基礎問題集
数学3 微分法「接線・不等式」の問題26 解説
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解説
方針・初手
(1) は導関数 $y'$ と $y''$ を求めれば、増減・極値・凹凸・変曲点が一度に分かる。
(2) は接点の $x$ 座標を $a$ として接線の方程式を立て、$(0,b)$ を代入すればよい。
(3) は (2) で得た関係式 $b=(a-1)e^a$ を、(1) で調べた関数のグラフの性質に読み替えると、接線の本数が判定できる。
解法1
(1) 関数 $y=(x-1)e^x$ の増減、極値、凹凸、変曲点を調べる。
まず導関数を求める。
$$ y'=(x-1)e^x+e^x=xe^x $$
$e^x>0$ であるから、$y'$ の符号は $x$ の符号で決まる。したがって
- $x<0$ で $y'<0$
- $x=0$ で $y'=0$
- $x>0$ で $y'>0$
より、$y=(x-1)e^x$ は
- $(-\infty,0)$ で減少
- $(0,\infty)$ で増加
する。よって $x=0$ で極小値をとり、
$$ y(0)=(0-1)e^0=-1 $$
より、極小値は $-1$ である。極大値はない。
次に、凹凸を調べるために第2導関数を求める。
$$ y''=e^x+xe^x=(x+1)e^x $$
ここでも $e^x>0$ であるから、$y''$ の符号は $x+1$ の符号で決まる。したがって
- $x<-1$ で $y''<0$
- $x=-1$ で $y''=0$
- $x>-1$ で $y''>0$
である。
よって、グラフは
- $x<-1$ で上に凸
- $x>-1$ で下に凸
となり、$x=-1$ で変曲する。変曲点の座標は
$$ y(-1)=(-2)e^{-1}=-\frac{2}{e} $$
より、
$$ \left(-1,-\frac{2}{e}\right) $$
である。
さらにグラフの概形をつかむために、いくつかの値と極限を確認する。
$$ y(1)=0 $$
より、グラフは $x=1$ で $x$ 軸と交わる。また
$$ y(0)=-1 $$
より、$y$ 軸とは $(0,-1)$ で交わる。
問題文の指示より
$$ \lim_{x\to-\infty}(x-1)e^x=0 $$
である。しかも $x\to-\infty$ のとき $x-1<0$ かつ $e^x>0$ なので、$y$ は負の値のまま $0$ に近づく。すなわち、左方ではグラフは $x$ 軸の下側から $y=0$ に近づく。
また、$x\to\infty$ では $(x-1)e^x\to\infty$ である。
以上より、グラフは左方で $x$ 軸の下から $y=0$ に近づき、$x=0$ で極小値 $-1$ をとり、その後増加して $(1,0)$ を通り、$\left(-1,-\dfrac{2}{e}\right)$ で変曲する形になる。
---
(2) 関数 $y=-e^x$ のグラフ上の点 $(a,-e^a)$ における接線が点 $(0,b)$ を通るとき、$a,b$ の関係式を求める。
関数
$$ y=-e^x $$
の導関数は
$$ y'=-e^x $$
である。したがって、点 $(a,-e^a)$ における接線の傾きは $-e^a$ であるから、接線の方程式は
$$ y+e^a=-e^a(x-a) $$
すなわち
$$ y=-e^a x+(a-1)e^a $$
である。
この接線が $(0,b)$ を通るので、$x=0,\ y=b$ を代入すると
$$ b=(a-1)e^a $$
を得る。これが求める関係式である。
---
(3) 点 $(0,b)$ を通る、関数 $y=-e^x$ のグラフの接線の本数を調べる。
(2) より、点 $(0,b)$ を通る接線が存在するための条件は、ある実数 $a$ が存在して
$$ b=(a-1)e^a $$
を満たすことである。
ここで
$$ f(a)=(a-1)e^a $$
とおくと、これは (1) で調べた関数そのものである。したがって、その値の取り方は (1) の結果から分かる。
$f(a)$ は
- $(-\infty,0)$ で減少
- $(0,\infty)$ で増加
- $a=0$ で最小値 $-1$
- $\displaystyle \lim_{a\to-\infty}f(a)=0$
- $f(1)=0$
- $\displaystyle \lim_{a\to\infty}f(a)=\infty$
である。
よって、方程式
$$ (a-1)e^a=b $$
の実数解の個数は次のようになる。
**(i)**
$b<-1$ のとき
最小値が $-1$ なので解はない。したがって接線は **0本** である。
**(ii)**
$b=-1$ のとき
$a=0$ のただ1つで成り立つ。したがって接線は **1本** である。
**(iii)**
$-1<b<0$ のとき
$a<0$ に1つ、$0<a<1$ に1つ、合わせて2つ解がある。したがって接線は **2本** である。
**(iv)**
$b=0$ のとき
$f(1)=0$ より $a=1$ のただ1つで成り立つ。したがって接線は **1本** である。
**(v)**
$b>0$ のとき
$a>1$ にただ1つ解がある。したがって接線は **1本** である。
以上より、点 $(0,b)$ を通る接線の本数は
$$ \begin{cases} 0 & (b<-1)\\ 1 & (b=-1)\\ 2 & (-1<b<0)\\ 1 & (b=0)\\ 1 & (b>0) \end{cases} $$
である。
解説
この問題の中心は、関数 $(x-1)e^x$ の性質を丁寧に調べることである。
(2) で現れる $b=(a-1)e^a$ は、(1) の関数そのものになっている。したがって (3) は新しく難しい計算をする問題ではなく、(1) のグラフをそのまま「横線 $y=b$ との交点の個数」として読み替える問題である。
このように、接線の本数を調べる問題では、接点の座標を文字で置いて「通る条件」を式にし、その式を1つの関数として解析するのが典型的な方針である。
答え
**(1)**
増減
$(-\infty,0)$ で減少、$(0,\infty)$ で増加
極値
$x=0$ で極小値 $-1$、極大値はない
凹凸
$x<-1$ で上に凸、$x>-1$ で下に凸
変曲点
$$ \left(-1,-\frac{2}{e}\right) $$
グラフは $x\to-\infty$ で $y\to 0^{-}$、$(0,-1)$ を通って極小となり、$(1,0)$ を通って増加し、$\left(-1,-\dfrac{2}{e}\right)$ で変曲する
**(2)**
$$ b=(a-1)e^a $$
**(3)**
点 $(0,b)$ を通る接線の本数は
$$ \begin{cases} 0 & (b<-1)\\ 1 & (b=-1)\\ 2 & (-1<b<0)\\ 1 & (b=0)\\ 1 & (b>0) \end{cases} $$