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数学3 極限「確率・極限」の問題13 解説
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解説
方針・初手
各人が勝つのは、ある一定の並びの失敗が続いたあとでその人が成功するときである。したがって、各人が勝つ確率は等比級数として表せる。
特に、1周期ごとに「全員失敗して初期状態に戻る」構造を見抜くと計算が整理しやすい。
解法1
**(1)**
試行順は $A,B,A,B,\dots$ である。
A が勝つのは
- 1回目に A が成功するとき
- 1周期目では両者失敗し、2周期目の A が成功するとき
- さらに同様に続くとき
であるから、
$$ P(A\text{が勝つ})=p+q^2p+q^4p+\cdots $$
となる。ここで $0<q<1$ なので等比級数の和より
$$ P(A\text{が勝つ})=\frac{p}{1-q^2} $$
である。
同様に、B が勝つのは、まず A が失敗し、そのあと B が成功するときであるから、
$$ P(B\text{が勝つ})=qp+q^3p+q^5p+\cdots $$
よって
$$ P(B\text{が勝つ})=\frac{qp}{1-q^2} $$
である。
したがって
$$ P(A\text{が勝つ})-P(B\text{が勝つ}) =\frac{p-qp}{1-q^2} =\frac{p(1-q)}{1-q^2} =\frac{p^2}{1-q^2}>0 $$
となる。
よって、$p$ の値によらず常に
$$ P(A\text{が勝つ})>P(B\text{が勝つ}) $$
であり、ゲームは A に有利である。
**(2)**
試行順は $A,B,B,A,B,B,\dots$ である。
このとき 1周期は $ABB$ の3回であり、1周期で全員失敗する確率は $q^3$ である。
A が勝つのは、何周期か全員失敗したあと、その周期の最初の A が成功するときであるから、
$$ P(A\text{が勝つ})=p+q^3p+q^6p+\cdots $$
よって
$$ P(A\text{が勝つ})=\frac{p}{1-q^3} $$
である。
一方、B が勝つのは、その周期の A が失敗したあと、B の1回目または2回目で成功するときである。したがって
$$ P(B\text{が勝つ}) =(qp+q^2p)+q^3(qp+q^2p)+q^6(qp+q^2p)+\cdots $$
となるので、
$$ P(B\text{が勝つ}) =\frac{p(q+q^2)}{1-q^3} $$
である。
ゲームが公平であるための条件は
$$ P(A\text{が勝つ})=P(B\text{が勝つ}) $$
すなわち
$$ \frac{p}{1-q^3}=\frac{p(q+q^2)}{1-q^3} $$
である。ここで $0<p<1$ より $p\neq 0$ なので、
$$ 1=q+q^2 $$
を得る。
$q=1-p$ を用いて $p$ で表すと
$$ 1=(1-p)+(1-p)^2 $$
$$ p^2-3p+1=0 $$
となるから、
$$ p=\frac{3\pm\sqrt{5}}{2} $$
を得る。このうち $0<p<1$ を満たすのは
$$ p=\frac{3-\sqrt{5}}{2} $$
のみである。
したがって、ゲームが公平になるのは
$$ p=\frac{3-\sqrt{5}}{2} $$
のときである。
**(3)**
(2) においてゲームが公平であるとき、
$$ 1=q+q^2 $$
が成り立つ。したがって
$$ 1-q^2=q $$
であるから、
$$ q=\frac{q^2}{1-q^2} $$
を得る。
ここで $0<q<1$ なので、等比級数の和の公式より
$$ \frac{q^2}{1-q^2}=q^2+q^4+q^6+\cdots $$
である。ゆえに
$$ q=q^2+q^4+q^6+\cdots $$
が成り立つ。
解説
この問題の本質は、「1周期が全部失敗すると同じ状態に戻る」という繰り返し構造にある。そのため、各人が勝つ確率は等比級数で表せる。
(1) では、A は常に B より1回先に試行できるので、その先手の利がそのまま確率の差として現れる。
(2) では、B は1周期内に2回試せるため有利に見えるが、A には毎周期最初に試せる利点がある。公平条件を立てると $q+q^2=1$ という単純な式に帰着する。
(3) は (2) の公平条件 $1-q^2=q$ を、等比級数の和に結びつけるだけでよい。
答え
**(1)**
$$ P(A\text{が勝つ})=\frac{p}{1-q^2},\qquad P(B\text{が勝つ})=\frac{qp}{1-q^2} $$
より
$$ P(A\text{が勝つ})>P(B\text{が勝つ}) $$
である。したがって、ゲームは常に A に有利である。
**(2)**
公平条件は
$$ 1=q+q^2 $$
であり、これを $p$ で表すと
$$ p^2-3p+1=0 $$
したがって
$$ p=\frac{3-\sqrt{5}}{2} $$
のときに限り公平である。
**(3)**
公平のとき $1=q+q^2$ すなわち $1-q^2=q$ であるから、
$$ q=\frac{q^2}{1-q^2}=q^2+q^4+q^6+\cdots $$
が成り立つ。