基礎問題集
数学3 極限「極限」の問題61 解説
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解説
方針・初手
外接する小円の中心は,すべて半径 $1+\dfrac{1}{n}$ の円周上に並ぶ。したがって,問題は
「半径 $1+\dfrac{1}{n}$ の円周上に,隣り合う点の距離が少なくとも $\dfrac{2}{n}$ となるように点をいくつ置けるか」
という問題に言い換えられる。
そこで,小円の中心どうしが作る中心角の最小値を求め,その角度で円周 $2\pi$ を割ればよい。
解法1
半径 $1$ の円の中心を $O$ とする。小円の半径は $\dfrac{1}{n}$ であるから,小円の中心はすべて半径
$$ 1+\frac{1}{n}=\frac{n+1}{n} $$
の円周上にある。
いま,隣り合う2つの小円の中心を $P,Q$ とし,
$$ \angle POQ=\theta $$
とする。
このとき,三角形 $POQ$ は二等辺三角形であり,
$$ OP=OQ=\frac{n+1}{n} $$
であるから,弦の長さ $PQ$ は
$$ PQ=2\cdot \frac{n+1}{n}\sin\frac{\theta}{2} $$
である。
小円どうしが重なり合わないための条件は,中心間距離が少なくとも半径の和 $\dfrac{2}{n}$ 以上であることである。したがって
$$ 2\cdot \frac{n+1}{n}\sin\frac{\theta}{2}\ge \frac{2}{n} $$
すなわち
$$ \sin\frac{\theta}{2}\ge \frac{1}{n+1} $$
となる。よって
$$ \theta \ge 2\arcsin\frac{1}{n+1} $$
である。
ここで,半径 $1$ の円に外接する小円を $m$ 個置けたとする。中心を円周上に順に並べると,隣り合う中心角の和は $2\pi$ であり,各中心角は少なくとも $2\arcsin\dfrac{1}{n+1}$ だから,
$$ m\cdot 2\arcsin\frac{1}{n+1}\le 2\pi $$
となる。したがって
$$ m\le \frac{\pi}{\arcsin\frac{1}{n+1}} $$
である。ゆえに
$$ a_n\le \left\lfloor \frac{\pi}{\arcsin\frac{1}{n+1}} \right\rfloor $$
を得る。
逆に,
$$ m=\left\lfloor \frac{\pi}{\arcsin\frac{1}{n+1}} \right\rfloor $$
とおき,小円の中心を半径 $\dfrac{n+1}{n}$ の円周上に等間隔に配置する。このとき隣り合う中心角は $\dfrac{2\pi}{m}$ である。
$m\le \dfrac{\pi}{\arcsin\frac{1}{n+1}}$ より
$$ \frac{2\pi}{m}\ge 2\arcsin\frac{1}{n+1} $$
であるから,隣り合う中心間距離は少なくとも $\dfrac{2}{n}$ となり,小円どうしは重ならない。したがってこの $m$ 個は実際に配置できる。
よって
$$ a_n=\left\lfloor \frac{\pi}{\arcsin\frac{1}{n+1}} \right\rfloor $$
である。
あとは極限を求めればよい。$x\to 0$ のとき $\arcsin x\sim x$ を用いると,
$$ \begin{aligned} \frac{1}{n}\cdot \frac{\pi}{\arcsin\frac{1}{n+1}} &= \pi\cdot \frac{n+1}{n}\cdot \frac{\frac{1}{n+1}}{\arcsin\frac{1}{n+1}} \longrightarrow \pi \end{aligned} $$
となる。
また,床関数の性質より
$$ \frac{\pi}{\arcsin\frac{1}{n+1}}-1<a_n\le \frac{\pi}{\arcsin\frac{1}{n+1}} $$
であるから,両辺を $n$ で割ると
$$ \frac{1}{n}\left(\frac{\pi}{\arcsin\frac{1}{n+1}}-1\right) < \frac{a_n}{n} \le \frac{1}{n}\cdot \frac{\pi}{\arcsin\frac{1}{n+1}} $$
となる。左右はいずれも $\pi$ に収束するので,はさみうちの原理より
$$ \lim_{n\to\infty}\frac{a_n}{n}=\pi $$
である。
解説
円周上の配置問題なので,長さそのものを見るより「隣り合う中心角の最小値」を求めるのが本筋である。
大まかには,
$$ \frac{\text{外側の円周の長さ}}{\text{小円の直径}} \approx \frac{2\pi}{2/n} =\pi n $$
となるので,極限が $\pi$ になりそうだと見当がつく。ただし厳密には円周長だけでは足りず,中心角による評価で最大個数を確定させる必要がある。
答え
$$ a_n=\left\lfloor \frac{\pi}{\arcsin\frac{1}{n+1}} \right\rfloor, \qquad \lim_{n\to\infty}\frac{a_n}{n}=\pi $$