基礎問題集
数学3 極限「確率・極限」の問題18 解説
数学3の極限「確率・極限」にある問題18の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
$X_n$ がある整数で割り切れるかどうかは、$n$ 個の出目の中にその整数の素因数がそろうかどうかで判定できる。
したがって、
- $3$ で割り切れるかどうかは、出目に $3,6$ のいずれかが少なくとも1回現れるか
- $2$ で割り切れるかどうかは、出目に偶数 $2,4,6$ のいずれかが少なくとも1回現れるか
を考えればよい。
また、$6$ で割り切れるかどうかは、$2$ と $3$ の両方で割り切れることと同値であるから、その余事象を包除原理で求める。
解法1
まず、$X_n$ が $3$ で割り切れるためには、$n$ 回の出目の中に $3$ の倍数である $3,6$ が少なくとも1回現れればよい。
1回の試行で $3$ の倍数が出ない確率は
$$ \frac{4}{6}=\frac{2}{3} $$
であるから、$n$ 回とも $3$ の倍数が出ない確率は
$$ \left(\frac{2}{3}\right)^n $$
である。したがって、$X_n$ が $3$ で割り切れる確率は
$$ 1-\left(\frac{2}{3}\right)^n $$
である。
よって、(ア) は
$$ 1-\left(\frac{2}{3}\right)^n $$
である。
次に、$X_n$ が $2$ で割り切れるためには、$n$ 回の出目の中に偶数 $2,4,6$ が少なくとも1回現れればよい。
1回の試行で偶数が出ない確率は
$$ \frac{3}{6}=\frac{1}{2} $$
であるから、$n$ 回とも奇数である確率は
$$ \left(\frac{1}{2}\right)^n $$
である。したがって、$X_n$ が $2$ で割り切れる確率は
$$ 1-\left(\frac{1}{2}\right)^n $$
である。
よって、(イ) は
$$ 1-\left(\frac{1}{2}\right)^n $$
である。
---
さらに、$X_n$ が $6$ で割り切れる確率を $p_n$ とする。
$X_n$ が $6$ で割り切れないのは、
- 偶数が1回も出ない
- $3$ の倍数が1回も出ない
の少なくとも一方が起こるときである。
ここで、
- 偶数が1回も出ない事象を $A$
- $3$ の倍数が1回も出ない事象を $B$
とおく。
すると
$$ 1-p_n=P(A\cup B) $$
である。
それぞれの確率は
$$ P(A)=\left(\frac{1}{2}\right)^n,\qquad P(B)=\left(\frac{2}{3}\right)^n $$
である。
また、$A\cap B$ は「偶数でもなく、$3$ の倍数でもない目」だけが出る場合であり、該当する出目は $1,5$ の2通りであるから、
$$ P(A\cap B)=\left(\frac{2}{6}\right)^n=\left(\frac{1}{3}\right)^n $$
である。
したがって、包除原理より
$$ \begin{aligned} 1-p_n &= \left(\frac{1}{2}\right)^n + \left(\frac{2}{3}\right)^n &= \\ \left(\frac{1}{3}\right)^n \end{aligned} $$
となる。
ここで $\left(\frac{2}{3}\right)^n$ をくくると、
$$ \begin{aligned} 1-p_n &= \left(\frac{2}{3}\right)^n \left\{ 1+\left(\frac{3}{4}\right)^n-\left(\frac{1}{2}\right)^n \right\} \end{aligned} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} \log(1-p_n) &= n\log\frac{2}{3} + \log\left\{ 1+\left(\frac{3}{4}\right)^n-\left(\frac{1}{2}\right)^n \right\} \end{aligned} $$
となる。これを $n$ で割ると、
$$ \begin{aligned} \frac{1}{n}\log(1-p_n) &= \log\frac{2}{3} + \frac{1}{n} \log\left\{ 1+\left(\frac{3}{4}\right)^n-\left(\frac{1}{2}\right)^n \right\} \end{aligned} $$
を得る。
$n\to\infty$ のとき
$$ \left(\frac{3}{4}\right)^n\to 0,\qquad \left(\frac{1}{2}\right)^n\to 0 $$
より、
$$ \log\left\{ 1+\left(\frac{3}{4}\right)^n-\left(\frac{1}{2}\right)^n \right\}\to \log 1=0 $$
である。したがって第2項は $0$ に収束し、
$$ \lim_{n\to\infty}\frac{1}{n}\log(1-p_n)=\log\frac{2}{3} $$
となる。
よって、(ウ) は
$$ \log\frac{2}{3} $$
である。
解説
この問題では、積そのものを直接扱う必要はない。
積が $2$ や $3$ で割り切れるかどうかは、各回の出目の中に必要な素因数をもつ目が1回でも出たかどうかに言い換えるのが基本である。
また、$6$ で割り切れない確率を考えると、「偶数が出ない」「$3$ の倍数が出ない」という2つの事象の和事象になるので、包除原理を用いるのが自然である。極限では、指数関数的に減少する項のうち、最も減少が遅い $\left(\frac{2}{3}\right)^n$ が支配的になることがポイントである。
答え
$$ \text{(ア)};1-\left(\frac{2}{3}\right)^n,\qquad \text{(イ)};1-\left(\frac{1}{2}\right)^n,\qquad \text{(ウ)};\log\frac{2}{3} $$