基礎問題集
数学3 極限「無限級数」の問題1 解説
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解説
方針・初手
点 $A$ を原点、辺 $AB_0$ を $x$ 軸上にとって座標を置く。すると、斜辺 $AC_0$ は傾き $\tan\theta$ の直線になる。
各正方形の左上の頂点はすべて斜辺上にあるので、その条件を座標で表すと、隣り合う正方形の一辺の比 $r$ が一定であることが分かる。まずこれを求め、その後に面積の等比級数を足し合わせればよい。
解法1
$A=(0,0)$ とし、$B_0=(b,0)$ とおく。 また、$B_0C_0=1$ より $C_0=(b,1)$ である。
このとき、直線 $AC_0$ の傾きは
$$ \frac{1}{b} $$
であり、これは $\tan\theta$ に等しいから、
$$ \tan\theta=\frac{1}{b} $$
すなわち
$$ b=\cot\theta $$
である。したがって、斜辺 $AC_0$ の方程式は
$$ y=(\tan\theta)x $$
となる。
$n\geqq 1$ とし、$B_n=(x_n,0)$ とおく。 すると、$n$ 番目の正方形の一辺の長さは
$$ a_n=x_{n-1}-x_n $$
である。
また、その正方形の左上の頂点は $(x_n,a_n)$ であり、斜辺 $AC_0$ 上にあるから、
$$ a_n=(\tan\theta)x_n $$
が成り立つ。
一方で
$$ x_{n-1}=x_n+a_n $$
であるから、上式を用いると
$$ x_{n-1}=x_n+(\tan\theta)x_n=(1+\tan\theta)x_n $$
となる。よって
$$ x_n=\frac{x_{n-1}}{1+\tan\theta} $$
である。
ここで
$$ a_{n-1}=(\tan\theta)x_{n-1},\qquad a_n=(\tan\theta)x_n $$
なので、
$$ a_n =(\tan\theta)x_n =(\tan\theta)\frac{x_{n-1}}{1+\tan\theta} =\frac{a_{n-1}}{1+\tan\theta} $$
となる。したがって
$$ a_n=ra_{n-1} $$
と比較して
$$ r=\frac{1}{1+\tan\theta} $$
を得る。
次に面積を求める。$a_0=1$ であるから、
$$ a_n=r^n $$
したがって
$$ S_n=a_n^2=r^{2n} $$
である。
ここで $\theta$ は直角三角形の鋭角であるから $\tan\theta>0$ であり、
$$ 0<r=\frac{1}{1+\tan\theta}<1 $$
が成り立つ。よって無限級数は等比級数として収束し、
$$ S_1+S_2+S_3+\cdots =r^2+r^4+r^6+\cdots =\frac{r^2}{1-r^2} $$
となる。
これに $r=\dfrac{1}{1+\tan\theta}$ を代入すると、
$$ \begin{aligned} \frac{r^2}{1-r^2} &= \frac{\dfrac{1}{(1+\tan\theta)^2}} {1-\dfrac{1}{(1+\tan\theta)^2}} &= \frac{1}{(1+\tan\theta)^2-1} \end{aligned} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} S_1+S_2+S_3+\cdots &= \frac{1}{\tan^2\theta+2\tan\theta} \\ \frac{1}{\tan\theta(\tan\theta+2)} \end{aligned} $$
を得る。
解説
この問題の要点は、各正方形の左上の頂点がすべて同一直線 $AC_0$ 上にあることである。これを使うと、各正方形の一辺の長さと、その左端の $x$ 座標とが
$$ a_n=(\tan\theta)x_n $$
で結ばれ、さらに $x_{n-1}=x_n+a_n$ と合わせて等比関係が得られる。
面積そのものを直接追うより、まず一辺の長さ $a_n$ が等比数列になることを押さえるのが自然である。すると面積 $S_n=a_n^2$ も等比数列となり、無限和はすぐに処理できる。
答え
**(1)**
$$ r=\frac{1}{1+\tan\theta} $$
**(2)**
$$ \begin{aligned} S_1+S_2+S_3+\cdots &= \frac{1}{\tan\theta(\tan\theta+2)} \end{aligned} $$