基礎問題集
数学3 微分法「接線・不等式」の問題31 解説
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解説
方針・初手
曲線 $y=e^{-x^2}$ 上の接点の $x$ 座標を $t$ とおく。まず、点 $\left(t,e^{-t^2}\right)$ における接線の式を求める。
その接線が点 $(a,b)$ を通るための条件は、$b$ が $t$ の関数として表せるので、その関数の値域を調べればよい。
解法1
(1) 曲線 $y=e^{-x^2}$ の導関数は
$$ y'=-2xe^{-x^2} $$
である。
したがって、点 $\left(t,e^{-t^2}\right)$ における接線の傾きは
$$ -2te^{-t^2} $$
である。
よって、その接線の方程式は
$$ y-e^{-t^2}=-2te^{-t^2}(x-t) $$
すなわち
$$ y=-2te^{-t^2}x+(2t^2+1)e^{-t^2} $$
となる。
したがって、求める接線の傾きは
$$ -2te^{-t^2} $$
であり、$y$ 切片は
$$ (2t^2+1)e^{-t^2} $$
である。
(2) 点 $(a,b)$ がこの接線上にあるためには
$$ b=-2te^{-t^2}a+(2t^2+1)e^{-t^2} $$
でなければならない。そこで
$$ f(t)=(2t^2-2at+1)e^{-t^2} $$
とおく。
すると、点 $(a,b)$ から曲線 $y=e^{-x^2}$ に接線を引くことができるための条件は、ある実数 $t$ が存在して
$$ b=f(t) $$
となることである。よって、$f(t)$ の値域を調べればよい。
**(2)(a)** $f(t)$ の増減と極値
$f'(t)$ を求めると
$$ \begin{aligned} f'(t) &=(4t-2a)e^{-t^2}+(2t^2-2at+1)(-2t)e^{-t^2} \\ &=2(-2t^3+2at^2+t-a)e^{-t^2} \\ &=2(t-a)(1-2t^2)e^{-t^2} \end{aligned} $$
となる。
ここで $e^{-t^2}>0$ であり、また仮定より $a>\sqrt{2}>\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ であるから、臨界点は
$$ t=-\frac{1}{\sqrt{2}},\ \frac{1}{\sqrt{2}},\ a $$
である。
したがって、符号は次のようになる。
- $t<-\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ では $f'(t)>0$
- $-\dfrac{1}{\sqrt{2}}<t<\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ では $f'(t)<0$
- $\dfrac{1}{\sqrt{2}}<t<a$ では $f'(t)>0$
- $a<t$ では $f'(t)<0$
よって、$f(t)$ は
- $\left(-\infty,-\dfrac{1}{\sqrt{2}}\right)$ で増加
- $\left(-\dfrac{1}{\sqrt{2}},\dfrac{1}{\sqrt{2}}\right)$ で減少
- $\left(\dfrac{1}{\sqrt{2}},a\right)$ で増加
- $(a,\infty)$ で減少
する。
極値を求めると、
$$ f\left(-\frac{1}{\sqrt{2}}\right) =\left(1+\sqrt{2}a+1\right)e^{-1/2} =(\sqrt{2}a+2)e^{-1/2} $$
$$ f\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right) =\left(1-\sqrt{2}a+1\right)e^{-1/2} =(2-\sqrt{2}a)e^{-1/2} $$
$$ f(a)=(2a^2-2a^2+1)e^{-a^2}=e^{-a^2} $$
である。
したがって、
- $t=-\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ で極大値 $(\sqrt{2}a+2)e^{-1/2}$
- $t=\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ で極小値 $(2-\sqrt{2}a)e^{-1/2}$
- $t=a$ で極大値 $e^{-a^2}$
をとる。
**(2)(b)** $f(t)$ のとり得る値の範囲
さらに、
$$ \lim_{t\to\pm\infty}f(t)=0 $$
である。
増減の様子とあわせると、$f(t)$ の最大値は
$$ (\sqrt{2}a+2)e^{-1/2} $$
最小値は
$$ (2-\sqrt{2}a)e^{-1/2} $$
である。
よって、$f(t)$ の値域は
$$ (2-\sqrt{2}a)e^{-1/2}\leqq f(t)\leqq (\sqrt{2}a+2)e^{-1/2} $$
である。
(3) 点 $(a,b)$ から曲線 $y=e^{-x^2}$ に接線を引くことができるための条件は、ある実数 $t$ が存在して $b=f(t)$ となることであった。
したがって、必要十分条件は
$$ (2-\sqrt{2}a)e^{-1/2}\leqq b\leqq (\sqrt{2}a+2)e^{-1/2} $$
である。
解説
接点を $\left(t,e^{-t^2}\right)$ とおいて接線を媒介変数 $t$ で表すのが基本方針である。
この問題の本質は、「点 $(a,b)$ を通る接線が存在するか」を、「$b$ がある関数 $f(t)$ の値として実現されるか」という値域の問題に言い換える点にある。$a>\sqrt{2}$ という条件は、$f'(t)=2(t-a)(1-2t^2)e^{-t^2}$ の符号変化を整理しやすくするために効いている。
答え
**(1)**
傾きは
$$ -2te^{-t^2} $$
$y$ 切片は
$$ (2t^2+1)e^{-t^2} $$
である。
**(2)(a)**
$$ f'(t)=2(t-a)(1-2t^2)e^{-t^2} $$
より、
$\left(-\infty,-\dfrac{1}{\sqrt{2}}\right)$ で増加
$\left(-\dfrac{1}{\sqrt{2}},\dfrac{1}{\sqrt{2}}\right)$ で減少
$\left(\dfrac{1}{\sqrt{2}},a\right)$ で増加
$(a,\infty)$ で減少
である。
極大値は
$$ f\left(-\frac{1}{\sqrt{2}}\right)=(\sqrt{2}a+2)e^{-1/2},\qquad f(a)=e^{-a^2} $$
極小値は
$$ f\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)=(2-\sqrt{2}a)e^{-1/2} $$
である。
**(2)(b)** $f(t)$ の値域は
$$ (2-\sqrt{2}a)e^{-1/2}\leqq f(t)\leqq (\sqrt{2}a+2)e^{-1/2} $$
である。
**(3)**
点 $(a,b)$ から曲線 $y=e^{-x^2}$ に接線を引くことができるための条件は
$$ (2-\sqrt{2}a)e^{-1/2}\leqq b\leqq (\sqrt{2}a+2)e^{-1/2} $$
である。