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数学3 極限「極限」の問題59 解説

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解説

方針・初手

$\tan x$ の値が $1$ より小さいか,$1$ に等しいか,$1$ より大きいかで $\tan^n x$ の極限の振る舞いが変わる。したがって

$$ t=\tan x \quad (0\le t<\infty) $$

とおき,$t<1,\ t=1,\ t>1$ の 3 つに場合分けして $\lim_{n\to\infty}f_n(x)$ を求めるのが自然である。

解法1

$t=\tan x$ とおくと,

$$ f_n(x)=\frac{t^{2n+1}-t^n+1}{t^{2n+2}+t^{2n}+1} $$

である。

(i) $0\le x<\dfrac{\pi}{4}$ のとき

このとき $0\le t<1$ であるから,

$$ t^n\to 0,\quad t^{2n+1}\to 0,\quad t^{2n+2}\to 0,\quad t^{2n}\to 0 \qquad (n\to\infty) $$

となる。よって

$$ \lim_{n\to\infty}f_n(x) =\frac{0-0+1}{0+0+1} =1 $$

である。

(ii) $x=\dfrac{\pi}{4}$ のとき

このとき $t=\tan \dfrac{\pi}{4}=1$ であるから,

$$ f_n!\left(\frac{\pi}{4}\right) =\frac{1-1+1}{1+1+1} =\frac13 $$

である。したがって

$$ \lim_{n\to\infty}f_n!\left(\frac{\pi}{4}\right)=\frac13 $$

である。

(iii) $\dfrac{\pi}{4}<x<\dfrac{\pi}{2}$ のとき

このとき $t>1$ である。分子・分母を $t^{2n}$ で割ると,

$$ f_n(x)=\frac{t-t^{-n}+t^{-2n}}{t^2+1+t^{-2n}} $$

となる。ここで $t>1$ なので $t^{-n}\to 0,\ t^{-2n}\to 0$ であり,

$$ \lim_{n\to\infty}f_n(x) =\frac{t}{t^2+1} $$

を得る。$t=\tan x$ に戻すと,

$$ \frac{\tan x}{1+\tan^2 x} =\frac{\sin x}{\cos x}\cdot \cos^2 x =\sin x\cos x $$

であるから,

$$ \lim_{n\to\infty}f_n(x)=\sin x\cos x \qquad \left(\frac{\pi}{4}<x<\frac{\pi}{2}\right) $$

となる。

以上より,極限関数 $f(x)$ は

$$ f(x)=\lim_{n\to\infty}f_n(x) = \begin{cases} 1 & \left(0\le x<\dfrac{\pi}{4}\right),\\[1mm] \dfrac13 & \left(x=\dfrac{\pi}{4}\right),\\[1mm] \sin x\cos x & \left(\dfrac{\pi}{4}<x<\dfrac{\pi}{2}\right) \end{cases} $$

である。

次にグラフの概形を考える。

$0\le x<\dfrac{\pi}{4}$ では $y=1$ という水平線である。したがって $(0,1)$ を通り,$\left(\dfrac{\pi}{4},1\right)$ には点をとらない。

$x=\dfrac{\pi}{4}$ では

$$ f!\left(\frac{\pi}{4}\right)=\frac13 $$

であるから,$\left(\dfrac{\pi}{4},\dfrac13\right)$ に孤立した点を打つ。

また $\dfrac{\pi}{4}<x<\dfrac{\pi}{2}$ では

$$ y=\sin x\cos x=\frac12\sin 2x $$

である。$2x\in\left(\dfrac{\pi}{2},\pi\right)$ なので $\sin 2x$ は単調減少し,この部分のグラフは

$$ \left(\frac{\pi}{4},\frac12\right) $$

から始まる形で右下がりに減少し,$x\to\dfrac{\pi}{2}-0$ のとき $y\to 0$ となる。ただし $x=\dfrac{\pi}{2}$ は定義域に含まれないので,$\left(\dfrac{\pi}{2},0\right)$ は点をとらない。

解説

この問題の本質は,$\tan^n x$ の極限が $\tan x$ の大小によってまったく異なることである。したがって $\tan x=1$,すなわち $x=\dfrac{\pi}{4}$ が境目になる。

特に $\dfrac{\pi}{4}<x<\dfrac{\pi}{2}$ では,そのままでは分子・分母が発散する形に見えるが,最高次の $t^{2n}$ で割れば極限がすぐに見える。そこで得られる

$$ \frac{\tan x}{1+\tan^2 x}=\sin x\cos x $$

という変形も重要である。

グラフでは,左側が $y=1$ の水平線,右側が $y=\sin x\cos x$ の曲線であり,$x=\dfrac{\pi}{4}$ において値だけが $\dfrac13$ になる点に注意する必要がある。

答え

$$ \lim_{n\to\infty}f_n(x) = \begin{cases} 1 & \left(0\le x<\dfrac{\pi}{4}\right),\\[1mm] \dfrac13 & \left(x=\dfrac{\pi}{4}\right),\\[1mm] \sin x\cos x & \left(\dfrac{\pi}{4}<x<\dfrac{\pi}{2}\right) \end{cases} $$

したがってグラフの概形は,$0\le x<\dfrac{\pi}{4}$ で水平線 $y=1$,点 $\left(\dfrac{\pi}{4},\dfrac13\right)$ をとり,$\dfrac{\pi}{4}<x<\dfrac{\pi}{2}$ では $y=\sin x\cos x=\dfrac12\sin 2x$ の枝となる。右側の枝は $\left(\dfrac{\pi}{4},\dfrac12\right)$ に近づいて始まり,$x\to\dfrac{\pi}{2}-0$ で $0$ に近づく。

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