基礎問題集
数学3 極限「極限」の問題47 解説
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解説
方針・初手
$a$ を固定して考えるのが基本である。
$a$ が決まると、$b$ は $a$ 以上 $m+1$ 以下の整数、$c$ は $a+1$ 以上 $2m$ 以下の整数であるから、$b$ の選び方と $c$ の選び方は独立に数えられる。したがって、まず固定した $a$ に対する個数を求め、それを $a$ について合計すればよい。
解法1
**(1)**
条件は
$$ 1\leqq a\leqq b\leqq 2,\qquad 1\leqq a<c\leqq 2 $$
である。
まず $a=1$ のとき、$b$ は $1,2$ の2通り、$c$ は $2$ の1通りである。したがって
$$ (a,b,c)=(1,1,2),(1,2,2) $$
の2組を得る。
次に $a=2$ のとき、$a<c\leqq 2$ を満たす $c$ は存在しない。
よって、求める組は
$$ (1,1,2),\ (1,2,2) $$
である。
**(2)**
条件は
$$ 1\leqq a\leqq b\leqq 3,\qquad 1\leqq a<c\leqq 4 $$
である。
- (i) $a=1$ のとき
$b$ は $1,2,3$ の3通り、$c$ は $2,3,4$ の3通りであるから、個数は
$$ 3\times 3=9 $$
である。
- (ii) $a=2$ のとき
$b$ は $2,3$ の2通り、$c$ は $3,4$ の2通りであるから、個数は
$$ 2\times 2=4 $$
である。
- (iii) $a=3$ のとき
$b$ は $3$ の1通り、$c$ は $4$ の1通りであるから、個数は
$$ 1\times 1=1 $$
である。
よって、それぞれの個数は
$$ a=1\text{ のもの }9\text{ 個},\quad a=2\text{ のもの }4\text{ 個},\quad a=3\text{ のもの }1\text{ 個} $$
である。
**(3)**
条件は
$$ 1\leqq a\leqq b\leqq m+1,\qquad 1\leqq a<c\leqq 2m $$
である。
$a$ を固定すると、$b$ の選び方は
$$ m+1-a+1=m+2-a $$
通り、$c$ の選び方は
$$ 2m-(a+1)+1=2m-a $$
通りである。
したがって、固定した $a$ に対する組 $(a,b,c)$ の個数は
$$ (m+2-a)(2m-a) $$
である。ゆえに
$$ M(m)=\sum_{a=1}^{m+1}(m+2-a)(2m-a) $$
となる。
これを展開すると
$$ \begin{aligned} M(m) &=\sum_{a=1}^{m+1}\left\{2m^2+4m-(3m+2)a+a^2\right\} \\ &=(m+1)(2m^2+4m)-(3m+2)\sum_{a=1}^{m+1}a+\sum_{a=1}^{m+1}a^2 \end{aligned} $$
である。ここで
$$ \sum_{a=1}^{m+1}a=\frac{(m+1)(m+2)}{2},\qquad \sum_{a=1}^{m+1}a^2=\frac{(m+1)(m+2)(2m+3)}{6} $$
を用いると
$$ \begin{aligned} M(m) &=(m+1)(2m^2+4m) -(3m+2)\frac{(m+1)(m+2)}{2} +\frac{(m+1)(m+2)(2m+3)}{6} \\ &=\frac{(m+1)(m+2)(5m-3)}{6} \end{aligned} $$
となる。
したがって
$$ M(m)=\frac{(m+1)(m+2)(5m-3)}{6} $$
である。
また、
$$ \frac{M(m)}{m^3} =\frac{(m+1)(m+2)(5m-3)}{6m^3} $$
より、$m\to\infty$ とすると各因子の最高次だけを見ればよいから
$$ \lim_{m\to\infty}\frac{M(m)}{m^3} =\frac{5}{6} $$
である。
**(4)**
$67$ は素数であり、$6$ は $67$ の倍数ではないから、$M(m)$ が $67$ の倍数であることと
$$ (m+1)(m+2)(5m-3) $$
が $67$ の倍数であることは同値である。
よって
$$ (m+1)(m+2)(5m-3)\equiv 0 \pmod{67} $$
より、次のいずれかが成り立てばよい。
$$ m+1\equiv 0\pmod{67},\qquad m+2\equiv 0\pmod{67},\qquad 5m-3\equiv 0\pmod{67} $$
前二者から
$$ m\equiv 66,\ 65 \pmod{67} $$
を得る。
また、$5^{-1}\equiv 27\pmod{67}$ であるから、
$$ 5m-3\equiv 0\pmod{67} $$
より
$$ m\equiv 3\cdot 27=81\equiv 14\pmod{67} $$
となる。
したがって最小の正の整数は
$$ m=14 $$
である。
解説
この問題の本質は、$a$ を固定すると $b$ と $c$ の取り方が独立に数えられる点にある。したがって、各 $a$ に対して
$$ (\text{$b$ の個数})\times(\text{$c$ の個数}) $$
を求めて足し合わせればよい。
(1)、(2) はその考え方の確認であり、(3) で一般化して総和に落とし込む流れである。(4) は求めた公式を合同式で処理するだけであり、$67$ が素数で $6$ と互いに素であることを使うのが要点である。
答え
**(1)**
$$ (a,b,c)=(1,1,2),\ (1,2,2) $$
**(2)**
$$ a=1\text{ のもの }9\text{ 個},\quad a=2\text{ のもの }4\text{ 個},\quad a=3\text{ のもの }1\text{ 個} $$
**(3)**
$$ M(m)=\frac{(m+1)(m+2)(5m-3)}{6} $$
$$ \lim_{m\to\infty}\frac{M(m)}{m^3}=\frac{5}{6} $$
**(4)**
$$ m=14 $$