基礎問題集
数学3 極限「数列・極限」の問題16 解説
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解説
方針・初手
平方根を含む漸化式は、そのままでは扱いにくいが、対数を取ると一次の漸化式に直せる。 実際、$a_1>0$ なので帰納的にすべての $a_n$ は正であり、$\log a_n$ を考えることができる。これにより一般項が求まり、極限も直ちに分かる。
解法1
$a_1>0$ であり、
$$ a_{n+1}=2\sqrt{a_n}>0 $$
であるから、すべての $n$ について $a_n>0$ である。そこで
$$ b_n=\log a_n $$
とおくと、
$$ b_{n+1}=\log a_{n+1} =\log(2\sqrt{a_n}) =\log 2+\frac12\log a_n =\log 2+\frac12 b_n $$
となる。
ここで定数項を消すために
$$ c_n=b_n-\log 4 $$
とおくと、
$$ c_{n+1} =b_{n+1}-\log 4 =\left(\log 2+\frac12 b_n\right)-2\log 2 =\frac12(b_n-\log 4) =\frac12 c_n $$
となる。したがって ${c_n}$ は等比数列であり、
$$ c_n=\left(\frac12\right)^{n-1}c_1 =\left(\frac12\right)^{n-1}\bigl(\log a_1-\log 4\bigr) $$
である。
よって
$$ b_n=\log 4+\left(\frac12\right)^{n-1}\log\frac{a_1}{4} $$
となり、
$$ a_n =e^{b_n} =4\exp\left\{\left(\frac12\right)^{n-1}\log\frac{a_1}{4}\right\} =4\left(\frac{a_1}{4}\right)^{(1/2)^{n-1}} $$
を得る。
$n\to\infty$ のとき
$$ \left(\frac12\right)^{n-1}\to 0 $$
であるから、
$$ \left(\frac{a_1}{4}\right)^{(1/2)^{n-1}}\to 1 $$
となる。したがって
$$ \lim_{n\to\infty} a_n=4 $$
である。
解法2
極限値の候補を先に見る方法でも求められる。
関数
$$ f(x)=2\sqrt{x} $$
を考えると、$x>0$ に対して
$$ f(x)-x=2\sqrt{x}-x $$
の符号は、$x$ と $4$ の大小で決まる。実際、
$$ 2\sqrt{x}>x \iff 0<x<4, \qquad 2\sqrt{x}<x \iff x>4 $$
である。
さらに、
$$ 0<x<4 \Rightarrow 0<2\sqrt{x}<4, \qquad x>4 \Rightarrow 2\sqrt{x}>4 $$
も成り立つ。
したがって、初項によって次のようになる。
**(i)**
$0<a_1<4$ のとき
このとき $0<a_n<4$ がすべての $n$ で成り立ち、しかも
$$ a_{n+1}=2\sqrt{a_n}>a_n $$
であるから、${a_n}$ は単調増加で上に $4$ を上界にもつ。よって収束する。
**(ii)**
$a_1=4$ のとき
$$ a_2=2\sqrt{4}=4 $$
であり、以後ずっと $a_n=4$ である。
**(iii)**
$a_1>4$ のとき
このとき $a_n>4$ がすべての $n$ で成り立ち、しかも
$$ a_{n+1}=2\sqrt{a_n}<a_n $$
であるから、${a_n}$ は単調減少で下に $4$ を下界にもつ。よって収束する。
以上より、いずれの場合も ${a_n}$ は収束する。その極限を $L$ とすると、漸化式に極限を入れて
$$ L=2\sqrt{L} $$
を得る。これを解くと
$$ L=0,\ 4 $$
であるが、(i) では単調増加かつ $a_n\ge a_1>0$ なので $L>0$、(ii), (iii) では明らかに $L\ge 4$ である。したがって
$$ L=4 $$
である。
解説
この問題の本質は、漸化式 $a_{n+1}=2\sqrt{a_n}$ の不動点が $4$ であり、数列がそこへ吸い寄せられることを示す点にある。
最も処理がきれいなのは、対数を取って一次の漸化式に直す方法である。この方法では一般項まで明示できる。 一方、入試では「$x$ と $2\sqrt{x}$ の大小は $x=4$ を境に変わる」と見ると、単調性と有界性で収束を示せる。この見方も典型的である。
答え
$$ \lim_{n\to\infty} a_n=4 $$