$$ ae^{bx}+be^{-ax}\geqq a+b $$
が成り立つ。特に,$e^t\geqq 1+t$ を $t=bx,,-ax$ に適用すれば,
$$ ae^{bx}\geqq a+abx,\qquad be^{-ax}\geqq b-abx $$
であるから,両式を加えて
$$ ae^{bx}+be^{-ax}\geqq a+b $$
を得る。