基礎問題集
数学3 極限「数列・極限」の問題17 解説
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解説
方針・初手
与えられているのは、数列 ${a_n}$ そのものではなく、その和 $S_n$ と $a_n$ の関係である。
したがって、まず
$$ S_1=a_1 $$
を用いて $a_1$ を求め、次に
$$ S_{n+1}-S_n=a_{n+1} $$
を使って $a_n$ の漸化式を作るのが自然である。漸化式が得られれば、定数項を消すために平行移動して一般項を求める。
解法1
**(1)**
$n=1$ のとき、$S_1=a_1$ であるから、条件
$$ S_1=\frac13 a_1-1 $$
より
$$ a_1=\frac13 a_1-1 $$
となる。これを解くと
$$ \frac23 a_1=-1 $$
$$ a_1=-\frac32 $$
である。
次に、$S_{n+1}-S_n=a_{n+1}$ を用いる。
条件より
$$ S_{n+1}=\frac13 a_{n+1}-(n+1), \qquad S_n=\frac13 a_n-n $$
であるから、
$$ a_{n+1}=S_{n+1}-S_n =\left(\frac13 a_{n+1}-(n+1)\right)-\left(\frac13 a_n-n\right) $$
$$ a_{n+1}=\frac13(a_{n+1}-a_n)-1 $$
これを整理すると
$$ 3a_{n+1}=a_{n+1}-a_n-3 $$
$$ 2a_{n+1}=-a_n-3 $$
$$ a_{n+1}=-\frac12 a_n-\frac32 $$
したがって、
$$ a_1=-\frac32,\qquad a_{n+1}=-\frac12 a_n-\frac32 $$
である。
---
(2) 漸化式
$$ a_{n+1}=-\frac12 a_n-\frac32 $$
の定数項を消すために、
$$ b_n=a_n+1 $$
とおく。すると
$$ b_{n+1}=a_{n+1}+1 =-\frac12 a_n-\frac32+1 =-\frac12(a_n+1) =-\frac12 b_n $$
となる。
また、
$$ b_1=a_1+1=-\frac32+1=-\frac12 $$
であるから、${b_n}$ は初項 $-\dfrac12$、公比 $-\dfrac12$ の等比数列である。よって
$$ b_n=\left(-\frac12\right)^n $$
したがって
$$ a_n=b_n-1=\left(-\frac12\right)^n-1 $$
である。
---
**(3)**
$$ a_n=\left(-\frac12\right)^n-1 $$
より、$n\to\infty$ のとき
$$ \left(-\frac12\right)^n \to 0 $$
だから
$$ \lim_{n\to\infty} a_n=-1 $$
である。
解説
この問題の要点は、和 $S_n$ に関する条件から数列 ${a_n}$ の漸化式を作ることである。そのためには
$$ S_{n+1}-S_n=a_{n+1} $$
を使うのが基本である。
また、得られた漸化式は定数項を含む一次漸化式なので、平衡点 $-1$ を見つけて $a_n+1$ と置けば等比数列に帰着できる。一次漸化式の典型処理として重要である。
答え
**(1)**
$$ \text{[ア]}=-\frac32,\qquad \text{[イ]}=-\frac12,\qquad \text{[ウ]}=\frac32 $$
すなわち
$$ a_1=-\frac32,\qquad a_{n+1}=-\frac12 a_n-\frac32 $$
**(2)**
$$ a_n=\left(-\frac12\right)^n-1 $$
**(3)**
$$ \lim_{n\to\infty} a_n=-1 $$