基礎問題集
数学3 極限「数列・極限」の問題29 解説
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解説
方針・初手
(1) は倍角公式
$$ \tan 2x=\frac{2\tan x}{1-\tan^2 x} $$
を用いればよい。
(2) は (1) を $n\mapsto n-1$ として用いると,各項 $\dfrac{a_n}{2^n}$ が差の形に変形でき,和が望ましく整理される。
解法1
**(1)**
$$ x=\frac{\pi}{2^{n+2}} $$
とおくと,
$$ a_{n+1}=\tan x,\qquad a_n=\tan 2x $$
である。
ここで倍角公式より,
$$ a_n=\tan 2x=\frac{2\tan x}{1-\tan^2 x} =\frac{2a_{n+1}}{1-a_{n+1}^2} $$
となる。したがって,
$$ \frac{2}{a_n} =\frac{1-a_{n+1}^2}{a_{n+1}} =\frac{1}{a_{n+1}}-a_{n+1} $$
であるから,
$$ a_{n+1}=\frac{1}{a_{n+1}}-\frac{2}{a_n} $$
が成り立つ。
**(2)**
部分和を
$$ S_N=\sum_{n=1}^{N}\frac{a_n}{2^n} $$
とおく。
(1) で $n$ を $n-1$ に置き換えると,$n\geqq 2$ に対して
$$ a_n=\frac{1}{a_n}-\frac{2}{a_{n-1}} $$
である。両辺を $2^n$ で割ると,
$$ \frac{a_n}{2^n} =\frac{1}{2^n a_n}-\frac{1}{2^{n-1}a_{n-1}} $$
となる。よって,
$$ \begin{aligned} S_N &=\frac{a_1}{2}+\sum_{n=2}^{N}\left(\frac{1}{2^n a_n}-\frac{1}{2^{n-1}a_{n-1}}\right) \\ &=\frac{a_1}{2}+\left(\frac{1}{2^N a_N}-\frac{1}{2a_1}\right). \end{aligned} $$
ここで
$$ a_1=\tan \frac{\pi}{4}=1 $$
だから,
$$ S_N=\frac{1}{2^N a_N} =\frac{1}{2^N\tan\left(\dfrac{\pi}{2^{N+1}}\right)}. $$
したがって,
$$ S_N =\frac{2}{\pi}\cdot \frac{\dfrac{\pi}{2^{N+1}}}{\tan\left(\dfrac{\pi}{2^{N+1}}\right)}. $$
ここで
$$ \lim_{x\to 0}\frac{\tan x}{x}=1 $$
より
$$ \lim_{N\to\infty}\frac{\dfrac{\pi}{2^{N+1}}}{\tan\left(\dfrac{\pi}{2^{N+1}}\right)}=1 $$
である。ゆえに,
$$ \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{2^n}\tan\frac{\pi}{2^{n+1}} =\lim_{N\to\infty}S_N =\frac{2}{\pi}. $$
解説
この問題の要点は,$\tan \dfrac{\pi}{2^{n+1}}$ という形から倍角公式を使うことである。
(1) は単なる公式変形であるが,(2) ではその結果を
$$ \frac{a_n}{2^n} =\frac{1}{2^n a_n}-\frac{1}{2^{n-1}a_{n-1}} $$
という差の形に直すことが重要である。こうすると和が階差型になり,大部分が打ち消し合う。最後は $\tan x\sim x\ (x\to 0)$ を用いて極限を求めればよい。
答え
**(1)**
$$ a_{n+1}=\frac{1}{a_{n+1}}-\frac{2}{a_n} $$
**(2)**
$$ \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{2^n}\tan\frac{\pi}{2^{n+1}} =\frac{2}{\pi} $$