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数学3 極限「極限」の問題60 解説

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解説

方針・初手

方程式の解の和と積

$$ \alpha+\beta=2p,\qquad \alpha\beta=-1 $$

を使う。とくに

$$ \alpha^2=2p\alpha+1,\qquad \beta^2=2p\beta+1 $$

から、数列 $a_n=\alpha^n+\beta^n$ が漸化式

$$ a_{n+2}=2p,a_{n+1}+a_n $$

を満たすことが分かる。(1) はこれで整数性と偶奇を示す。(2) は (1) の結果を用いて $\sin(\pi\alpha^n)$ を $\beta^n$ で書き換え、さらに $\beta=-1/\alpha$ を使って極限を求める。

解法1

まず、$\alpha,\beta$ は $x^2-2px-1=0$ の2解であるから、解と係数の関係より

$$ \alpha+\beta=2p,\qquad \alpha\beta=-1 $$

である。

また、$|\alpha|>1$ と $\alpha\beta=-1$ より $|\beta|<1$ である。

(1) $\alpha^n+\beta^n$ が整数かつ偶数であること

$a_n=\alpha^n+\beta^n$ とおく。

$\alpha,\beta$ はともに $x^2-2px-1=0$ を満たすので

$$ \alpha^2=2p\alpha+1,\qquad \beta^2=2p\beta+1 $$

である。両辺にそれぞれ $\alpha^n,\beta^n$ を掛けると

$$ \alpha^{n+2}=2p\alpha^{n+1}+\alpha^n,\qquad \beta^{n+2}=2p\beta^{n+1}+\beta^n $$

となる。よって加え合わせて

$$ a_{n+2}=2p,a_{n+1}+a_n $$

を得る。

初期値は

$$ a_0=\alpha^0+\beta^0=2,\qquad a_1=\alpha+\beta=2p $$

であり、いずれも整数で、しかも偶数である。

ここで $a_n,a_{n+1}$ が整数なら $a_{n+2}=2p,a_{n+1}+a_n$ も整数であるから、数学的帰納法によりすべての $n\geqq 0$ について $a_n$ は整数である。

さらに $a_n,a_{n+1}$ が偶数なら $2p,a_{n+1}+a_n$ も偶数であるから、同様に数学的帰納法によりすべての $n\geqq 0$ について $a_n$ は偶数である。

したがって、すべての正の整数 $n$ に対し

$$ \alpha^n+\beta^n=a_n $$

は整数であり、さらに偶数である。

(2) $\displaystyle \lim_{n\to\infty}(-\alpha)^n\sin(\alpha^n\pi)$

(1) より、各 $n$ に対して $\alpha^n+\beta^n$ は偶数である。これを $2m_n$ と書けば

$$ \alpha^n=2m_n-\beta^n $$

であるから、

$$ \sin(\pi\alpha^n)=\sin(2m_n\pi-\pi\beta^n)=-\sin(\pi\beta^n) $$

となる。したがって

$$ (-\alpha)^n\sin(\pi\alpha^n) =-(-\alpha)^n\sin(\pi\beta^n) $$

を得る。

ここで $\alpha\beta=-1$ より

$$ \beta=-\frac{1}{\alpha} $$

であるから、

$$ \beta^n=\left(-\frac{1}{\alpha}\right)^n,\qquad (-\alpha)^n=\frac{1}{\beta^n} $$

が成り立つ。よって

$$ (-\alpha)^n\sin(\pi\alpha^n) =-\frac{\sin(\pi\beta^n)}{\beta^n} =-\pi\cdot \frac{\sin(\pi\beta^n)}{\pi\beta^n} $$

となる。

$|\beta|<1$ なので $\beta^n\to 0$ である。したがって

$$ \frac{\sin(\pi\beta^n)}{\pi\beta^n}\to 1 \qquad (n\to\infty) $$

より、

$$ \lim_{n\to\infty}(-\alpha)^n\sin(\pi\alpha^n) =-\pi $$

である。

解説

この問題の要点は、$\alpha,\beta$ を直接扱うよりも $a_n=\alpha^n+\beta^n$ という数列にまとめることである。$\alpha,\beta$ が同じ2次方程式の解である以上、各べきにも同じ係数の線形漸化式が入る。これにより整数性と偶奇が一気に処理できる。

(2) では、(1) で得た「$\alpha^n+\beta^n$ は偶数」という事実が決定的である。これによって $\alpha^n$ を「偶数 $-\beta^n$」と見られ、三角関数の周期性から $\sin(\pi\alpha^n)$ を小さい量 $\beta^n$ で表せる。最後は $\beta=-1/\alpha$ と $\sin x\sim x$ を用いる典型的な極限計算になる。

答え

**(1)**

すべての正の整数 $n$ に対して、$\alpha^n+\beta^n$ は整数であり、さらに偶数である。

**(2)**

$$ \lim_{n\to\infty}(-\alpha)^n\sin(\alpha^n\pi)=-\pi $$

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