基礎問題集
数学3 極限「数列・極限」の問題25 解説
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解説
方針・初手
$f(x)=2^{x/2}$ と直線 $y=x$ の位置関係を調べる。
特に区間 $[1,2)$ で
$$ f(x)>x,\qquad f(x)<2
$$
を示せば,数列 ${a_n}$ が単調増加で常に $2$ 未満であることが同時に分かる。
後半は不動点 $f(x)=x$ を求め,さらに平均値の定理を用いて誤差 $\alpha-a_n$ の評価を与える。
解法1
**(1), (2)**
$$ g(x)=f(x)-x=2^{x/2}-x
$$
とおく。
まず $1\leqq x\leqq 2$ では
$$ g'(x)=\frac{\log 2}{2}2^{x/2}-1
$$
であり,$2^{x/2}\leqq 2$ だから
$$ g'(x)\leqq \frac{\log 2}{2}\cdot 2-1=\log 2-1<0
$$
となる。よって $g(x)$ は $[1,2]$ で単調減少する。
しかも
$$ g(2)=2^{2/2}-2=0
$$
であるから,$1\leqq x<2$ なら
$$ g(x)>g(2)=0
$$
すなわち
$$ f(x)>x
$$
が成り立つ。
また $x<2$ なら $x/2<1$ だから
$$ f(x)=2^{x/2}<2
$$
である。
ここで帰納法を用いる。
$a_1=1$ だから $1\leqq a_1<2$ である。
いま $1\leqq a_n<2$ と仮定すると,上で示したことより
$$ a_{n+1}=f(a_n)>a_n
$$
かつ
$$ a_{n+1}=f(a_n)<2
$$
である。したがって
$$ 1\leqq a_{n+1}<2
$$
も成り立つ。
よってすべての $n$ について
$$ 1\leqq a_n<2
$$
であり,さらに
$$ a_n<a_{n+1}
$$
が成り立つ。
これで (1) と (2) が示された。
**(3)**
$f(x)=x$ を満たす実数 $x$ を求める。
方程式
$$ 2^{x/2}=x
$$
において $x=2y$ とおくと
$$ 2^y=2y
$$
となる。そこで
$$ q(y)=2^y-2y
$$
とおくと,
$$ q'(y)=(\log 2)2^y-2,\qquad q''(y)=(\log 2)^2 2^y>0
$$
であるから,$q'(y)$ は単調増加する。したがって $q(y)$ は極値を高々1つしかもたず,零点を高々2つしかもたない。
一方,
$$ q(1)=2-2=0,\qquad q(2)=4-4=0
$$
であるから,零点はちょうど $y=1,2$ である。
よって
$$ x=2y=2,4
$$
である。
**(4)**
$f(\alpha)=\alpha$ とする。このとき (3) より
$$ \alpha=2\ \text{または}\ 4
$$
である。また (2) より常に $a_n<2$ だから
$$ a_n<\alpha
$$
が成り立つ。
そこで区間 $[a_n,\alpha]$ に平均値の定理を適用すると,ある $c_n$ が存在して
$$ a_n<c_n<\alpha
$$
かつ
$$ f(\alpha)-f(a_n)=f'(c_n)(\alpha-a_n)
$$
となる。$f(\alpha)=\alpha,\ f(a_n)=a_{n+1}$ だから
$$ \alpha-a_{n+1}=f'(c_n)(\alpha-a_n)
$$
である。
ここで
$$ f'(x)=\frac{\log 2}{2}2^{x/2}
$$
は単調増加するので,$c_n<\alpha$ から
$$ f'(c_n)<f'(\alpha)
$$
である。さらに $f(\alpha)=\alpha$ より $2^{\alpha/2}=\alpha$ だから
$$ f'(\alpha)=\frac{\log 2}{2}2^{\alpha/2} =\frac{\alpha\log 2}{2}
$$
となる。
したがって
$$ \alpha-a_{n+1} <f'(\alpha)(\alpha-a_n) =\frac{\alpha\log 2}{2}(\alpha-a_n)
$$
が成り立つ。
**(5)**
(1) と (2) により,${a_n}$ は単調増加で上に有界である。よって極限をもち,
$$ \lim_{n\to\infty}a_n=L
$$
とおける。
$f(x)=2^{x/2}$ は連続だから,漸化式 $a_{n+1}=f(a_n)$ の両辺で極限をとると
$$ L=f(L)
$$
すなわち $L$ は不動点である。
(3) より不動点は $2,4$ のみである。一方 (2) より $a_n<2$ だから
$$ L\leqq 2
$$
である。よって
$$ L=2
$$
となる。
したがって
$$ \lim_{n\to\infty}a_n=2
$$
である。
解説
この問題の要点は,$f(x)=2^{x/2}$ と $y=x$ の位置関係を見ることである。
区間 $[1,2)$ で $f(x)>x$ かつ $f(x)<2$ を示せば,数列が「増加しながら $2$ に近づく」ことがすぐに分かる。したがって (1) と (2) は別々に処理するより,同時に示すのが自然である。
また (4) は,不動点 $\alpha$ からのずれ $\alpha-a_n$ を平均値の定理で評価する問題である。これは単なる収束の証明ではなく,どの程度の速さで不動点に近づくかを見る典型的な処理である。
答え
**(1)**
$$ a_n<a_{n+1}\qquad (n=1,2,\dots)
$$
**(2)**
$$ a_n<2\qquad (n=1,2,\dots)
$$
**(3)**
$$ f(x)=x
$$
を満たす実数 $x$ は
$$ x=2,\ 4
$$
である。
**(4)**
$f(\alpha)=\alpha$ のとき
$$ \alpha-a_{n+1}<\frac{\alpha\log 2}{2}(\alpha-a_n) \qquad (n=1,2,\dots)
$$
が成り立つ。
**(5)**
$$ \lim_{n\to\infty}a_n=2
$$