基礎問題集
数学3 極限「数列・極限」の問題46 解説
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解説
方針・初手
4本の不等式に対して、それぞれの「余り」を表す変数を入れると条件が整理しやすい。
$$ \begin{aligned} a&=n-(x+y+z),\\ b&=n-(-x+y-z)=n+x-y+z,\\ c&=n-(x-y-z)=n-x+y+z,\\ d&=n-(-x-y+z)=n+x+y-z \end{aligned} $$
とおくと、もとの連立不等式は $a,b,c,d\geqq 0$ と同値である。さらにこの4つを足すと
$$ a+b+c+d=4n $$
となる。したがって、問題は「和が $4n$ である非負整数 $a,b,c,d$ のうち、整数点 $(x,y,z)$ に対応するものを数える」ことに帰着する。
解法1
上の定義から、$x,y,z$ は $b,c,d$ を用いて
$$ x=\frac{b+d}{2}-n,\qquad y=\frac{c+d}{2}-n,\qquad z=\frac{b+c}{2}-n $$
と表される。
したがって $x,y,z$ がすべて整数であるための必要十分条件は、
$$ b+d,\ c+d,\ b+c $$
がすべて偶数であること、すなわち $b,c,d$ が同じ偶奇をもつことである。
このとき $a=4n-(b+c+d)$ も同じ偶奇になるから、結局
「$a,b,c,d$ はすべて同じ偶奇をもつ」
ことが必要十分条件である。
よって、$f(n)$ は 「和が $4n$ である非負整数4つ組 $(a,b,c,d)$ で、4つがすべて偶数またはすべて奇数であるものの個数」 に等しい。
(i) 4つとも偶数の場合
$$ a=2a_1,\quad b=2b_1,\quad c=2c_1,\quad d=2d_1 $$
とおくと、
$$ a_1+b_1+c_1+d_1=2n $$
となる。非負整数解の個数は重複組合せより
$$ {}_{2n+3}\mathrm{C}_{3} $$
である。
(ii) 4つとも奇数の場合
$$ a=2a_2+1,\quad b=2b_2+1,\quad c=2c_2+1,\quad d=2d_2+1 $$
とおくと、
$$ a_2+b_2+c_2+d_2=2n-2 $$
となる。非負整数解の個数は
$$ {}_{2n+1}\mathrm{C}_{3} $$
である。
以上より
$$ f(n)={}_{2n+3}\mathrm{C}_{3}+{}_{2n+1}\mathrm{C}_{3} $$
である。これを計算すると
$$ \begin{aligned} f(n) &=\frac{(2n+3)(2n+2)(2n+1)}{6}+\frac{(2n+1)(2n)(2n-1)}{6}\\ &=\frac{16n^3+24n^2+20n+6}{6}. \end{aligned} $$
したがって
$$ \frac{f(n)}{n^3} =\frac{16n^3+24n^2+20n+6}{6n^3} \to \frac{16}{6} =\frac{8}{3} \qquad (n\to\infty). $$
解説
この問題の本質は、4本の不等式をそのまま扱うのではなく、それぞれに対応する余り $a,b,c,d$ を導入することである。すると条件は
$$ a+b+c+d=4n,\qquad a,b,c,d\geqq 0 $$
という単純な形になり、さらに整数条件が「4つが同じ偶奇をもつ」という条件に読み替えられる。
極限だけを求める問題であるが、ここでは $f(n)$ を実際に求められるため、そのまま極限が出る。偶奇条件を見抜けるかどうかが要点である。
答え
$$ \lim_{n\to\infty}\frac{f(n)}{n^3}=\frac{8}{3} $$