基礎問題集

数学3 極限「数列・極限」の問題32 解説

数学3の極限「数列・極限」にある問題32の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。

MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。

数学3極限数列・極限問題32
  • 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
  • ログイン後にAI質問で復習
  • ログイン後に学習履歴を保存
数学3 極限 数列・極限 問題32の問題画像
問題画像のプレビュー

解説

方針・初手

多項式

$$ f(x)=x^3-x+a $$

とおく。方程式 $f(x)=0$ は相異なる3つの実数解をもち,そのうち大きい方の2つが $\beta,\gamma$ である。残りの1つを $\alpha$ とおけば

$$ \alpha<\beta<\gamma,\qquad f(x)=(x-\alpha)(x-\beta)(x-\gamma) $$

である。

反復式は

$$ x_{n+1}=x_n^3+a $$

であるから,まず $\beta<x_n<\gamma$ が保たれることを示す。すると

$$ x_{n+1}-x_n=f(x_n) $$

の符号が分かり,単調性が直ちに出る。最後に,単調有界性から極限を出し,その極限がどの根であるかを判定する。

解法1

$f(x)=0$ の3つの実数解を $\alpha<\beta<\gamma$ とする。

まず,$\beta<x_n<\gamma$ がすべての $n$ で成り立つことを示す。

$n=1$ では仮定より $\beta<x_1<\gamma$ である。

いま $\beta<x_n<\gamma$ と仮定する。このとき,$\beta$ は $f(x)=0$ の解であるから $\beta^3+a=\beta$ であり,

$$ \begin{aligned} x_{n+1}-\beta &=x_n^3+a-(\beta^3+a) \\ &=x_n^3-\beta^3 \\ &=(x_n-\beta)(x_n^2+\beta x_n+\beta^2) \end{aligned} $$

となる。ここで

$$ \begin{aligned} x_n^2+\beta x_n+\beta^2 &= \left(x_n+\frac{\beta}{2}\right)^2+\frac{3}{4}\beta^2>0 \end{aligned} $$

であるから,$x_n-\beta>0$ より

$$ x_{n+1}-\beta>0 $$

すなわち

$$ \beta<x_{n+1} $$

である。

同様に,$\gamma^3+a=\gamma$ を用いると

$$ \begin{aligned} x_{n+1}-\gamma &=x_n^3+a-(\gamma^3+a) \\ &=x_n^3-\gamma^3 \\ &=(x_n-\gamma)(x_n^2+\gamma x_n+\gamma^2) \end{aligned} $$

であり,

$$ \begin{aligned} x_n^2+\gamma x_n+\gamma^2 &= \left(x_n+\frac{\gamma}{2}\right)^2+\frac{3}{4}\gamma^2>0 \end{aligned} $$

だから,$x_n-\gamma<0$ より

$$ x_{n+1}-\gamma<0 $$

すなわち

$$ x_{n+1}<\gamma $$

である。

以上より,$\beta<x_n<\gamma$ ならば $\beta<x_{n+1}<\gamma$ である。したがって数学的帰納法により,

$$ \beta<x_n<\gamma\qquad(n=1,2,3,\dots) $$

が成り立つ。特に (1)

$$ \beta<x_n\qquad(n=1,2,3,\dots) $$

が示された。

次に (2) を示す。上で得た $\beta<x_n<\gamma$ と $\alpha<\beta$ から

$$ x_n-\alpha>0,\qquad x_n-\beta>0,\qquad x_n-\gamma<0 $$

である。よって

$$ \begin{aligned} x_{n+1}-x_n &=x_n^3+a-x_n \\ &=f(x_n) \\ &=(x_n-\alpha)(x_n-\beta)(x_n-\gamma)<0 \end{aligned} $$

となる。したがって

$$ x_{n+1}<x_n\qquad(n=1,2,3,\dots) $$

が成り立つ。

最後に (3) を示す。仮定

$$ 0<\beta<x_1<\frac{1}{\sqrt{3}} $$

のもとでは,(1) と (2) により,数列 ${x_n}$ は下に有界な単調減少数列である。よって極限をもち,

$$ \lim_{n\to\infty}x_n=L $$

とおける。このとき

$$ \beta\le L\le x_1<\frac{1}{\sqrt{3}} $$

である。

反復式 $x_{n+1}=x_n^3+a$ の両辺で $n\to\infty$ とすると,連続性より

$$ L=L^3+a $$

すなわち

$$ L^3-L+a=0 $$

となる。したがって $L$ は方程式 $x^3-x+a=0$ の実数解である。

ここで

$$ f'(x)=3x^2-1 $$

であるから,$x\ge \dfrac{1}{\sqrt{3}}$ では $f'(x)\ge0$ となり,$f$ は $\left[\dfrac{1}{\sqrt{3}},\infty\right)$ で増加する。しかも $f(x)=0$ は相異なる3実根をもつので,最大の根 $\gamma$ は

$$ \gamma>\frac{1}{\sqrt{3}} $$

を満たす。

したがって,$\beta\le L<\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ を満たす実数解は $\beta$ しかない。ゆえに

$$ L=\beta $$

である。すなわち

$$ \lim_{n\to\infty}x_n=\beta $$

が成り立つ。

解説

この問題の本質は,反復式

$$ x_{n+1}=x_n^3+a $$

をそのまま眺めるのではなく,方程式 $x^3-x+a=0$ の根との位置関係で見ることである。

実際,

$$ x_{n+1}-\beta=x_n^3-\beta^3,\qquad x_{n+1}-\gamma=x_n^3-\gamma^3 $$

と書くと,区間 $(\beta,\gamma)$ が反復で保たれることが分かる。また

$$ x_{n+1}-x_n=x_n^3-x_n+a=f(x_n) $$

であり,$x_n$ が常に $(\beta,\gamma)$ にあるので,$f(x_n)$ の符号から単調減少が直ちに出る。

極限では,単調有界性で収束を確保し,極限値が再び元の方程式の解になることを用いる。最後に,$x_1<1/\sqrt{3}$ という条件で極限値が $\gamma$ ではありえないことを切り分ければ,極限は $\beta$ に定まる。

答え

**(1)**

$$ \beta<x_n\qquad(n=1,2,3,\dots) $$

**(2)**

$$ x_{n+1}<x_n\qquad(n=1,2,3,\dots) $$

**(3)**

$0<\beta<x_1<\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ ならば

$$ \lim_{n\to\infty}x_n=\beta $$

である。

認証状態を確認しています...
MathGrAIl
使い方 マイページ

大学入試数学を、1問ずつ深く解く。

大学別演習と分野別基礎問題演習に対応。解説閲覧とAI質問で効率よく学べます。

今日の一問
基礎問題集から毎日1問を出題します
-
読み込み中...
今日の一問を準備しています...

読み込み中...

科目を選択してください

トピックを選ぶと問題一覧を表示します。

読み込み中...

演習条件を選択してください

大学・文理を選ぶと、年度ごとの問題一覧を表示します。

年度・問題を読み込み中...
- - - -
年度一覧から解きたい問題を選択してください。
答案画像を提出すると、AIが採点して改善点を返します。最大3枚まで追加できます。
クリックまたはドラッグ&ドロップで答案画像を選択(最大3枚)
この問題について質問してください。