基礎問題集
数学3 微分法「接線・不等式」の問題47 解説
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解説
方針・初手
線分 $AB$ の方程式を求め,曲線 $y=\log x$ 上の点 $C(x,\log x)$ からその直線までの鉛直方向の距離
$$ CP=\log x-{\text{直線 }AB\text{ の }x\text{ における }y\text{ 座標}} $$
を $x$ の関数として表すのが初手である。
この関数は下に凸ではなく上に凸ではない,すなわち $g''(x)<0$ を満たすので,極大値は微分で処理できる。また,(3) はこの距離関数を用いて,$\log x$ と弦 $AB$ のずれを評価すればよい。
解法1
線分 $AB$ の傾きを
$$ m=\frac{\log b-\log a}{b-a} $$
とおく。すると直線 $AB$ の方程式は
$$ y=\log a+m(x-a) $$
である。
曲線 $G$ 上の点 $C$ を
$$ C=(x,\log x)\qquad (a\le x\le b) $$
とおくと,$C$ から $x$ 軸への垂線と線分 $AB$ の交点 $P$ は
$$ P=(x,\ \log a+m(x-a)) $$
であるから,
$$ CP=\log x-{\log a+m(x-a)} $$
となる。そこで
$$ g(x)=\log x-\log a-m(x-a) $$
とおくと,$CP=g(x)$ である。
(1) の証明
関数 $\log x$ に平均値の定理を用いると,ある $c\in(a,b)$ が存在して
$$ \frac{\log b-\log a}{b-a}=\frac{1}{c} $$
となる。よって
$$ \frac{b-a}{\log b-\log a}=c $$
であり,$c\in(a,b)$ だから
$$ a<\frac{b-a}{\log b-\log a}<b $$
が成り立つ。
(2) の解答
まず
$$ g'(x)=\frac{1}{x}-m,\qquad g''(x)=-\frac{1}{x^2}<0 $$
であるから,$g(x)$ は上に凸であり,極大値は $g'(x)=0$ を満たす点でとる。
$g'(x)=0$ より
$$ x=\frac{1}{m}=\frac{b-a}{\log b-\log a} $$
である。(1) によりこの値は $(a,b)$ に属するから,これが $g(x)$ の最大値を与える。したがって
$$ L=g!\left(\frac{1}{m}\right) =\log \frac{1/m}{a}-m\left(\frac{1}{m}-a\right) $$
である。
ここで $h=\dfrac{b}{a}$ とおくと,
$$ b=ah,\qquad b-a=a(h-1),\qquad \log b-\log a=\log h $$
より
$$ m=\frac{\log h}{a(h-1)} $$
である。したがって
$$ \frac{1}{m}=a\frac{h-1}{\log h} $$
となるので,
$$ L=\log \frac{h-1}{\log h} -\frac{\log h}{a(h-1)} \left(a\frac{h-1}{\log h}-a\right). $$
後半を整理すると
$$ \begin{aligned} \frac{\log h}{a(h-1)} \left(a\frac{h-1-\log h}{\log h}\right) &= \frac{h-1-\log h}{h-1} \\ 1-\frac{\log h}{h-1}. \end{aligned} $$
よって
$$ L=\log \frac{h-1}{\log h}-1+\frac{\log h}{h-1}. $$
(3) の証明
$A=\dfrac{p+q+r}{3}$ とおく。$a<p,q,r<b$ だから
$$ a<A<b $$
である。
先ほど定めた
$$ g(x)=\log x-{\log a+m(x-a)} $$
を用いる。$g(a)=g(b)=0$ であり,さらに $g''(x)<0$ だから,$a<x<b$ では
$$ g(x)>0 $$
が成り立つ。また,$g(x)$ の最大値は $L$ であるから
$$ 0<g(x)\le L \qquad (a<x<b) $$
である。
一方,$\log a+m(x-a)$ は一次関数なので,
$$ \begin{aligned} \log a+m(A-a) &= \frac{1}{3}\bigl[(\log a+m(p-a))+(\log a+m(q-a))+(\log a+m(r-a))\bigr] \end{aligned} $$
が成り立つ。したがって
$$ \begin{aligned} \log A-\frac{\log p+\log q+\log r}{3} &=\Bigl(\log A-{\log a+m(A-a)}\Bigr) \\ &\quad -\frac{1}{3}\sum_{x=p,q,r}\Bigl(\log x-{\log a+m(x-a)}\Bigr) \\ &=g(A)-\frac{g(p)+g(q)+g(r)}{3}. \end{aligned} $$
ここで $g(p),g(q),g(r)>0$ であるから,
$$ \log A-\frac{\log p+\log q+\log r}{3} < g(A) \le L $$
となる。よって
$$ \log\left(\frac{p+q+r}{3}\right)-\log\sqrt[3]{pqr}<L $$
すなわち
$$ \log\left(\frac{p+q+r}{3\sqrt[3]{pqr}}\right)<L $$
である。両辺の指数をとれば
$$ \frac{p+q+r}{3\sqrt[3]{pqr}}<e^L $$
ゆえに
$$ \frac{p+q+r}{3}<e^L\sqrt[3]{pqr} $$
が成り立つ。
解説
この問題の本質は,$\log x$ のグラフと,その2点を結ぶ弦 $AB$ との差を関数として捉えることである。
(1) は平均値の定理をそのまま使うだけで済む。これは (2) で極大値を与える点が確かに区間 $(a,b)$ に入ることを保証している。
(2) では,距離 $CP$ を $g(x)$ とおけば,$g''(x)<0$ により極大値が一意に決まる。ここで $h=b/a$ を導入すると,答えが $a,b$ に依らず比 $h$ のみで表せる。
(3) では,$\log x$ と弦 $AB$ のずれ $g(x)$ を用いると,求める不等式は 「平均値をとったときの $\log$ のずれ」が $L$ 以下であることに帰着する。一次関数部分が平均でちょうど打ち消し合うのが決定的である。
答え
**(1)**
$$ a<\frac{b-a}{\log b-\log a}<b $$
**(2)**
$h=\dfrac{b}{a}$ とすると
$$ L=\log \frac{h-1}{\log h}+\frac{\log h}{h-1}-1 $$
**(3)**
$$ \frac{p+q+r}{3}<e^L\sqrt[3]{pqr} $$
が成り立つ。