基礎問題集
数学3 微分法「接線・不等式」の問題58 解説
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解説
方針・初手
正 $n$ 角形を中心 $O$ と各頂点を結ぶと、合同な二等辺三角形 $n$ 個に分けられる。したがって $A_n$ は各三角形の面積から直ちに求まる。
また、各辺の中点を結んでできる図形については、その中点が中心 $O$ から一定距離にあり、しかも中心角が等しいことを示せば、これも正 $n$ 角形であることが分かる。そこから $B_n$ を求める。
解法1
**(1)**
$A_n$ を求める。
単位円に内接する正 $n$ 角形の中心を $O$、隣り合う頂点を $P_k,P_{k+1}$ とする。すると
$$ \angle P_kOP_{k+1}=\frac{2\pi}{n} $$
であり、$OP_k=OP_{k+1}=1$ であるから、三角形 $OP_kP_{k+1}$ の面積は
$$ \frac{1}{2}\sin\frac{2\pi}{n} $$
である。
このような三角形が $n$ 個あるので、
$$ A_n=\frac{n}{2}\sin\frac{2\pi}{n} $$
となる。
**(2)**
$B_n$ を求める。
辺 $P_kP_{k+1}$ の中点を $M_k$ とする。二等辺三角形 $OP_kP_{k+1}$ において、$OM_k$ は底辺 $P_kP_{k+1}$ の中点を結ぶ線分であるから、底辺に垂直であり、さらに頂角を二等分する。したがって
$$ \angle P_kOM_k=\frac{1}{2}\angle P_kOP_{k+1}=\frac{\pi}{n} $$
である。
直角三角形 $OP_kM_k$ において $OP_k=1$ だから、
$$ OM_k=\cos\frac{\pi}{n} $$
となる。よって、すべての中点 $M_k$ は中心 $O$、半径 $\cos\frac{\pi}{n}$ の円周上にある。
さらに、$M_k$ は $\angle P_kOP_{k+1}$ の二等分線上にあり、$M_{k+1}$ は $\angle P_{k+1}OP_{k+2}$ の二等分線上にあるので、
$$ \angle M_kOM_{k+1}=\frac{2\pi}{n} $$
である。したがって $M_1,M_2,\dots,M_n$ はこの円に内接する正 $n$ 角形の頂点である。
ゆえに、その面積 $B_n$ は、半径 $\cos\frac{\pi}{n}$ の円に内接する正 $n$ 角形の面積として
$$ B_n=\frac{n}{2}\left(\cos\frac{\pi}{n}\right)^2\sin\frac{2\pi}{n} $$
である。
したがって
$$ B_n=A_n\cos^2\frac{\pi}{n} $$
とも書ける。
**(3)**
$\displaystyle \lim_{n\to\infty}B_n$ を求める。
(2) より
$$ B_n=\frac{n}{2}\cos^2\frac{\pi}{n}\sin\frac{2\pi}{n} $$
である。ここで $n\to\infty$ のとき
$$ \cos\frac{\pi}{n}\to 1,\qquad \frac{2\pi}{n}\to 0 $$
であるから、
$$ \sin\frac{2\pi}{n}\sim \frac{2\pi}{n} $$
を用いると
$$ B_n\sim \frac{n}{2}\cdot 1\cdot \frac{2\pi}{n}=\pi $$
となる。よって
$$ \lim_{n\to\infty}B_n=\pi $$
である。
**(4)**
$n\geqq 32$ のとき $\displaystyle \frac{B_n}{A_n}>\frac{99}{100}$ を示す。
(2) より
$$ \frac{B_n}{A_n}=\cos^2\frac{\pi}{n} $$
である。
ここで $x=\dfrac{\pi}{n}$ とおくと、$n\geqq 32$ だから
$$ 0<x\leqq \frac{\pi}{32} $$
である。一般に $x>0$ に対して
$$ \cos x\geqq 1-\frac{x^2}{2} $$
が成り立つので、
$$ \cos^2 x\geqq \left(1-\frac{x^2}{2}\right)^2 =1-x^2+\frac{x^4}{4}
> 1-x^2 > $$
である。したがって
$$
\frac{B_n}{A_n}=\cos^2\frac{\pi}{n}
> 1-\left(\frac{\pi}{n}\right)^2 > \geqq 1-\left(\frac{\pi}{32}\right)^2 > $$
を得る。
さらに $\pi^2<10$ より
$$ \left(\frac{\pi}{32}\right)^2<\frac{10}{1024}=\frac{5}{512}<\frac{1}{100} $$
であるから、
$$ \frac{B_n}{A_n}>1-\frac{1}{100}=\frac{99}{100} $$
となる。よって示された。
解説
面積 $A_n$ は、正 $n$ 角形を中心から $n$ 個の合同な二等辺三角形に分けるのが基本である。
$B_n$ の本質は、中点を結んでできる図形もやはり正 $n$ 角形になることである。その半径が $\cos\frac{\pi}{n}$ になるため、面積は元の正 $n$ 角形の面積に $\cos^2\frac{\pi}{n}$ を掛けた形になる。
(4) では厳密に不等式を示す必要があるので、$\cos x$ の基本的不等式
$$ \cos x\geqq 1-\frac{x^2}{2} $$
を使って下から評価するのが素直である。
答え
**(1)**
$$ A_n=\frac{n}{2}\sin\frac{2\pi}{n} $$
**(2)**
$$ B_n=\frac{n}{2}\cos^2\frac{\pi}{n}\sin\frac{2\pi}{n} $$
すなわち
$$ B_n=A_n\cos^2\frac{\pi}{n} $$
**(3)**
$$ \lim_{n\to\infty}B_n=\pi $$
**(4)**
$$ \frac{B_n}{A_n}=\cos^2\frac{\pi}{n}>\frac{99}{100}\qquad (n\geqq 32) $$
である。