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数学3 微分法「接線・不等式」の問題17 解説

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数学3微分法接線・不等式問題17
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数学3 微分法 接線・不等式 問題17の問題画像
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解説

方針・初手

まず媒介変数 $t$ を消去して、曲線 $C$ が双曲線

$$ \frac{y^2}{b^2}-\frac{x^2}{a^2}=1 $$

の上側の枝であることを確認する。

すると、接線は双曲線の接線公式で扱える。点 $P(u,v)$ を通る接線の本数は、接点の媒介変数 $t$ についての二次方程式、あるいは接線の傾き $m$ についての二次方程式で判定できる。

解法1

(1) 等式の証明

$$ f(t)=a\frac{t-t^{-1}}{2},\qquad g(t)=b\frac{t+t^{-1}}{2} $$

より、

$$ \frac{dx}{dt}=f'(t)=\frac{a}{2}\left(1+t^{-2}\right), \qquad \frac{dy}{dt}=g'(t)=\frac{b}{2}\left(1-t^{-2}\right) $$

である。したがって、

$$ \begin{aligned} \frac{\dfrac{dy}{dt}}{\dfrac{dx}{dt}} &= \frac{b\left(1-t^{-2}\right)}{a\left(1+t^{-2}\right)} \\ \frac{b}{a}\cdot\frac{t^2-1}{t^2+1}. \end{aligned} $$

一方、

$$ \begin{aligned} \frac{f(t)}{g(t)} &= \frac{a(t-t^{-1})}{b(t+t^{-1})} \\ \frac{a}{b}\cdot\frac{t^2-1}{t^2+1}. \end{aligned} $$

よって、

$$ \begin{aligned} \frac{b^2}{a^2}\frac{f(t)}{g(t)} &= \frac{b}{a}\cdot\frac{t^2-1}{t^2+1} \\ \frac{\dfrac{dy}{dt}}{\dfrac{dx}{dt}}. \end{aligned} $$

したがって、

$$ \begin{aligned} \frac{\dfrac{dy}{dt}}{\dfrac{dx}{dt}} &= \frac{b^2}{a^2}\frac{f(t)}{g(t)} \end{aligned} $$

が成り立つ。

(2) 点 $P(u,v)$ を通る接線が $2$ 本引ける領域

まず曲線 $C$ の方程式を求める。

$$ \begin{aligned} \left(\frac{g(t)}{b}\right)^2-\left(\frac{f(t)}{a}\right)^2 &= \frac{(t+t^{-1})^2-(t-t^{-1})^2}{4} =1 \end{aligned} $$

より、

$$ \frac{y^2}{b^2}-\frac{x^2}{a^2}=1 $$

である。また $t>0$ だから

$$ y=g(t)=b\frac{t+t^{-1}}{2}\ge b>0 $$

となり、$C$ はこの双曲線の上側の枝である。

双曲線 $\dfrac{y^2}{b^2}-\dfrac{x^2}{a^2}=1$ の点 $(x_0,y_0)$ における接線は

$$ \frac{yy_0}{b^2}-\frac{xx_0}{a^2}=1 $$

である。ここで接点を $(x_0,y_0)=\bigl(f(t),g(t)\bigr)$ とすると、点 $P(u,v)$ を通るための条件は

$$ \frac{v,g(t)}{b^2}-\frac{u,f(t)}{a^2}=1 $$

すなわち

$$ \begin{aligned} \frac{v}{b}\cdot\frac{t+t^{-1}}{2} &= \frac{u}{a}\cdot\frac{t-t^{-1}}{2} =1 \end{aligned} $$

である。これを整理すると、

$$ \left(\frac{v}{b}-\frac{u}{a}\right)t^2-2t+\left(\frac{v}{b}+\frac{u}{a}\right)=0 $$

を得る。

この二次方程式が異なる $2$ つの正の実数解をもつことが、$P(u,v)$ を通る接線が $2$ 本引けるための必要十分条件である。

二次方程式

$$ At^2-2t+B=0 \qquad \left( A=\frac{v}{b}-\frac{u}{a},\ B=\frac{v}{b}+\frac{u}{a} \right) $$

が異なる $2$ つの正の解をもつ条件は、

(i) 判別式が正 (ii) 和が正 (iii) 積が正

である。

まず判別式より、

$$ (-2)^2-4AB>0 $$

すなわち

$$ 1-\left(\frac{v}{b}\right)^2+\left(\frac{u}{a}\right)^2>0, $$

したがって

$$ \frac{v^2}{b^2}-\frac{u^2}{a^2}<1. $$

次に、解の和と積は

$$ t_1+t_2=\frac{2}{A},\qquad t_1t_2=\frac{B}{A} $$

だから、$t_1,t_2>0$ となるためには $A>0,\ B>0$ が必要十分である。これは

$$ \frac{v}{b}-\frac{u}{a}>0, \qquad \frac{v}{b}+\frac{u}{a}>0 $$

すなわち

$$ \frac{v}{b}>\left|\frac{u}{a}\right| $$

と同値である。

以上より、求める領域は

$$ \frac{v^2}{b^2}-\frac{u^2}{a^2}<1, \qquad \frac{v}{b}>\left|\frac{u}{a}\right| $$

である。

すなわち、双曲線

$$ \frac{v^2}{b^2}-\frac{u^2}{a^2}=1 $$

の上側の枝と、その漸近線

$$ v=\pm\frac{b}{a}u $$

に囲まれた内部である。

(3) 2 本の接線が直交する場合

点 $P(u,v)$ を通る接線の傾きを $m$ とし、その方程式を

$$ y=mx+c $$

とおく。これが双曲線

$$ \frac{y^2}{b^2}-\frac{x^2}{a^2}=1 $$

に接する条件を求める。

これを代入すると、

$$ \frac{(mx+c)^2}{b^2}-\frac{x^2}{a^2}=1 $$

となる。これが $x$ について重解をもつ条件を用いると、

$$ c^2=b^2-a^2m^2 $$

を得る。上側の枝への接線なので $c>0$ をとって、

$$ y=mx+\sqrt{b^2-a^2m^2} $$

である。

この直線が $P(u,v)$ を通る条件は

$$ v=mu+\sqrt{b^2-a^2m^2} $$

である。両辺を二乗して整理すると、

$$ (u^2+a^2)m^2-2uv,m+(v^2-b^2)=0 $$

を得る。したがって、$P(u,v)$ を通る $2$ 本の接線の傾きを $m_1,m_2$ とすると、

$$ m_1m_2=\frac{v^2-b^2}{u^2+a^2} $$

である。

この $2$ 本が直交する条件は

$$ m_1m_2=-1 $$

だから、

$$ \frac{v^2-b^2}{u^2+a^2}=-1 $$

すなわち

$$ u^2+v^2=b^2-a^2 $$

を得る。

よって、直交する $2$ 本の接線をもつ点 $P(u,v)$ の軌跡は円

$$ u^2+v^2=b^2-a^2 $$

上にある。

ただし、実際に $2$ 本の接線が上側の枝 $C$ に引けるためには、(2) の領域にも入っていなければならない。したがって、このような点が存在するための必要十分条件は

$$ b^2-a^2>0 $$

すなわち

$$ b>a $$

である。

そのときの軌跡は

$$ u^2+v^2=b^2-a^2, \qquad v>\frac{b}{a}|u| $$

で与えられる。

これは、原点中心・半径 $\sqrt{b^2-a^2}$ の円のうち、2 本の漸近線

$$ v=\pm\frac{b}{a}u $$

の上側にはさまれた上部の円弧である。端点は

$$ \left( \pm a\sqrt{\frac{b^2-a^2}{a^2+b^2}}, \ b\sqrt{\frac{b^2-a^2}{a^2+b^2}} \right) $$

であるが、ここでは接線は 1 本になるので端点自身は含まれない。

解説

この問題の本質は、与えられた媒介表示が

$$ x=a\frac{t-t^{-1}}{2},\qquad y=b\frac{t+t^{-1}}{2} $$

であることから、双曲線

$$ \frac{y^2}{b^2}-\frac{x^2}{a^2}=1 $$

の上側の枝を表していると見抜く点にある。

(2) では、接点の媒介変数 $t$ に関する二次方程式を作ると、接線の本数がその解の個数に対応する。ここで「$2$ 本引ける」だけでなく、「$t>0$ に対応する接点でなければならない」ので、判別式だけでなく正の解条件まで見る必要がある。

(3) では、直交条件は傾きの積 $-1$ で処理するのが最も素直である。双曲線に対する接線を傾き $m$ で表すと、$P(u,v)$ を通る接線の傾きが二次方程式の 2 解となるので、Vieta の公式から直交条件がただちに円

$$ u^2+v^2=b^2-a^2 $$

に落ちる。この円は双曲線のディレクターサークルに対応する。

答え

**(1)**

$$ \begin{aligned} \frac{\dfrac{dy}{dt}}{\dfrac{dx}{dt}} &= \frac{b^2}{a^2}\frac{f(t)}{g(t)} \end{aligned} $$

が成り立つ。

**(2)**

点 $P(u,v)$ を通る $C$ の接線が $2$ 本引ける領域は

$$ \frac{v^2}{b^2}-\frac{u^2}{a^2}<1, \qquad \frac{v}{b}>\left|\frac{u}{a}\right| $$

である。すなわち、双曲線

$\dfrac{v^2}{b^2}-\dfrac{u^2}{a^2}=1$

の上側の枝と、その漸近線

$v=\pm\dfrac{b}{a}u$

に囲まれた内部である。

**(3)**

このような点 $P(u,v)$ が存在するための必要十分条件は

$$ b>a $$

である。

そのとき、$P(u,v)$ の軌跡は

$$ u^2+v^2=b^2-a^2, \qquad v>\frac{b}{a}|u| $$

で表される上部の円弧である。

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