基礎問題集
数学3 極限「数列・極限」の問題47 解説
数学3の極限「数列・極限」にある問題47の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
注意
画像の一部が不鮮明で、特に (2) の $b_k$ の定義は $k+1$ の読取りに不確実性がある。以下は **$b_k=k+1$** と解釈した場合の解答解説である。
方針・初手
$S_n,\ T_n,\ U_n$ はいずれも和の公式で処理する。 (1) は等比数列の和をそのまま用いればよく、極限では主要項だけを比べればよい。 (2) は $U_n=\sum_{k=1}^n (k+1)2^k$ を $\sum k2^k$ と $\sum 2^k$ に分けて求めるのが自然である。
解法1
**(1)**
$a_k=2^k,\ b_k=r^k\ (r>1)$ のとき
まず
$$ S_n=\sum_{k=1}^n (2^k)^2=\sum_{k=1}^n 4^k =\frac{4(4^n-1)}{3} =\frac{4^{n+1}-4}{3} $$
である。
また、
$$ T_n=\sum_{k=1}^n r^{2k} =\frac{r^2(r^{2n}-1)}{r^2-1}, \qquad U_n=\sum_{k=1}^n (2r)^k =\frac{2r{(2r)^n-1}}{2r-1} $$
となるから、
$$ \begin{aligned} \frac{U_n^2}{S_nT_n} &= \frac{\left(\dfrac{2r{(2r)^n-1}}{2r-1}\right)^2} {\left(\dfrac{4^{n+1}-4}{3}\right)\left(\dfrac{r^2(r^{2n}-1)}{r^2-1}\right)} \end{aligned} $$
である。これを整理すると、
$$ \begin{aligned} \frac{U_n^2}{S_nT_n} &= \frac{3(r^2-1){(2r)^n-1}^2} {(2r-1)^2(4^n-1)(r^{2n}-1)} \end{aligned} $$
よって $n\to\infty$ とすると、
$$ \begin{aligned} \lim_{n\to\infty}\frac{U_n^2}{S_nT_n} &= \frac{3(r^2-1)}{(2r-1)^2} \end{aligned} $$
を得る。
次に、この値の最大を考える。任意の $n$ についてコーシー・シュワルツの不等式より
$$ U_n^2\leqq S_nT_n $$
であるから、
$$ \frac{U_n^2}{S_nT_n}\leqq 1 $$
が成り立つ。したがって極限値も $1$ 以下である。
一方、$r=2$ のときは $a_k=b_k=2^k$ となるので、各 $n$ について
$$ U_n=\sum_{k=1}^n a_kb_k=\sum_{k=1}^n (2^k)^2=S_n=T_n $$
であり、
$$ \frac{U_n^2}{S_nT_n}=1 $$
となる。したがって最大値は $1$ であり、そのとき $r=2$ である。
**(2)**
$a_k=2^k,\ b_k=k+1$ のとき
まず
$$ T_n=\sum_{k=1}^n (k+1)^2 =\sum_{j=2}^{n+1} j^2 =\frac{(n+1)(n+2)(2n+3)}{6}-1 =\frac{n(2n^2+9n+13)}{6} $$
である。
次に
$$ U_n=\sum_{k=1}^n (k+1)2^k =\sum_{k=1}^n k2^k+\sum_{k=1}^n 2^k $$
と分ける。
ここで
$$ A_n=\sum_{k=1}^n k2^k $$
とおくと、
$$ 2A_n=\sum_{k=1}^n k2^{k+1} =\sum_{k=2}^{n+1}(k-1)2^k $$
であるから、
$$ \begin{aligned} A_n-2A_n &= 2+\sum_{k=2}^n{k-(k-1)}2^k-n2^{n+1} \end{aligned} $$
すなわち
$$ \begin{aligned} -A_n &= 2+\sum_{k=2}^n 2^k-n2^{n+1} \\ 2+(2^{n+1}-4)-n2^{n+1} \end{aligned} $$
となる。よって
$$ A_n=(n-1)2^{n+1}+2 $$
である。
また、
$$ \sum_{k=1}^n 2^k=2^{n+1}-2 $$
であるから、
$$ U_n=\bigl((n-1)2^{n+1}+2\bigr)+(2^{n+1}-2)=n2^{n+1} $$
を得る。
さらに
$$ S_n=\sum_{k=1}^n 4^k=\frac{4^{n+1}-4}{3} $$
であるので、
$$ \begin{aligned} \frac{U_n^2}{S_nT_n} &= \frac{n^2 4^{n+1}} {\left(\dfrac{4^{n+1}-4}{3}\right)\left(\dfrac{n(2n^2+9n+13)}{6}\right)} &= \frac{18n,4^{n+1}}{(4^{n+1}-4)(2n^2+9n+13)} \end{aligned} $$
となる。ここで
$$ \frac{4^{n+1}}{4^{n+1}-4}\to 1, \qquad \frac{n}{2n^2+9n+13}\to 0 $$
より、
$$ \lim_{n\to\infty}\frac{U_n^2}{S_nT_n}=0 $$
である。
解説
この問題の本質は、内積型の量 $U_n$ と二乗和 $S_n,\ T_n$ をどう扱うかである。 (1) は等比数列の和に落ちるので計算自体は素直であり、最大値についてはコーシー・シュワルツの不等式を見ると一気に決まる。 (2) は $\sum (k+1)2^k$ の処理が要点で、$\sum k2^k$ を差をとって求める形が典型である。極限は厳密式を出したあと、増え方を比較すればよい。
答え
**(1)**
$$ S_n=\frac{4^{n+1}-4}{3} $$
$$ \begin{aligned} \lim_{n\to\infty}\frac{U_n^2}{S_nT_n} &= \frac{3(r^2-1)}{(2r-1)^2} \end{aligned} $$
この値は
$$ r=2 $$
のとき最大となり、その最大値は
$$ 1 $$
である。
**(2)**
$$ T_n=\frac{n(2n^2+9n+13)}{6} $$
$$ U_n=n2^{n+1} $$
$$ \lim_{n\to\infty}\frac{U_n^2}{S_nT_n}=0 $$