基礎問題集
数学3 極限「無限級数」の問題33 解説
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解説
方針・初手
数列
$$ s_n=\alpha^n+\beta^n $$
の収束条件を、根 $\alpha,\beta$ の条件としてまず整理する。
そのうえで、$\alpha+\beta=-p,\ \alpha\beta=q$ を用いて $(p,q)$ 平面上の条件に直す。
解法1
$s_n=\alpha^n+\beta^n$ とおく。
まず、$s_n$ が収束するための $\alpha,\beta$ の条件を調べる。
1. $|\alpha|,|\beta|$ について
もし $|\alpha|>1$ または $|\beta|>1$ なら、$s_n$ は収束しない。
実際、たとえば $|\alpha|>|\beta|$ なら
$$ \frac{s_n}{\alpha^n}=1+\left(\frac{\beta}{\alpha}\right)^n \to 1 $$
となるから、$s_n$ は $\alpha^n$ と同じ振る舞いをし、収束しない。
また $|\alpha|=|\beta|>1$ で実数かつ $\alpha\neq\beta$ なら $\beta=-\alpha$ であるが、そのとき
$$ s_{2n}=\alpha^{2n}+\beta^{2n}=2\alpha^{2n} $$
となって発散する。
したがって
$$ |\alpha|\leqq 1,\qquad |\beta|\leqq 1 $$
でなければならない。
2. $-1$ は許されない
もし $\alpha=-1$ なら、$\beta$ は実数で $|\beta|\leqq 1$ である。
このとき
$$ s_n=(-1)^n+\beta^n $$
となるが、$\beta^n$ が収束しても $(-1)^n$ が振動するので、$s_n$ は収束しない。
同様に $\beta=-1$ も不可能である。
3. $1$ は一方だけなら許される
$\alpha=1,\ \beta\in(-1,1)$ なら
$$ s_n=1+\beta^n \to 1 $$
で収束する。
同様に $\beta=1,\ \alpha\in(-1,1)$ もよい。
以上より、$s_n$ が収束するための必要十分条件は
**(i)**
$\alpha,\beta\in(-1,1)$ である
または
(ii) 一方が $1$、他方が $(-1,1)$ にある
ことである。
---
4. (i) の場合を $(p,q)$ に直す
$f(x)=x^2+px+q=(x-\alpha)(x-\beta)$ とする。
$\alpha,\beta\in(-1,1)$ なら
$$ f(1)=(1-\alpha)(1-\beta)>0 $$
より
$$ 1+p+q>0 $$
また
$$ f(-1)=(1+\alpha)(1+\beta)>0 $$
より
$$ 1-p+q>0 $$
さらに相異なる2実根をもつから
$$ p^2-4q>0 $$
である。
逆に、相異なる2実根をもち、しかも
$$ 1+p+q>0,\qquad 1-p+q>0 $$
なら、放物線 $y=f(x)$ は $x=\pm 1$ でともに正であり、2つの実根はともに $(-1,1)$ の中にある。
したがって (i) は
$$ p^2-4q>0,\qquad 1+p+q>0,\qquad 1-p+q>0 $$
と同値である。
これを整理すると
$$ -2<p<2,\qquad |p|-1<q<\frac{p^2}{4} $$
となる。
---
5. (ii) の場合を $(p,q)$ に直す
一方の根が $1$、他方の根を $r\in(-1,1)$ とすると
$$ (x-1)(x-r)=x^2-(1+r)x+r $$
であるから
$$ p=-(1+r),\qquad q=r $$
よって
$$ p+q=-1,\qquad -1<q<1 $$
である。
これは $(p,q)$ 平面では
$$ q=-p-1,\qquad -2<p<0 $$
という線分である。
---
以上より、求める存在範囲は
- 開領域
$$ -2<p<2,\qquad |p|-1<q<\frac{p^2}{4} $$
- およびその左側境界のうち
$$ q=-p-1,\qquad -2<p<0 $$
を加えたものである。
解説
この問題の本質は、数列 $\alpha^n+\beta^n$ の収束が「各根の絶対値」によって決まることである。
特に重要なのは、$-1$ が根に含まれると $(-1)^n$ のために振動してしまう一方、$1$ は他方の根が $(-1,1)$ にあれば許される点である。
そのあと $(\alpha+\beta,\alpha\beta)$ を $(p,q)$ に戻せばよい。 両根が $(-1,1)$ にある条件は、$f(1)>0,\ f(-1)>0$ と判別式 $>0$ で処理できる。
答え
点 $(p,q)$ の存在範囲は
$$ -2<p<2,\qquad |p|-1<q<\frac{p^2}{4} $$
で表される開領域と、その左側境界の一部
$$ q=-p-1,\qquad -2<p<0 $$
を合わせた部分である。
すなわち、放物線
$$ q=\frac{p^2}{4} $$
の下側、折れ線
$$ q=|p|-1 $$
の上側のうち、左枝 $q=-p-1\ (-2<p<0)$ だけは含み、右枝 $q=p-1$ は含まない。