基礎問題集
数学3 極限「数列・極限」の問題37 解説
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解説
方針・初手
まず (S_2(n)) は,第1項 (a_1) を固定して数え上げるとすぐに求まる。
つぎに (S_3(2n+1)-S_3(2n)) は,「上限が (2n) から (2n+1) に増えたことで新たに加わる数列」を数えればよい。これは第3項が (2n+1) であるものに限られる。
最後に (S_3(n)) は,第3項を固定すると (S_2) の和に帰着するので,その形から極限を求める。
解法1
**(1)**
(S_2(n)) は,(1\le a_1,a_2\le n) で
$$ 2a_1\le a_2 $$
を満たす組 ((a_1,a_2)) の個数である。
(a_1=r) と固定すると,(a_2) は
$$ 2r,,2r+1,,\dots,,n $$
の (n-2r+1) 個である。ただしこれは (2r\le n) のとき,すなわち
$$ 1\le r\le \left\lfloor \frac n2\right\rfloor $$
で成り立つ。
したがって
$$ S_2(n)=\sum_{r=1}^{\lfloor n/2\rfloor}(n-2r+1) $$
である。ここで (q=\left\lfloor \dfrac n2\right\rfloor) とおくと,
$$ \begin{aligned} S_2(n) &=\sum_{r=1}^{q}(n+1-2r) \\ &=q(n+1)-2\cdot \frac{q(q+1)}2 \\ &=q(n-q) \end{aligned} $$
となる。
よって
$$ S_2(2q)=q^2,\qquad S_2(2q+1)=q(q+1) $$
であり,まとめると
$$ S_2(n)=\left\lfloor \frac{n^2}{4}\right\rfloor $$
である。
**(2)**
(S_3(2n+1)-S_3(2n)) は,(1\le a_1,a_2,a_3\le 2n+1) で
$$ 2a_1\le a_2,\qquad 2a_2\le a_3 $$
を満たす3項数列のうち,第3項が (2n+1) であるものの個数に等しい。
実際,第3項が (2n) 以下のものはすでに (S_3(2n)) に含まれているからである。
そこで (a_3=2n+1) とすると,
$$ 2a_2\le 2n+1 $$
より (a_2\le n) である。したがって,この差は
$$ 1\le a_1,a_2\le n,\qquad 2a_1\le a_2 $$
を満たす組 ((a_1,a_2)) の個数に等しい。これはまさに (S_2(n)) である。
よって
$$ S_3(2n+1)-S_3(2n)=S_2(n) $$
となる。
したがって,求める自然数は (n) である。
**(3)**
(r\ge 1) に対し,(S_3(r)-S_3(r-1)) を考える。これは第3項がちょうど (r) である3項数列の個数である。
第3項を (a_3=r) とすると,
$$ 2a_2\le r $$
より
$$ 1\le a_2\le \left\lfloor \frac r2\right\rfloor $$
であり,さらに (2a_1\le a_2) を満たせばよい。したがって
$$ S_3(r)-S_3(r-1)=S_2!\left(\left\lfloor \frac r2\right\rfloor\right) $$
である。
これを (r=1) から (n) まで足すと,
$$ S_3(n)=\sum_{r=1}^{n} S_2!\left(\left\lfloor \frac r2\right\rfloor\right) $$
となる。
ここで (m=\left\lfloor \dfrac n2\right\rfloor) とすると,
$$ 2\sum_{k=1}^{m-1}S_2(k)\le S_3(n)\le 2\sum_{k=1}^{m}S_2(k) $$
が成り立つ。
(1) より
$$ S_2(k)=\left\lfloor \frac{k^2}{4}\right\rfloor $$
であるから,
$$ \frac{k^2}{4}-1<S_2(k)\le \frac{k^2}{4} $$
が成り立つ。したがって
$$ 2\sum_{k=1}^{m-1}\left(\frac{k^2}{4}-1\right) < S_3(n) \le 2\sum_{k=1}^{m}\frac{k^2}{4} $$
である。
ゆえに
$$ \frac{1}{2n^3}\sum_{k=1}^{m-1}k^2-\frac{2(m-1)}{n^3} < \frac{S_3(n)}{n^3} \le \frac{1}{2n^3}\sum_{k=1}^{m}k^2 $$
となる。ここで
$$ \sum_{k=1}^{m}k^2=\frac{m(m+1)(2m+1)}{6} $$
であり,(m/n\to 1/2) だから,
$$ \begin{aligned} \frac{1}{2n^3}\sum_{k=1}^{m}k^2 &= \frac{m(m+1)(2m+1)}{12n^3} \to \frac{1}{48} \end{aligned} $$
である。下側も同様に (\dfrac{1}{48}) に収束するので,はさみうちの原理より
$$ \lim_{n\to\infty}\frac{S_3(n)}{n^3}=\frac{1}{48} $$
である。
解説
この問題の要点は,「最後の項を固定して前の項を数える」と (S_3) が (S_2) に帰着することである。
(2) では差をとることで,第3項が新しく (2n+1) になったものだけを数えればよくなり,一気に (S_2(n)) になる。
(3) でも同じ発想で,(S_3(n)-S_3(n-1)) を (S_2\bigl(\lfloor n/2\rfloor\bigr)) とみるのが本質である。3項数列を直接数えようとすると煩雑になるが,1段階ずつ増やして考えると整理しやすい。
答え
**(1)**
$$ S_2(n)=\left\lfloor \frac{n^2}{4}\right\rfloor $$
すなわち
$$ S_2(2q)=q^2,\qquad S_2(2q+1)=q(q+1) $$
である。
**(2)**
$$ S_3(2n+1)-S_3(2n)=S_2(n) $$
であるから,求める自然数は (n) である。
**(3)**
$$ \lim_{n\to\infty}\frac{S_3(n)}{n^3}=\frac{1}{48} $$