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数学3 関数「分数関数」の問題6 解説
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解説
方針・初手
$n+2$ 枚のカードの構成を整理し、取り出す組み合わせの総数 ${}_{n+2}\mathrm{C}_{k}$ を分母とする確率を考える。(1) は「$0$ を含まない」、(2) は「$2$ を $1$ 枚と $1$ を $k-1$ 枚含む」場合をそれぞれ数え上げる。(3) は (2) で得られた式を $k$ の関数とみなし、離散変数 $k$ における最大値を求める。
解法1
**(1)** $n+2$ 枚のカードから無作為に $k$ 枚を取り出すとき、その取り出し方の総数は ${}_{n+2}\mathrm{C}_{k}$ 通りである。
取り出した $k$ 枚のカードに書かれているすべての数字の積が $1$ 以上になるのは、取り出したカードの中に「$0$」が含まれない場合である。 「$0$」以外のカードは $n+1$ 枚あるため、ここから $k$ 枚を取り出すことになり、その取り出し方は ${}_{n+1}\mathrm{C}_{k}$ 通りである。 (ただし、$k=n+2$ のときは選ぶことができないため ${}_{n+1}\mathrm{C}_{n+2} = 0$ 通りとする)
したがって、求める確率は
$$ \frac{{}_{n+1}\mathrm{C}_{k}}{{}_{n+2}\mathrm{C}_{k}} = \frac{\frac{(n+1)!}{k!(n+1-k)!}}{\frac{(n+2)!}{k!(n+2-k)!}} = \frac{n+2-k}{n+2}
$$
($k=n+2$ のときも、この式は $0$ となり成立する。)
**(2)** 取り出した $k$ 枚のカードに書かれているすべての数字の積が $2$ となるのは、取り出したカードに「$0$」が含まれず、かつ「$2$」がちょうど $1$ 枚含まれる場合である。 つまり、「$2$」のカード $1$ 枚と、「$1$」のカード $n$ 枚の中から $k-1$ 枚を取り出せばよい。
この取り出し方が存在するためには、$0 \leqq k-1 \leqq n$ すなわち $1 \leqq k \leqq n+1$ である必要がある。 このとき、条件を満たすカードの取り出し方は $1 \times {}_{n}\mathrm{C}_{k-1}$ 通りである。
したがって、$1 \leqq k \leqq n+1$ のとき、
$$ \begin{aligned} Q_n(k) &= \frac{{}_{n}\mathrm{C}_{k-1}}{{}_{n+2}\mathrm{C}_{k}} \\ &= \frac{\frac{n!}{(k-1)!(n-k+1)!}}{\frac{(n+2)!}{k!(n+2-k)!}} \\ &= \frac{n!}{(k-1)!(n-k+1)!} \times \frac{k!(n+2-k)!}{(n+2)!} \\ &= \frac{k(n+2-k)}{(n+1)(n+2)} \end{aligned}
$$
また、$k=n+2$ のときは必ず「$0$」のカードが含まれるため、積が $2$ になることはなく $Q_n(n+2) = 0$ である。 上の式に $k=n+2$ を代入すると $0$ となるため、$1 \leqq k \leqq n+2$ に対して以下の式が成り立つ。
$$ Q_n(k) = \frac{k(n+2-k)}{(n+1)(n+2)}
$$
**(3)** (2) より、$Q_n(k)$ の分母 $(n+1)(n+2)$ は $k$ に依存しない一定の値である。 したがって、分子の $k$ の2次関数 $f(k) = -k^2 + (n+2)k$ が最大となる整数 $k$ ($1 \leqq k \leqq n+2$) を求めればよい。
$$ f(k) = -\left(k - \frac{n+2}{2}\right)^2 + \frac{(n+2)^2}{4}
$$
この関数は $k = \frac{n+2}{2}$ を軸とする上に凸の放物線である。 $n$ の偶奇によって軸が整数になるかどうかが変わるため、場合分けを行う。
**(i)**
$n$ が偶数のとき
$n=2m$ ($m$ は正の整数)とおける。 このとき、軸 $k = \frac{n+2}{2} = m+1$ は整数である。 したがって、$k = \frac{n+2}{2}$ のとき $f(k)$ は最大となり、$Q_n(k)$ も最大となる。 このときの最大値は、
$$ \begin{aligned} Q_n\left(\frac{n+2}{2}\right) &= \frac{\frac{n+2}{2} \cdot \left(n+2 - \frac{n+2}{2}\right)}{(n+1)(n+2)} \\ &= \frac{\frac{n+2}{2} \cdot \frac{n+2}{2}}{(n+1)(n+2)} \\ &= \frac{n+2}{4(n+1)} \end{aligned}
$$
**(ii)**
$n$ が奇数のとき
$n=2m-1$ ($m$ は正の整数)とおける。 このとき、軸 $k = \frac{n+2}{2} = m + \frac{1}{2}$ は半整数となる。 放物線の対称性から、軸に最も近い整数、すなわち $k = m$ と $k = m+1$ において $f(k)$ の値は等しくなり、最大となる。 これらを $n$ を用いて表すと、$k = \frac{n+1}{2}$ および $k = \frac{n+3}{2}$ である。 $k = \frac{n+1}{2}$ のときの最大値は、
$$ \begin{aligned} Q_n\left(\frac{n+1}{2}\right) &= \frac{\frac{n+1}{2} \cdot \left(n+2 - \frac{n+1}{2}\right)}{(n+1)(n+2)} \\ &= \frac{\frac{n+1}{2} \cdot \frac{n+3}{2}}{(n+1)(n+2)} \\ &= \frac{n+3}{4(n+2)} \end{aligned}
$$
($k = \frac{n+3}{2}$ のときも同じ値となる。)
解説
場合の数・確率における基本的な組み合わせの計算と、離散変数の最大化問題である。 (1) や (2) では、カードの構成を「$0$ が $1$ 枚」「$2$ が $1$ 枚」「$1$ が $n$ 枚」と分類し、特定の積を作るためのカードの選び方を考える。組み合わせの式中の階乗を整理する計算ミスに注意が必要である。 (3) は、得られた確率の式を2次関数と見立てて最大値を求める典型問題である。変数が整数であるため、軸の座標が整数になる場合とならない場合($n$ の偶奇)で場合分けを行う必要がある。
答え
**(1)**
$$ \frac{n+2-k}{n+2}
$$
**(2)**
$$ Q_n(k) = \frac{k(n+2-k)}{(n+1)(n+2)}
$$
**(3)**
$n$ が偶数のとき、
$$ k = \frac{n+2}{2} \text{ のとき最大値 } \frac{n+2}{4(n+1)}
$$
$n$ が奇数のとき、
$$ k = \frac{n+1}{2}, \frac{n+3}{2} \text{ のとき最大値 } \frac{n+3}{4(n+2)}
$$