基礎問題集
数学3 極限「極限」の問題9 解説
数学3の極限「極限」にある問題9の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
分母が $(x-\pi)^2$ であるから、分子 $\sqrt{a+\cos x}-b$ も $x\to \pi$ で少なくとも $2$ 次の無限小にならなければならない。 まず $x=\pi$ を代入して分子が $0$ になる条件を求め、その後は有理化して極限を計算する。
解法1
極限
$$ \lim_{x\to \pi}\frac{\sqrt{a+\cos x}-b}{(x-\pi)^2} $$
が有限に存在するためには、分子は $x\to \pi$ で $0$ に収束しなければならない。 よって
$$ \sqrt{a+\cos \pi}-b=0 $$
すなわち
$$ \sqrt{a-1}-b=0 $$
である。
したがって
$$ b=\sqrt{a-1} $$
が必要である。
ここで両辺を有理化すると、
$$ \begin{aligned} \frac{\sqrt{a+\cos x}-b}{(x-\pi)^2} &= \frac{a+\cos x-b^2}{(x-\pi)^2\bigl(\sqrt{a+\cos x}+b\bigr)} \end{aligned} $$
となる。
上で得た条件 $b=\sqrt{a-1}$ を用いると $b^2=a-1$ だから、
$$ a+\cos x-b^2=1+\cos x $$
であり、
$$ \begin{aligned} \frac{\sqrt{a+\cos x}-b}{(x-\pi)^2} &= \frac{1+\cos x}{(x-\pi)^2\bigl(\sqrt{a+\cos x}+b\bigr)} \end{aligned} $$
となる。
次に
$$ 1+\cos x=2\cos^2\frac{x}{2} $$
を用いる。$x=\pi+h$ とおくと $h\to 0$ であり、
$$ \begin{aligned} 1+\cos x &= 1+\cos(\pi+h) \\ 1-\cos h \\ 2\sin^2\frac{h}{2} \end{aligned} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} \frac{1+\cos x}{(x-\pi)^2} &= \frac{2\sin^2\frac{h}{2}}{h^2} \\ \frac12\left(\frac{\sin\frac{h}{2}}{\frac{h}{2}}\right)^2 \to \frac12 \end{aligned} $$
となる。
したがって
$$ \begin{aligned} \lim_{x\to \pi}\frac{\sqrt{a+\cos x}-b}{(x-\pi)^2} &= \frac{\frac12}{\sqrt{a-1}+b} \end{aligned} $$
である。さらに $b=\sqrt{a-1}$ より、
$$ \sqrt{a-1}+b=2b $$
なので、
$$ \begin{aligned} \lim_{x\to \pi}\frac{\sqrt{a+\cos x}-b}{(x-\pi)^2} &= \frac{1}{4b} \end{aligned} $$
を得る。
これが $\dfrac14$ に等しいから、
$$ \frac{1}{4b}=\frac14 $$
より
$$ b=1 $$
である。すると
$$ b=\sqrt{a-1} $$
より
$$ 1=\sqrt{a-1} $$
すなわち
$$ a=2 $$
となる。
解説
分母が $(x-\pi)^2$ なので、分子もそれと同程度に小さくなる必要がある。このことから、まず $x=\pi$ で分子が $0$ になる条件を出すのが初手である。
その後は有理化すると、分子が $1+\cos x$ に整理される。ここで
$$ 1+\cos x \sim \frac{(x-\pi)^2}{2} $$
を使えば一気に極限が決まる。 この問題の本質は、「平方根の差」は有理化して扱う、という典型処理にある。
答え
$$ a=2,\qquad b=1 $$