基礎問題集
数学3 微分法「接線・不等式」の問題27 解説
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解説
方針・初手
不等式
$$ \log x+\frac{a}{x^n}>0 \qquad (x>0) $$
がすべての $x>0$ で成り立つためには、関数
$$ f(x)=\log x+\frac{a}{x^n}\qquad (x>0) $$
の最小値が正であればよい。したがって、まず $f(x)$ の最小値を調べる。
解法1
$a\leqq 0$ のときを先に考える。
$a=0$ なら
$$ f(x)=\log x $$
であり、$x\to 0+0$ とすると $\log x\to -\infty$ であるから、$f(x)>0$ はすべての $x>0$ で成り立たない。
また $a<0$ なら、$x\to 0+0$ とすると
$$ \frac{a}{x^n}\to -\infty $$
であり、やはり $f(x)>0$ は成り立たない。
よって必要条件として
$$ a>0 $$
である。
そこで $a>0$ として $f(x)$ を微分すると、
$$ f'(x)=\frac{1}{x}-\frac{na}{x^{n+1}} =\frac{x^n-na}{x^{n+1}} $$
となる。
$x>0$ では分母は正であるから、$f'(x)$ の符号は $x^n-na$ の符号で決まる。したがって、
$$ 0<x<(na)^{1/n} \ \text{で}\ f'(x)<0, \qquad x>(na)^{1/n} \ \text{で}\ f'(x)>0 $$
である。よって $f(x)$ は
$$ x=(na)^{1/n} $$
で最小値をとる。
その値は
$$ f\bigl((na)^{1/n}\bigr) =\log\bigl((na)^{1/n}\bigr)+\frac{a}{na} =\frac{1}{n}\log(na)+\frac{1}{n} =\frac{1+\log(na)}{n} $$
である。
これが正であればよいから、
$$ \frac{1+\log(na)}{n}>0 $$
すなわち
$$ 1+\log(na)>0 $$
である。ゆえに
$$ \log(na)>-1 $$
となり、
$$ na>e^{-1} $$
であるから、
$$ a>\frac{1}{en} $$
を得る。
以上より、求める範囲は
$$ a>\frac{1}{en} $$
である。
解法2
解法1と同様に、まず $a\leqq 0$ では $x\to 0+0$ とすると不等式は成り立たないので、$a>0$ が必要である。
そこで $a>0$ として
$$ t=\frac{x^n}{na}\quad (t>0) $$
とおくと、
$$ x^n=nat $$
より
$$ \log x=\frac{1}{n}\log(x^n)=\frac{1}{n}\log(na)+\frac{1}{n}\log t $$
であり、
$$ \frac{a}{x^n}=\frac{a}{nat}=\frac{1}{nt} $$
である。したがって
$$ \log x+\frac{a}{x^n} =\frac{1}{n}\log(na)+\frac{1}{n}\log t+\frac{1}{nt} $$
となる。
ここで、$t>0$ に対して
$$ \log t\geqq 1-\frac{1}{t} $$
が成り立つから、
$$ \log t+\frac{1}{t}\geqq 1 $$
である。よって
$$ \log x+\frac{a}{x^n} \geqq \frac{1}{n}\log(na)+\frac{1}{n} $$
となる。
したがって、すべての $x>0$ で
$$ \log x+\frac{a}{x^n}>0 $$
が成り立つための必要十分条件は
$$ \frac{1}{n}\log(na)+\frac{1}{n}>0 $$
すなわち
$$ 1+\log(na)>0 $$
である。よって
$$ a>\frac{1}{en} $$
を得る。
解説
この問題の要点は、与えられた不等式を「すべての $x>0$ で成り立つ」という条件から、関数の最小値の問題に直すことである。
解法1は微分によって最小値を直接求める標準的な方法である。最小値を与える点が $x=(na)^{1/n}$ であることまで分かるので、最も基本的で見通しがよい。
解法2は
$$ \log t\geqq 1-\frac{1}{t} $$
という有名不等式を用いる方法であり、微分を使わずに下から評価している。こちらでも同じ条件が自然に現れる。
答え
$$ a>\frac{1}{en} $$
である。