基礎問題集
数学3 極限「確率・極限」の問題21 解説
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解説
方針・初手
和が $4$ の倍数であるかどうかは、和を $4$ で割った余りだけを見ればよい。
各回に出る数を $4$ で割った余りに注目すると、
- 余り $0$ となる数は $4$ のみで $1$ 個
- 余り $1,2,3$ となる数はそれぞれ $2$ 個ずつ
である。したがって、1回の試行で加わる余りの確率は
$$ 0:\frac17,\qquad 1:\frac27,\qquad 2:\frac27,\qquad 3:\frac27 $$
となる。
この対称性を用いて、和の余りが $0$ である確率 $p_n$ と、余りが $1,2,3$ である確率の関係を立てるのが初手である。
解法1
$n$ 回の試行で得られた数の和を $S_n$ とする。すると
$$ p_n=P(S_n\equiv 0 \pmod 4) $$
である。
(1) $p_1,\ p_2$ を求める
まず $p_1$ は、1回だけ引いてその数が $4$ の倍数になる確率であるから、
$$ p_1=\frac17 $$
である。
次に $p_2$ を求める。2回の和が $4$ の倍数となるのは、各回の余りの組が
$$ (0,0),\ (1,3),\ (2,2),\ (3,1) $$
のときである。
したがって
$$ p_2=\frac17\cdot\frac17+\frac27\cdot\frac27+\frac27\cdot\frac27+\frac27\cdot\frac27 $$
より、
$$ p_2=\frac{1+4+4+4}{49}=\frac{13}{49} $$
となる。
(2) $p_{n+1}$ を $p_n$ で表す
余り $1,2,3$ となる確率をそれぞれ
$$ P(S_n\equiv 1\pmod 4),\quad P(S_n\equiv 2\pmod 4),\quad P(S_n\equiv 3\pmod 4) $$
とすると、1回の試行で加わる余り $1,2,3$ の確率は等しいので、初期状態 $S_0\equiv 0\pmod 4$ から出発すれば、各段階でも余り $1,2,3$ の確率は等しい。
そこで、その共通の値を $q_n$ とおくと、
$$ p_n+3q_n=1 $$
である。
$n+1$ 回後の和が $4$ の倍数になるのは、次の4通りである。
- $n$ 回後の余りが $0$ で、次に余り $0$ を加える
- $n$ 回後の余りが $1$ で、次に余り $3$ を加える
- $n$ 回後の余りが $2$ で、次に余り $2$ を加える
- $n$ 回後の余りが $3$ で、次に余り $1$ を加える
よって
$$ p_{n+1}=\frac17p_n+\frac27q_n+\frac27q_n+\frac27q_n $$
すなわち
$$ p_{n+1}=\frac17p_n+\frac67q_n $$
である。ここで $q_n=\dfrac{1-p_n}{3}$ を代入すると、
$$ \begin{aligned} p_{n+1} &=\frac17p_n+\frac67\cdot \frac{1-p_n}{3} \\ &=\frac17p_n+\frac27(1-p_n) \\ &=\frac{2-p_n}{7} \end{aligned} $$
したがって、
$$ p_{n+1}=\frac{2-p_n}{7} $$
を得る。
(3) $p_n$ と $\displaystyle \lim_{n\to\infty}p_n$ を求める
漸化式
$$ p_{n+1}=\frac{2-p_n}{7} $$
の定常値を $\alpha$ とすると、
$$ \alpha=\frac{2-\alpha}{7} $$
より
$$ 8\alpha=2,\qquad \alpha=\frac14 $$
である。
そこで
$$ u_n=p_n-\frac14 $$
とおくと、
$$ \begin{aligned} u_{n+1} &=p_{n+1}-\frac14 \\ &=\frac{2-p_n}{7}-\frac14 \\ &=-\frac17\left(p_n-\frac14\right) \\ &=-\frac17u_n \end{aligned} $$
となる。よって $u_n$ は等比数列であり、
$$ u_n=u_1\left(-\frac17\right)^{n-1} $$
である。
ここで
$$ u_1=p_1-\frac14=\frac17-\frac14=-\frac{3}{28} $$
だから、
$$ u_n=-\frac{3}{28}\left(-\frac17\right)^{n-1} =\frac34\left(-\frac17\right)^n $$
となる。したがって
$$ p_n=\frac14+\frac34\left(-\frac17\right)^n $$
を得る。
さらに $\left|-\dfrac17\right|<1$ であるから、
$$ \lim_{n\to\infty}p_n=\frac14 $$
である。
解説
この問題の要点は、和そのものではなく「和を $4$ で割った余り」に着目することである。
1回の試行で出る余りは $0,1,2,3$ に対してそれぞれ $\dfrac17,\dfrac27,\dfrac27,\dfrac27$ であり、特に余り $1,2,3$ が対称である。この対称性を使うと、状態を「余り $0$」と「余り $1,2,3$」に整理でき、$p_n$ だけの漸化式に落とせる。
漸化式が一次式になったら、定常値を引いて等比数列に直すのが典型処理である。
答え
**(1)**
$$ p_1=\frac17,\qquad p_2=\frac{13}{49} $$
**(2)**
$$ p_{n+1}=\frac{2-p_n}{7} $$
**(3)**
$$ p_n=\frac14+\frac34\left(-\frac17\right)^n $$
$$ \lim_{n\to\infty}p_n=\frac14 $$