基礎問題集
数学3 極限「二次方程式・極限」の問題1 解説
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解説
方針・初手
級数
$$ \sum_{n=0}^{\infty}\alpha^n,\qquad \sum_{n=0}^{\infty}\beta^n
$$
がともに収束するための必要十分条件は、それぞれが等比級数であることから
$$ |\alpha|<1,\qquad |\beta|<1
$$
である。
したがって、まず二次方程式 $x^2+ax+b=0$ の二つの実数解 $\alpha,\beta$ がともに $(-1,1)$ に入るような $(a,b)$ の条件を求める。次に
$$ \sum_{n=0}^{\infty}\alpha^n=\frac{1}{1-\alpha},\qquad \sum_{n=0}^{\infty}\beta^n=\frac{1}{1-\beta}
$$
を用い、その和を新しい二つの解とする二次方程式を作ればよい。
解法1
$\alpha,\beta$ は $x^2+ax+b=0$ の実数解であるから、解と係数の関係より
$$ \alpha+\beta=-a,\qquad \alpha\beta=b
$$
である。
また、二つの等比級数がともに収束することと、$\alpha,\beta$ が実数であることから
$$ |\alpha|<1,\qquad |\beta|<1
$$
が成り立つ。
この条件を $(a,b)$ に直す。まず
$$ 1+a+b=1-(\alpha+\beta)+\alpha\beta=(1-\alpha)(1-\beta)>0
$$
であり、同様に
$$ 1-a+b=1+(\alpha+\beta)+\alpha\beta=(1+\alpha)(1+\beta)>0
$$
を得る。さらに
$$ b=\alpha\beta<1
$$
であり、実数解をもつから判別式について
$$ a^2-4b\geqq 0
$$
も必要である。
よって必要条件として
$$ 1+a+b>0,\qquad 1-a+b>0,\qquad b<1,\qquad a^2-4b\geqq 0
$$
を得る。
逆に、これらの条件が成り立つとする。$a^2-4b\geqq 0$ より二次方程式は実数解をもつ。また
$$ f(1)=1+a+b>0,\qquad f(-1)=1-a+b>0
$$
であるから、$x=1,-1$ はともに二つの解の間には入らない。さらに $b<1$ であるから、二つの解がともに $1$ より大きい、またはともに $-1$ より小さいこともない。したがって二つの解はともに $(-1,1)$ に入る。
以上より、求める範囲は
$$ 1+a+b>0,\qquad 1-a+b>0,\qquad b<1,\qquad b\leqq \frac{a^2}{4}
$$
である。
これを整理すると
$$ b>-a-1,\qquad b>a-1,\qquad b\leqq \frac{a^2}{4}
$$
となる。前二者より $b>|a|-1$ であり、さらに $b<1$ もあわせると $-2<a<2$ となる。この範囲では $\dfrac{a^2}{4}<1$ であるから、結局
$$ -2<a<2,\qquad |a|-1<b\leqq \frac{a^2}{4}
$$
が求める $(a,b)$ の範囲である。
したがって、図示すると 直線
$$ b=a-1,\qquad b=-a-1
$$
の上側と、放物線
$$ b=\frac{a^2}{4}
$$
の下側に囲まれた部分であり、下の二直線は含まず、放物線は含む。
次に、二つの級数の和を
$$ S_\alpha=\sum_{n=0}^{\infty}\alpha^n,\qquad S_\beta=\sum_{n=0}^{\infty}\beta^n
$$
とおく。$|\alpha|<1,\ |\beta|<1$ より
$$ S_\alpha=\frac{1}{1-\alpha},\qquad S_\beta=\frac{1}{1-\beta}
$$
である。
したがって
$$ S_\alpha+S_\beta =\frac{1}{1-\alpha}+\frac{1}{1-\beta} =\frac{2-(\alpha+\beta)}{(1-\alpha)(1-\beta)} =\frac{2+a}{1+a+b}
$$
であり、
$$ S_\alpha S_\beta =\frac{1}{(1-\alpha)(1-\beta)} =\frac{1}{1+a+b}
$$
である。
よって、$S_\alpha,S_\beta$ を解にもつ二次方程式は
$$ x^2-\frac{2+a}{1+a+b}x+\frac{1}{1+a+b}=0
$$
である。両辺に $1+a+b$ を掛けると
$$ (1+a+b)x^2-(2+a)x+1=0
$$
となるから、
$$ A=1+a+b,\qquad B=-(2+a)
$$
である。
解説
本問の本質は、「等比級数の収束条件 $|r|<1$ を、二次方程式の係数条件に落とし直すこと」にある。
解 $\alpha,\beta$ を直接動かして考えるより、
$$ 1+a+b=(1-\alpha)(1-\beta),\qquad 1-a+b=(1+\alpha)(1+\beta)
$$
と因数分解できることに気づくと、$\alpha,\beta$ が $1,-1$ をまたがない条件が自然に表れる。そのうえで $b=\alpha\beta<1$ と判別式条件を合わせれば、ちょうど二つの解がともに $(-1,1)$ に入る範囲が定まる。
後半は、新しい解が等比級数の和であるから、和と積を求めてから解と係数の関係を使うのが最短である。
答え
$(a,b)$ の範囲は
$$ -2<a<2,\qquad |a|-1<b\leqq \frac{a^2}{4}
$$
である。すなわち、直線 $b=a-1,\ b=-a-1$ の上側と、放物線 $b=\dfrac{a^2}{4}$ の下側に囲まれた部分であり、下の二直線は含まず、放物線は含む。
また、二つの級数の和を解にもつ二次方程式
$$ Ax^2+Bx+1=0
$$
の係数は
$$ A=1+a+b,\qquad B=-(2+a)
$$
である。