基礎問題集
数学3 極限「極限」の問題55 解説
数学3の極限「極限」にある問題55の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
$D$ は右端を用いたリーマン和 $I_n$ と定積分との差の $1/n$ 次の項を見ている量である。
この問題では一般論を立てるよりも、各関数について $I_n$ を正確に計算し、
$$ n\left(I_n-\int_0^1 f(x),dx\right) $$
の極限を直接求めるのが最短である。多項式では和の公式を使い、$f(x)=e^x$ では等比数列の和に直す。
解法1
**(1)**
$f(x)=x^2$ のとき
$$ I_n=\sum_{k=1}^n \frac{1}{n}\left(\frac{k}{n}\right)^2 =\frac{1}{n^3}\sum_{k=1}^n k^2 $$
ここで
$$ \sum_{k=1}^n k^2=\frac{n(n+1)(2n+1)}{6} $$
より、
$$ I_n=\frac{n(n+1)(2n+1)}{6n^3} =\frac{(n+1)(2n+1)}{6n^2} =\frac{1}{3}+\frac{1}{2n}+\frac{1}{6n^2} $$
また、
$$ \int_0^1 x^2,dx=\frac{1}{3} $$
であるから、
$$ n\left(I_n-\int_0^1 x^2,dx\right) =n\left(\frac{1}{2n}+\frac{1}{6n^2}\right) =\frac{1}{2}+\frac{1}{6n} $$
したがって
$$ D=\frac{1}{2} $$
である。
**(2)**
$f(x)=x^3$ のとき
$$ I_n=\sum_{k=1}^n \frac{1}{n}\left(\frac{k}{n}\right)^3 =\frac{1}{n^4}\sum_{k=1}^n k^3 $$
ここで
$$ \sum_{k=1}^n k^3=\left(\frac{n(n+1)}{2}\right)^2 $$
より、
$$ I_n=\frac{1}{n^4}\left(\frac{n(n+1)}{2}\right)^2 =\frac{(n+1)^2}{4n^2} =\frac{1}{4}+\frac{1}{2n}+\frac{1}{4n^2} $$
また、
$$ \int_0^1 x^3,dx=\frac{1}{4} $$
であるから、
$$ n\left(I_n-\int_0^1 x^3,dx\right) =n\left(\frac{1}{2n}+\frac{1}{4n^2}\right) =\frac{1}{2}+\frac{1}{4n} $$
したがって
$$ D=\frac{1}{2} $$
である。
**(3)**
$f(x)=e^x$ のとき
$r=e^{1/n}$ とおくと、$e^{k/n}=r^k$ であるから、
$$ I_n=\frac{1}{n}\sum_{k=1}^n r^k $$
これは等比数列の和であるので、
$$ I_n=\frac{1}{n}\cdot \frac{r(r^n-1)}{r-1} =\frac{1}{n}\cdot \frac{e^{1/n}(e-1)}{e^{1/n}-1} $$
一方、
$$ \int_0^1 e^x,dx=e-1 $$
である。よって
$$ D=\lim_{n\to\infty}n\left(I_n-(e-1)\right) =(e-1)\lim_{n\to\infty}\left(\frac{e^{1/n}}{e^{1/n}-1}-n\right) $$
ここで条件より
$$ e^{1/n}=1+\frac{1}{n}+a_n,\qquad \lim_{n\to\infty}n^2a_n=\frac{1}{2} $$
と書ける。これを用いると、
$$ \begin{aligned} \frac{e^{1/n}}{e^{1/n}-1}-n &=\frac{1+\frac{1}{n}+a_n}{\frac{1}{n}+a_n}-n \\ &=\frac{1+\frac{1}{n}+a_n-n\left(\frac{1}{n}+a_n\right)}{\frac{1}{n}+a_n} \\ &=\frac{\frac{1}{n}-(n-1)a_n}{\frac{1}{n}+a_n} \\ &=\frac{1-n(n-1)a_n}{1+na_n} \end{aligned} $$
ここで $\lim n^2a_n=\dfrac12$ より
$$ \lim_{n\to\infty}na_n=0,\qquad \lim_{n\to\infty}n(n-1)a_n=\frac{1}{2} $$
である。したがって
$$ \lim_{n\to\infty}\left(\frac{e^{1/n}}{e^{1/n}-1}-n\right) =\frac{1-\frac12}{1+0} =\frac12 $$
ゆえに
$$ D=(e-1)\cdot \frac12=\frac{e-1}{2} $$
となる。
解説
右端リーマン和は、定積分よりも端点 $x=1$ 側をやや多く評価するため、この種の差は $1/n$ の大きさで残る。
実際、この3題ではいずれもその差の主項がはっきり現れ、$f(x)=x^2,\ x^3,\ e^x$ に対して
$$ D=\frac{f(1)-f(0)}{2} $$
という形になっている。ここでは一般公式を証明する必要はないが、計算結果からその傾向が読み取れる。
答え
**(1)**
$D=\dfrac{1}{2}$
**(2)**
$D=\dfrac{1}{2}$
**(3)**
$D=\dfrac{e-1}{2}$