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数学3 微分法「接線・不等式」の問題53 解説

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数学3微分法接線・不等式問題53
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数学3 微分法 接線・不等式 問題53の問題画像
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解説

方針・初手

$f(x)=\sin^2 x$ とおく。

すると

$$ f'(x)=\sin 2x,\qquad f''(x)=2\cos 2x $$

である。

いま $-\dfrac{\pi}{4}<x<\dfrac{\pi}{4}$ ならば $-\dfrac{\pi}{2}<2x<\dfrac{\pi}{2}$ であるから $\cos 2x>0$ となる。したがって

$$ f''(x)>0 $$

であり、$f(x)=\sin^2 x$ は区間 $\left(-\dfrac{\pi}{4},\dfrac{\pi}{4}\right)$ で下に凸である。

この性質を用いて、まず弦がグラフの上に来ることを示し、それを (2)、(3) に用いる。

解法1

(1)

$[a,b]$ 上で、点 $(a,f(a))$ と $(b,f(b))$ を結ぶ直線を

$$ L(x)=\frac{f(b)-f(a)}{b-a}(x-a)+f(a) $$

とおく。

さらに

$$ g(x)=L(x)-f(x) $$

とおくと、

$$ g(a)=0,\qquad g(b)=0 $$

であり、また $L(x)$ は1次式なので

$$ g''(x)=-f''(x)=-2\cos 2x<0 \qquad (a<x<b) $$

となる。

よって $g'(x)$ は $(a,b)$ で単調減少する。ここで $g(a)=g(b)$ であるから、Rolle の定理より、ある $\xi\in(a,b)$ が存在して

$$ g'(\xi)=0 $$

となる。

$g'(x)$ は単調減少であるから、

である。したがって $g(x)$ は $[a,\xi]$ で増加し、$[\xi,b]$ で減少する。

しかも $g(a)=g(b)=0$ であるから、

$$ g(x)>0 \qquad (a<x<b) $$

となる。すなわち

$$ f(x)<L(x)\qquad (a<x<b) $$

であるから、

$$ \sin^2 x<\frac{\sin^2 b-\sin^2 a}{b-a}(x-a)+\sin^2 a $$

が成り立つ。

(2)

(1) の結果を $x=c$ に適用する。$a<c<b$ であるから

$$ f(c)<\frac{f(b)-f(a)}{b-a}(c-a)+f(a) $$

である。両辺から $f(a)$ を引き、$c-a>0$ で割ると

$$ \frac{f(c)-f(a)}{c-a}<\frac{f(b)-f(a)}{b-a} $$

を得る。

また同じ不等式を変形すると

$$ f(b)-f(c)>\frac{f(b)-f(a)}{b-a}(b-c) $$

であるから、$b-c>0$ で割って

$$ \frac{f(b)-f(a)}{b-a}<\frac{f(b)-f(c)}{b-c} $$

を得る。

以上より

$$ \frac{f(c)-f(a)}{c-a}<\frac{f(b)-f(a)}{b-a}<\frac{f(b)-f(c)}{b-c} $$

すなわち

$$ \frac{\sin^2 c-\sin^2 a}{c-a}<\frac{\sin^2 b-\sin^2 a}{b-a}<\frac{\sin^2 b-\sin^2 c}{b-c} $$

が成り立つ。

(3)

$$ c=(1-t)a+tb $$

とおく。$0<t<1$ であり、$a<b$ だから

$$ a<c<b $$

である。

したがって (1) を $x=c$ に適用でき、

$$ f(c)<\frac{f(b)-f(a)}{b-a}(c-a)+f(a) $$

となる。ここで

$$ c-a=(1-t)a+tb-a=t(b-a) $$

であるから、

$$ f(c)<\frac{f(b)-f(a)}{b-a},t(b-a)+f(a) $$

すなわち

$$ f(c)<t{f(b)-f(a)}+f(a)=(1-t)f(a)+tf(b) $$

である。

$c=(1-t)a+tb$ および $f(x)=\sin^2 x$ を戻せば、

$$ \sin^2\bigl((1-t)a+tb\bigr)<(1-t)\sin^2 a+t\sin^2 b $$

が成り立つ。

解説

本問の本質は、$f(x)=\sin^2 x$ が区間 $\left(-\dfrac{\pi}{4},\dfrac{\pi}{4}\right)$ で厳密に下に凸であることである。実際、

$$ f''(x)=2\cos 2x>0 $$

がこの区間で成り立つ。

(1) は「下に凸な関数のグラフは、両端を結ぶ弦より下にある」という事実そのものである。

(2) は、下に凸な関数では弦の傾きが左から右へ行くほど大きくなることを表している。

(3) は、下に凸な関数に対する Jensen 型不等式であり、(1) に $x=(1-t)a+tb$ を代入するだけで得られる。

答え

**(1)**

$$ a<x<b\ \Longrightarrow\ \sin^2 x<\frac{\sin^2 b-\sin^2 a}{b-a}(x-a)+\sin^2 a $$

**(2)**

$$ a<c<b\ \Longrightarrow\ \frac{\sin^2 c-\sin^2 a}{c-a} < \frac{\sin^2 b-\sin^2 a}{b-a} < \frac{\sin^2 b-\sin^2 c}{b-c} $$

**(3)**

$$ 0<t<1\ \Longrightarrow\ \sin^2\bigl((1-t)a+tb\bigr)<(1-t)\sin^2 a+t\sin^2 b $$

以上の3つの不等式はいずれも成り立つ。

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