基礎問題集
数学3 微分法「接線・不等式」の問題51 解説
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解説
方針・初手
両辺の不等式を対数で扱うと、示すべきことは
$$ \alpha \log \left(1+\frac{1}{\alpha}\right)<1<\left(\alpha+\frac12\right)\log \left(1+\frac{1}{\alpha}\right) $$
となる。
ここで $t=\dfrac{1}{\alpha}(>0)$ とおけば、
$$ \log(1+t)<t $$
および
$$ \log(1+t)>\frac{2t}{2+t} $$
を示せば十分である。どちらも関数の増減を調べれば証明できる。
解法1
$t=\dfrac{1}{\alpha}(>0)$ とおくと、示すべき不等式は
$$ (1+t)^{1/t}<e<(1+t)^{1/t+1/2} $$
である。
まず左側を示す。
関数
$$ f(t)=t-\log(1+t)\qquad (t>0) $$
を考えると、
$$ f'(t)=1-\frac{1}{1+t}=\frac{t}{1+t}>0 $$
であるから、$f(t)$ は $t>0$ で増加する。さらに
$$ \lim_{t\to 0+} f(t)=0 $$
より、$t>0$ で
$$ f(t)>0 $$
すなわち
$$ \log(1+t)<t $$
が成り立つ。したがって
$$ \frac{1}{t}\log(1+t)<1 $$
であり、指数関数をとれば
$$ (1+t)^{1/t}<e $$
を得る。
次に右側を示す。
関数
$$ g(t)=\log(1+t)-\frac{2t}{2+t}\qquad (t>0) $$
を考えると、
$$ g'(t)=\frac{1}{1+t}-\frac{4}{(2+t)^2} $$
である。これを通分すると
$$ g'(t)=\frac{(2+t)^2-4(1+t)}{(1+t)(2+t)^2} =\frac{t^2}{(1+t)(2+t)^2}>0 $$
となるから、$g(t)$ は $t>0$ で増加する。さらに
$$ \lim_{t\to 0+} g(t)=0 $$
より、$t>0$ で
$$ g(t)>0 $$
すなわち
$$ \log(1+t)>\frac{2t}{2+t} $$
が成り立つ。
よって
$$ \left(\frac{1}{t}+\frac12\right)\log(1+t) > \left(\frac{1}{t}+\frac12\right)\frac{2t}{2+t} =1 $$
であるから、指数関数をとって
$$ e<(1+t)^{1/t+1/2} $$
を得る。
最後に $t=\dfrac{1}{\alpha}$ を戻せば、
$$ \left(1+\frac{1}{\alpha}\right)^\alpha <e< \left(1+\frac{1}{\alpha}\right)^{\alpha+\frac12} $$
が示された。
解説
左側の不等式は $\log(1+t)<t$、右側の不等式は $\log(1+t)>\dfrac{2t}{2+t}$ に帰着される。どちらも対数関数そのものを直接扱うより、差をとった関数を作って微分し、増減から示すのが自然である。
特に右側は少し見つけにくいが、
$$ \left(\alpha+\frac12\right)\log\left(1+\frac1\alpha\right)>1 $$
を $t=\dfrac1\alpha$ に直して整理すると、
$$ \log(1+t)>\frac{2t}{2+t} $$
という形が現れ、微分すると分子が $t^2$ となってきれいに正である。これがこの問題の要点である。
答え
$$ \left(1+\frac{1}{\alpha}\right)^\alpha <e< \left(1+\frac{1}{\alpha}\right)^{\alpha+\frac12} \qquad (\alpha>0) $$
である。