基礎問題集
数学3 関数「逆関数」の問題3 解説
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解説
方針・初手
$f(x)$ は絶対値の中身 $2x-4$ の符号で場合分けする。境目は $x=2$ である。
また、(2) の不等式は $f(x),g(x)$ を具体的に代入して計算してもよいが、
$$ |2y+f(x)+g(x)|\le |f(x)-g(x)|
$$
を
$$ \left|y+\frac{f(x)+g(x)}{2}\right|\le \frac{|f(x)-g(x)|}{2}
$$
と見ると、$y$ は $-f(x)$ と $-g(x)$ の間にあることが分かる。
解法1
まず $f(x)$ を場合分けする。
$x<2$ のとき、$|2x-4|=-(2x-4)$ であるから、
$$ f(x)=-3x-(2x-4)+8=-5x+12
$$
である。
$x\geqq 2$ のとき、$|2x-4|=2x-4$ であるから、
$$ f(x)=-3x+(2x-4)+8=-x+4
$$
である。
したがって
$$ f(x)= \begin{cases} -5x+12 & (x<2),\\ -x+4 & (x\geqq 2) \end{cases}
$$
である。
この関数は全体として単調減少であり、値域は実数全体であるから逆関数をもつ。
$y=f(x)$ とおく。
$x<2$ の部分では
$$ y=-5x+12
$$
より
$$ x=\frac{12-y}{5}
$$
である。このとき $x<2$ なので、
$$ \frac{12-y}{5}<2
$$
より
$$ y>2
$$
である。
したがって、逆関数では $x>2$ の範囲で
$$ g(x)=\frac{12-x}{5}
$$
となる。
次に、$x\geqq 2$ の部分では
$$ y=-x+4
$$
より
$$ x=4-y
$$
である。このとき $x\geqq 2$ なので、
$$ 4-y\geqq 2
$$
より
$$ y\leqq 2
$$
である。
したがって、逆関数では $x\leqq 2$ の範囲で
$$ g(x)=4-x
$$
となる。
よって
$$ g(x)= \begin{cases} 4-x & (x\leqq 2),\\ \dfrac{12-x}{5} & (x>2) \end{cases}
$$
である。
次に、(2) を考える。
与えられた不等式は
$$ |2y+f(x)+g(x)|\le |f(x)-g(x)|
$$
である。両辺を $2$ で割る形に直すと、
$$ \left|y+\frac{f(x)+g(x)}{2}\right|\le \frac{|f(x)-g(x)|}{2}
$$
である。
これは、$y$ が
$$ -\frac{f(x)+g(x)}{2}
$$
を中心として、半径
$$ \frac{|f(x)-g(x)|}{2}
$$
以内にあることを表す。
したがって、$y$ は $-f(x)$ と $-g(x)$ の間にある。すなわち
$$ \min{-f(x),-g(x)}\le y\le \max{-f(x),-g(x)}
$$
である。
ここで、$x$ の範囲で場合分けする。
**(i)**
$x\leqq 2$ のとき
この範囲では
$$ f(x)=-5x+12,\qquad g(x)=4-x
$$
である。ただし $x=2$ でも両式は同じ値を与える。
したがって
$$ -f(x)=5x-12,\qquad -g(x)=x-4
$$
である。
$x\leqq 2$ のとき
$$ 5x-12\le x-4
$$
であるから、領域は
$$ 5x-12\le y\le x-4
$$
である。
**(ii)**
$x\geqq 2$ のとき
この範囲では
$$ f(x)=-x+4,\qquad g(x)=\frac{12-x}{5}
$$
である。
したがって
$$ -f(x)=x-4,\qquad -g(x)=\frac{x-12}{5}
$$
である。
$x\geqq 2$ のとき
$$ \frac{x-12}{5}\le x-4
$$
であるから、領域は
$$ \frac{x-12}{5}\le y\le x-4
$$
である。
よって求める領域は
$$ \begin{cases} x\leqq 2,\quad 5x-12\le y\le x-4,\\ x\geqq 2,\quad \dfrac{x-12}{5}\le y\le x-4 \end{cases}
$$
である。
図示するときは、境界線
$$ y=5x-12,\qquad y=x-4,\qquad y=\frac{x-12}{5}
$$
を考える。ただし、$y=5x-12$ は $x\leqq 2$ 側、$y=\dfrac{x-12}{5}$ は $x\geqq 2$ 側で用いる。いずれも境界を含むので実線で描く。
3本の境界はいずれも点
$$ (2,-2)
$$
を通る。$x\leqq 2$ では $y=5x-12$ と $y=x-4$ の間、$x\geqq 2$ では $y=\dfrac{x-12}{5}$ と $y=x-4$ の間を塗ればよい。
解説
この問題の中心は、逆関数を求める際に、元の $x$ の範囲が逆関数の定義の範囲に入れ替わる点である。
$f(x)$ は $x=2$ を境に式が変わるが、単調減少でつながっているため、逆関数は存在する。逆関数 $g(x)$ も $x=2$ を境に式が変わる。
(2) はそのまま代入して絶対値不等式を処理しても解けるが、
$$ |2y+f(x)+g(x)|\le |f(x)-g(x)|
$$
を
$$ \left|y+\frac{f(x)+g(x)}{2}\right|\le \frac{|f(x)-g(x)|}{2}
$$
と変形すると、$y$ が $-f(x)$ と $-g(x)$ の間にあるという幾何的意味が見える。この見方を使うと、領域の境界がすぐに分かる。
答え
**(1)**
$$ g(x)= \begin{cases} 4-x & (x\leqq 2),\\ \dfrac{12-x}{5} & (x>2) \end{cases}
$$
**(2)**
求める領域は
$$ \begin{cases} x\leqq 2,\quad 5x-12\le y\le x-4,\\ x\geqq 2,\quad \dfrac{x-12}{5}\le y\le x-4 \end{cases}
$$
である。