基礎問題集
数学3 極限「確率・極限」の問題7 解説
数学3の極限「確率・極限」にある問題7の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
第1回戦が終わった直後の状態に注目する。
この時点では、AまたはBのどちらかが1勝しており、次はその勝者とCが対戦する。以後は
- その勝者がCにも勝てば、2連勝で優勝
- Cが勝てば、次はCともう一方のAまたはBが対戦する
という流れになる。
したがって、「直前の勝者がAまたはBで、次にCと対戦する状態」を基準状態として、その後の3試合の流れを整理すると、(2)(3)(4) はまとめて処理できる。
解法1
**(1)**
第4回戦で優勝者が決まるためには、第2回戦でも第3回戦でも優勝者が決まってはならない。
第1回戦はA対Bであるから、その勝者を仮にA、敗者をBとして考えると、第2回戦はA対Cである。
- 第2回戦でAが勝つと、Aが2連勝して第2回戦で終了する。
- よって第2回戦ではCが勝たねばならない。
このとき勝者列は
$$ A,\ C $$
となる。
次に第3回戦はC対Bである。
- 第3回戦でCが勝つと、Cが2連勝して第3回戦で終了する。
- よって第3回戦ではBが勝たねばならない。
したがって、ここまでの勝者列は
$$ A,\ C,\ B $$
となる。
第4回戦はB対Aであり、第4回戦で優勝者が決まるには、Bが再び勝って2連勝すればよい。したがって
$$ A C B B $$
が1つの列である。
同様に、第1回戦でBが勝った場合には
$$ B C A A $$
となる。
よって、第4回戦で優勝者が決まる場合の勝者列は
$$ ACBB,\quad BCAA $$
の2通りである。
**(2)**
第1回戦終了直後の状態を基準状態とする。すなわち、「AまたはBのどちらかが1勝しており、次はその勝者とCが対戦する状態」である。
この基準状態から見て、
- 次の1試合で優勝が決まる確率は、Cが負ける確率なので $1-p$
- 次の2試合で優勝が決まる確率は、Cが2連勝する確率なので $p^2$
- 次の3試合で優勝が決まる確率は、まずCが勝ち、次にCが負け、その次のA対Bで直前の勝者が勝つ確率だから
$$ p(1-p)\cdot \frac12 $$
である。
第1回戦は必ず行われるので、これをそのまま $F_2,F_3,F_4$ に対応させれば
$$ F_2=1-p,\qquad F_3=p^2,\qquad F_4=\frac{p(1-p)}{2} $$
である。
**(3)**
基準状態から3試合進んでも優勝者が決まらず、再び同じ基準状態に戻る場合を考える。
それは
- Cが第1試合に勝つ確率 $p$
- その次にCが負ける確率 $1-p$
- さらにその次のA対Bで直前の勝者が負ける確率 $\dfrac12$
を掛け合わせたものであるから、その確率は
$$ r=\frac{p(1-p)}{2} $$
である。
さて、第 $3n$ 回戦で優勝者が決まるためには、
- まず第1回戦後の基準状態から、優勝者が決まらない3試合の流れを $n-1$ 回繰り返し
- その次の基準状態から2試合で優勝者が決まる
ことが必要十分である。
後半2試合で優勝者が決まる確率は、上で求めたように $p^2$ である。したがって
$$ F_{3n}=r^{,n-1}p^2 =\left(\frac{p(1-p)}{2}\right)^{n-1}p^2 \qquad (n\ge 2) $$
となる。
**(4)**
(3) より
$$ F_{3n}=p^2\left(\frac{p(1-p)}{2}\right)^{n-1} \qquad (n\ge 1) $$
とみなせる。ここで
$$ 0<p<1 $$
より
$$ 0<\frac{p(1-p)}{2}<1 $$
であるから、等比級数の和を用いて
$$ \begin{aligned} \sum_{n=1}^{\infty}F_{3n} &= p^2\sum_{n=1}^{\infty}\left(\frac{p(1-p)}{2}\right)^{n-1} \\ \frac{p^2}{1-\frac{p(1-p)}{2}} \end{aligned} $$
となる。整理して
$$ \begin{aligned} \sum_{n=1}^{\infty}F_{3n} &= \frac{2p^2}{2-p+p^2} \end{aligned} $$
を得る。
解説
この問題の要点は、各選手そのものを追うよりも、「直前の勝者がAまたはBで、次にCと戦う」という状態に注目することである。
この状態から先は、
- 1試合後に終わる
- 2試合後に終わる
- 3試合後に終わる
- 3試合後に同じ状態へ戻る
の4通りに分かれる。したがって、確率の計算が等比的な構造を持つことが見抜ける。
特に (3) では、個々の試合を長々と追うのではなく、「3試合で元の状態に戻る確率」を先に求めるのが決定的である。
答え
**(1)**
第4回戦で優勝者が決まる場合の勝者列は
$$ ACBB,\quad BCAA $$
である。
**(2)**
$$ F_2=1-p,\qquad F_3=p^2,\qquad F_4=\frac{p(1-p)}{2} $$
**(3)**
$$ F_{3n}=\left(\frac{p(1-p)}{2}\right)^{n-1}p^2 \qquad (n\ge 2) $$
**(4)**
$$ \begin{aligned} \sum_{n=1}^{\infty}F_{3n} &= \frac{2p^2}{2-p+p^2} \end{aligned} $$