基礎問題集
数学3 微分法「接線・不等式」の問題14 解説
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解説
方針・初手
(1) は
$$ \sqrt{1+x}-1=\frac{x}{\sqrt{1+x}+1} $$
と有理化すると、与えられた不等式が $\dfrac{1}{\sqrt{1+x}+1}$ の範囲を調べる問題に帰着する。
(2) も同様に有理化すると、値の大きさを簡単に評価できる。
解法1
**(1)**
与えられた不等式
$$ 1+\frac{1}{m}x<\sqrt{1+x}<1+\frac{1}{n}x $$
を変形するため、$\sqrt{1+x}-1$ を有理化する。
$$ \sqrt{1+x}-1 =\frac{(1+x)-1}{\sqrt{1+x}+1} =\frac{x}{\sqrt{1+x}+1}. $$
したがって $x>0$ より、
$$ \frac{\sqrt{1+x}-1}{x}=\frac{1}{\sqrt{1+x}+1} $$
である。
ここで $0<x<1$ だから
$$ 1<\sqrt{1+x}<\sqrt{2} $$
となるので、
$$ \frac{1}{\sqrt{2}+1}<\frac{1}{\sqrt{1+x}+1}<\frac{1}{2} $$
を得る。さらに
$$ \frac{1}{\sqrt{2}+1}=\sqrt{2}-1> \frac{1}{3} $$
であるから、
$$ \frac{1}{3}<\frac{\sqrt{1+x}-1}{x}<\frac{1}{2} $$
となる。両辺に $x(>0)$ を掛けて 1 を加えると、
$$ 1+\frac{x}{3}<\sqrt{1+x}<1+\frac{x}{2} $$
を得る。
よって $m=3,\ n=2$ は確かに条件を満たす。
次に最小性・最大性を確認する。
まず $m=2$ とすると、必要な不等式は
$$ 1+\frac{x}{2}<\sqrt{1+x} $$
であるが、これは
$$ \frac{1}{2}<\frac{\sqrt{1+x}-1}{x} $$
を意味する。しかし実際には
$$ \frac{\sqrt{1+x}-1}{x}<\frac{1}{2} $$
であるから不可能である。したがって $m\ge 3$ であり、最小値は 3 である。
次に $n=3$ とすると、必要な不等式は
$$ \sqrt{1+x}<1+\frac{x}{3} $$
であるが、これは
$$ \frac{\sqrt{1+x}-1}{x}<\frac{1}{3} $$
を意味する。しかし実際には
$$ \frac{\sqrt{1+x}-1}{x}>\sqrt{2}-1>\frac{1}{3} $$
であるから不可能である。したがって $n\le 2$ であり、最大値は 2 である。
以上より、求める値は $m=3,\ n=2$ である。
**(2)**
$$ \sqrt{1.0006}-1 =\frac{1.0006-1}{\sqrt{1.0006}+1} =\frac{0.0006}{\sqrt{1.0006}+1}. $$
ここで
$$ 1<\sqrt{1.0006}<2 $$
であるから、
$$ 2<\sqrt{1.0006}+1<3 $$
となる。よって
$$ \frac{0.0006}{3}<\sqrt{1.0006}-1<\frac{0.0006}{2} $$
すなわち
$$ 0.0002<\sqrt{1.0006}-1<0.0003 $$
を得る。
したがって $\sqrt{1.0006}-1$ を小数で表すと
$$ 0.0002\cdots $$
の形になり、小数第4位にはじめて 0 でない数字が現れ、その数字は 2 である。
解説
(1) の本質は、$\sqrt{1+x}$ をそのまま扱うのではなく、
$$ \frac{\sqrt{1+x}-1}{x} $$
に直して評価することである。この形にすると単純に $\dfrac{1}{\sqrt{1+x}+1}$ となり、範囲がすぐ読める。
また、整数条件があるため、ただ近い値を出すだけでは不十分である。実際に $m=2$ や $n=3$ が成り立たないことまで示してはじめて、最小値・最大値が確定する。
(2) は (1) と同じ有理化の発想で処理できる。厳密な小数展開を求める必要はなく、どの位に最初の非零数字が出るかだけなら、上下からの評価で十分である。
答え
**(1)**
$m$ の最小値は $3$、$n$ の最大値は $2$ である。
**(2)**
小数第 $4$ 位にはじめて 0 でない数字が現れ、その数字は $2$ である。